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瑠璃の部屋65

※汚物描写あり注意

昨日の本にインスパイアされて。今朝の様子を綴ってみる。俺とてnoteのクリエイターである。向こうを張ってトイレシーンから初めてみるか。

静寂が五感を起こさせる。春と呼ぶには肌寒いなか、水中にそびえるサクラダファミリアの如き汚物が、静寂を破り濁流に飲み込まれていく。

濡れた階段を登って傘を払う。ガラス戸を2つ抜けると、再び静寂に包まれる。一番奥のカウンターに男性館員がスマホをいじっているのが目に入った。半透明のシートの下から「パソコン席を使いたいです」と告げると「何番ですか?」席番が書かれたホワイトボードを示された。1番は詰まっていた。「3番」

1番に座る白髪の男性は、イヤホンで音楽を聴きながらノートパソコンのキーボードを打っている。その音が静寂を引き立たせる。

しばらくすると、空いていた4番に女性が座った。チェック柄の上着が懐かしさを感じさせる。黒縁の眼鏡越しにスマホをいじっている。さきほど、着信音がしていたので、何か返信をしているのかも知れない。どうやら、目的はバッテリーパックの充電だけらしい。

視点を変えると、普段気にもしないことが視えてくる。横断歩道を渡るときに、白い部分以外が踏めなかったらと足が竦むように感じてみたり、館内に入って上を見上げたら教会のステンドグラスに見えたり。色は無いんだね。

はぁー

えーっと、なんだっけギターが呼んでいる気がするのだが。帰るか。