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La La Land

公開から8年、大ヒット映画をそのぐらい遅れて観ることなどザラにある僕がまたしてもやらかした。

なんて良い映画なんだ。気が利いてて甘ったるくなくて多方面へのリスペクトに溢れてる。

監督の「ロシュフォールの恋人たち」への偏執的な愛情をじっとりと感じ、所々に顔をのぞかせるアキ・カウリスマキ的アングルや色彩にもニヤリとし、「哀れなるものたち」で好き勝手やってしまったエマ・ストーンの抑制された演技とライアン・ゴズリングのもしかしてこの人は本物の大根役者なのでは?と不安になる素朴な演技に安堵し、噂で聞いていたアンハッピーエンドが拍子抜けするほどハッピーエンドで嬉しくなり。

音楽好きの耳にはタイトル曲を始め全ての楽曲が心地好く「イン・ザ・ハイツ」以来(公開はラ・ラ・ランドの方が前ではあるが)の上質なミュージカル映画であると感じた。しかしここでもミシェル・ルグランの影がずっとチラつき「どんだけ好きなの…」と苦笑しながらも若い時分には全く共感できなかった少し調子っぱずれな耽美な旋律にうっとりする。

そんな訳でウェス・アンダーソンにも通じる「好きな人が好きな人たちと好きなように映画を作ったらこうなった」映画は愛に満ちていて微笑ましい。そして極めて現実的でありながらもどこか夢の世界のような非現実感は一体どこから来るのだろうか?と気になってWikipediaを調べると「この映画のタイトルはロサンゼルスと「現実から遊離した精神状態」を意味する。」とあった。

なるほど、観終わって丸2日経ってもまだフワフワとした気分でいられるのはそういうことか。ダンスも同じだ。踊ってる間だけじゃなくその後も暫く高揚感に包まれてこそダンスだと信じている身としてはこれをやらずして何をやる!とGW中のレッスンは「Another Day Of Sun」を取り上げることにした。

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