本の中の「れいち」

「本」はとても好きでよく読むし、
「本気」「本質」「本物」などの漢字も好き。

本を読んでいて気づいたことだが、
本棚に立てて置いてある本は単なる「棒」にタイトルしか見えない。
それを手に取って、表を見れば、ほとんどが「四角」となる。

人間も突っ立ったままは棒みたいなもので、
両手両足を広げれば「四角」「大の字」のようになる。

丸型の本というのは、ほとんどないが、
9割以上の四角い形の本のページを捲ると、
その捲っているページは横から見ると「扇状」になる。

つまり「半円」のようになるということ。

だから何?と思われたかもしれないが、
こういった日常の何気ないことに「0・1」は隠されている。

本は見る角度やページを捲るか、めくらないかで見え方が変わる。
扇(おうぎ)というのは「奥義」とも言えるので、
ここに大切な秘密が隠されている。

本関連の職についている人以外は、
本の各箇所の名称などほとんど知らないと思う。
でも見ていると非常に面白く、
よく考えて名がつけられていることがわかる。

本の綴じ方も色々あるようだし、
「閉じる」ではなく「綴じる」というのも、
なんか意味深な感じがする。

そして、一番大切なことは、
本の「背」の部分が動かず、
しっかりと表紙と各ページがくっついているから、
本としての機能が発揮される。

これは人も同じで、
中心となる「背中(脊柱)」が大事で、
スポーツでも中心線を動かさず、止めることで、
その周りが大きく動かすことができる。

我々は何でも「動かそう」とすることばかり考え、
「変化」ばかりを望む傾向にあるが、
その土台となる「中心」はしっかりと繋ぎ止める、
表と裏、前と後ろ、内と外で結び止めること。

それができて初めて、
「ページ(頁)」を捲ることができる。

「頁」は「顔」「額」「顎」「頸」といった人体に使われている。

「頁」の前は「葉」が使われていたようで、
要するに、末端の各所を動かすには、
土台の根幹となる部分がしっかりと止まっていること。

人生の土台となる価値観や人生観がフラフラしていては、
日々の暮らしの中の動きも安定しないのは当然のこと。

たかが本、されど本

動画などの映像サービスが主流の現代において、
本の大切さが忘れがちではあるが、
ただ中に書いてある文字だけを読むのではなく、
隠された秘密や仕組みを考察することに人生の面白さがある。


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