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「新しく来た外国人の一言が職場にザワザワを起こしている」

今朝お聞きした相談です。

日本語が話せない外国人メンバーが
職場に加わった。
仮にJさんと呼びます。

Jさんの母国語は日本語でも英語でもないです。
でも、これまで英語を使って仕事をしていたので
英語でのコミュニケーションには問題がないと判断して
来日してもらった。

3年ほど日本にいるつもりだけど
日本語を学ぶ予定は今のところない。

職場の環境としては
英語でコミュニケーションをある程度
取れる方ばかり。

英語を第二外国語として使う者同士だと
非ネイティブとネイティブ間のコミュニケーションより
心理的負担が軽くなりスムーズに話せることが
多いですよね。

私自身もオーストラリアに留学した当初は
同じ立場の留学生である
韓国人やネパール人の友達との方が
スラスラ話せていた記憶があります。

「話せない気持ちをわかってくれる」
「間違えても大丈夫と思える」

こんなふうに思うと自然と
口も滑らかに動くようになるのではないかと。

なので、Jさんとのコミュニケーションも
大丈夫だと思っていた。

むしろJさんがいることで
職場のみんなにとっても
英語を話せる良い環境になる、
と期待していたそうです。


今、2人の方がJさんに仕事を教えています。
2人とも留学経験があり英語は得意な部類。

その2人に昨日
「Jさん、どう?」と聞いたそうです。

「ええ、まぁ」と2人揃って
言葉を濁していたそうです。

勝手に「Jさん頑張っていますよ!」という
答えを期待していたのに
予想外の反応で、アレ?と思って
よくよく2人から話を聞いてみると

「Jさんに、『あなたの英語は分かりづらい』と言われた。失礼だ」

2人が口を揃えて言っていたら

そこに事務員さんが来て

「私も同じことを言われて、その場でキレたよ〜」

3日目にしてザワザワが起きてしまった。

相談してくれた方は皆んなのボスなので
どうしたらいいのかと悩んでいるそうです。


私はただの英語コーチで
職場の異文化問題の専門家ではありません。
でも、Jさんの考え方が分かるような気がします。

説明してくれたことが理解できない
      ↓
理解できない理由を伝えよう
      ↓
「英語が分かりづらい」

もしかしたら、
・日本人のアクセントに慣れていなかった
・シンプルな英語で言ってほしかった
・短い英文で伝えてほしかった
色々な原因が考えられます。

「聞き返す時に、理解できない理由を伝えたら
改善につながる」
と思ったのではないかと思います。

それを受け取った側は
「自分の英語力を非難された」
と受け取ったしまったのだと思います。

コミュニケーションスタイルの違いって
言葉の壁より高く感じることがあります。

日本は高コンテクスト文化に分類されています。
文脈、言葉になっていない部分に
とても多くの情報が隠れている。
そして相手には以心伝心的な理解を求めがち。

例えば、英語が聞き取れない時も
理由は言いません。
「あなたのアクセントに慣れていなくて」
「あなたの使う単語は難しくて」
と言いながら聞き返している日本人が
いたら異文化コミュニケーションの達人です。

聞き返すってことは分からないのです。
善処願います。

こんな心理でしょうか。

相手に自分の状況を理解してくれることを
期待するのが高コンテクスト文化での
コミュニケーションです。

逆に低コンテクスト文化では
言葉で表していることが全て。
伝えるべきことは口に出す。
相手にも背景や事情の理解は求めない。

Jさんは自分の状況を端的に説明しただけ。
それを受けたのが、
高コンテクスト文化な人だったから

「わざわざ『英語が分かりづらい』と言うには何か理由があるはず。
もしかして、私の英語力を低く見ているのか。馬鹿にしているのか」

と無意識に言葉の裏の意味を
探して「ムッ」としてしまったように
見受けられます。

こんな話をしたところ
相談者さんが

「めんどくさいね」

と一言。

ボス〜、ダメですよ
「面倒くさい」は思考を止める魔法の言葉

まだ始まったばかり
職場のダイナミックが
悪化する前に善処するそうです。

その後、どうなるか気になります

英語や外国語を学んでいるなら
相手のコミュニケーションスタイルについても
知れば、より良い関係が築けますよね。

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