見出し画像

学校給食とおなかの関係性

学校の問題として、いろいろと気になるものはあるけれど、その中でもうちの子たちの負担が大きいものの1つとして、「給食」がある。

ゆっくり食べたい長男と給食の時間

長男は、基本的に食べることへの関心が薄く、食べるのも超マイペース。
保育園の時から、時間の中で完食するということにとても苦労していました。みんなが食べ終わり片付けをする中、半泣きになりながら食べていたり、帰ってきてから「どうやったら給食を時間内に食べられるんだろう…」と悩んでいたり。

小学校に入っても、1年生のうちはほとんど完食することができず、半分くらい残して帰ってくるので、学童が終わって帰ってくるとお腹がすきすぎてて、何もやる気が起きない。もはや、おにぎりとかを食べさせないと、夜ご飯までもたないレベル。
2年生になり少しずつ完食できるようになったけれど、まだ残してしまうことも多くて、やっぱり帰ってくるとお腹がすきすぎていて、宿題とかに向かうエネルギーが全くない。
毎日毎日忙しい時間帯にお腹すいたと言ってダラダラ動かないので、「給食を完食してないのに、おにぎりを食べさせるとか、本末転倒!まずは給食を完食しなさい!」と、しょっちゅう私と喧嘩になってました。
長男自身も、「だって、なんでか全部食べられないんだよ。」と悩んでいたり。

そんな日々を経て、ようやく完食できることが増えてきたのは3年生の後半。ちょっとコツをつかんだみたいで、「最近は完食できるようになったんだよ!」と嬉しそうに報告してくれました。
そしたら、なんとか学童行って帰ってきても、お腹がすいてダラダラすることのなくなってきました。
とりあえず、今は一安心。ではあるのだけど。。。

あぁ、なんで時間内に食べないといけないんだろうか。
食べる時間が20分とか、さすがに短すぎると思うんだけど。
もちろん残って食べてる人がいたら片付けもできないし、いつまでもごはんの時間にはできないというのはわかるんだけど。でも、大人だってごはん食べながら仕事の打ち合わせとかするしさ。サンドイッチ食べながら授業聞いたっていいんじゃないのかなぁ。
さすがに授業中がだめなら、休み時間に食べてもいいんじゃん。大学でも仕事でも、人によってご飯の時間バラバラだよね。

そもそも食への欲求を、学校システムに合わせて発動させろってのは無理な話なわけで、もう少し学校のシステムが柔軟になってくれたらいいのになと、すごく思うのです。

偏食が激しい次男と牛乳

そして、発達上の特性でこだわりが強く、偏食がものすごく激しい次男。
とにかく安心しないと食べない。安心した食材じゃないと食べない。
不安なものを食べるくらいなら、食べない方がましだと思って生きている感じ。

最初の保育園では、うまいこと食べさせてくれてたんだけど、2歳半で保育園を移ったとたんに、まったく食べなくなり、最初は水だけで1日を過ごすなんてこともあったくらい。とにかく朝にたくさん食べ、帰ってからたくさん食べ、ごまかしごまかしやってきた。
でも、年長さんになるくらいには、なんとか「これは苦手だから減らして」とお願いできるようになって、次男なりに完食できるようになっていった。

そして、小学校に入学。
やっぱり最初はまったく食べず、毎日帰ってからチョコパンを食べる日々。
でも、先生方もいろいろと考えてくれて、盛り上げるのがうまい男の先生が次男の給食担当になってくれ、
「お腹の中にいるヒーローが、これから目の前の食べ物をやっつけるぞ!」みたいなストーリーを毎回作ってくれ、少しずつ食べられるようになって、苦手な食材とかも関係なく、なんとか完食できるようになりました。

中でも一番苦手だった牛乳は、最初は一口から、コップ3分の1、半分、4分の3、そして全部飲めるようになった!と、順々に先生方も大喜びで報告をしてくれました。
「次男くん、がんばっててえらいんです!」とたくさん褒めてくれて、それならいいかなと思っていたのだけど、
ある日、唐突に「あー給食の牛乳がなかったらいいのに」とつぶやいた。
「え?飲めるようになったんじゃないの?」と聞くと、
「えー。飲みたくない。おいしくない。」と。

よくよく話を聞いてみると、飲めるようになったけど、好きになったわけじゃない。安心したわけでもない。
先生のノリに合わせて、なんとか一気に飲み込んで、さっさと課題をクリアする方法を身に付けただけでしかなかった。
おいしくない、白い、喉にちょっと触感の残る、よくわからない液体を、飲まないといけない。先生はずっと盛り上げてくる。仕方ないから、エイヤで飲む。先生は褒めてくれるけど、本当は飲みたくない。
いろいろと聞いてみると、それが、次男の牛乳に対する気持ちだった。
あぁ、なんで食べ物を食べるという、人間の欲求を満たすための行為で、こんな嫌な経験を積み重ねないといけないんだろうか。

次男にとって給食がそんな試練の場になっているので、基本的に家での食事は次男が安心して食べれるメニューのことが多い。そうじゃないとつらすぎて、食事そのものが嫌になってしまうから。
そんな背景もあってか、次男の偏食はかなり激しいままずっときている。

なので、ある日学校の先生が「今日も給食をがんばって食べましたよー!」と言ってくれた時に、
「ありがとうございます。給食って、うちでの食事と違って、次男にとってはいろんなものを試せる機会になっているので、少しずつでもいいので、食の選択肢を広げられたらいいなと思ってるんです。なので、もし苦手そうなものを美味しそうに食べてる瞬間があったら、むしろそこをめっちゃ盛り上げてもらえますか?」とお願いしてみた。

「次男にとって、苦手なものって我慢して食べようが何しようが苦手なままなのは変わらないんですよね。だからその経験をどんなに積み重ねても、「苦手なのを我慢して食べた」という経験にしかならなくて。なので、むしろ美味しそうに食べてる瞬間を取り上げて盛り上げて、美味しいものを増やしていく機会にしてもらえると助かります。」と。

そしたら、先生が
「あぁ!次男くんも食べるときに言ってました。好きなものはお腹のこっち側に入って、嫌なものはこっち側に入るって。そういうことですよね。好きなものの方に入るものを増やしていかないとですよね。なるほど。クラスの先生方で共有してそのようにしていきます。」と答えてくれた。

お腹の中で分かれるという次男らしい表現に、つい笑ってしまったのだけど、すごくわかりやすい表現だな、と。
はっきりとはわからないけれど、好きなものが入ったお腹は消化がよさそうで、嫌なものが入ったお腹はとても消化が悪そう。
次男が時々「おなかがいたい」と言うのは、この嫌なものが入った方のお腹が消化不良を起こしてるからなんじゃないかと思ったり。
そう思うと、あながち嘘でもないというか、本当なんだろうなぁと思えてきます。

まずは給食の食べ方から・・・

ちなみに、この話を長男にすると、
「お腹の中は分かれてるわけないわー!」と突っ込みつつ、
「でも、俺も牛乳はちょっとイマイチかな…」と共感しつつ。

ちょっと気になって調べてみると、給食の牛乳は学校給食法で指定されているから、やめるわけにはいかないみたいなんだけど、この牛乳の強制で苦しんでいる人は、本当にたくさんいるんじゃないのかなぁとすごく思います。

食育のための給食、最低限の栄養を保障する意味での給食、いろんな意味で給食を変えていくのは難しいんだろうとは思います。
でも、給食の内容は変えられなくても、まずは給食の食べ方から見直していけるんじゃないのかなと思います。

せめて、もう少しゆっくり食べられるように、嫌なものを我慢した食べたことを褒められるのではなく、おいしいものを増やしていける機会としていけるように。
でもそれも、子どもの学びの時間配分を変えていかないといけないから、そう簡単にはいかないのかな。

あー、本当にがんじがらめ。
そりゃあおなかもいたくなるわ。。。

どうか、給食が子どもにとって楽しい食事の思い出となれるよう、学校のシステムが根本から変わっていくことを願うばかりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?