タイトル_開催報告

やりたくなっちゃった!~「学校と学びの勉強会」開催報告

少し時間がたってしまいましたが、5月20日に、夜スク共催で、「学校と学びの勉強会」第2回を開催しました。

今回のテーマは、「理想の学校をつくるには?」
元国分寺市民で、現在京都に移住し、学校をつくる挑戦に取り組んでいる友人をゲストに、みんなで意見交換をする機会となりました。

今回も、子どもが幼稚園や小学校に行っている間に参加いただいた方、学校をつくりたいと思って活動しているママさんグループの方々、不登校からのフリースクールを検討している方、子ども向けの探求学習塾を運営している方、発達障害児向けの学習塾を運営している方、不登校向けの支援活動を始めようとしている方、市議会議員の方など、本当に多様な方々にご参加いただき、カフェスローの素敵な空間で、30人みんなで輪になり、学び合いの時間となりました。

学校を取り巻く現在の法律について

まずは、私から現在の学校を取り巻く法律についての学びをシェアしました。
法律の話は、なくてもいいかなーと思ったけれど、どうしても、学校をつくるって言うと、「公立?私立?それ以外ってどういうこと?」となるので、その前提となっている仕組みを共有させてもらいました。

日本国憲法
まずは、法律の大元にある日本国憲法。
第26条に、教育を受ける権利と教育を受けさせる義務が規定されています。

教育基本法
憲法26条を受けて、教育のあり方を制定しているのが教育基本法。平成18年に約60年ぶりの全面改訂がありました。教育の目的・目標が定められています。
<教育の目的>
人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成

学校教育法
教育基本法に定められる目的を達成するために、必要な学校制度について定めた法律。
学校教育法の第一条で定められた学校が、いわゆる義務教育として認定された学校(一条校)となり、一条校は、国・地方自治体・学校法人のみが運営できるとされています。

他にも、学校教育に関する法律はものすごくたくさんあり、給食・教員採用・財政・行政についてもそれぞれ法律が定められています。一覧図にするとこんな感じ。
これが、今の学校は法律でガチガチに固められていると言われる理由です。

世界の教育法規
世界の教育法規はどうなっているのか?を調べていくと、国によって大きく異なることがわかります。
・国によって、教育基本法に該当するものがない国もある。
・フランス:一定のレベルに達するまで(バカロレア・ブルべなどに合格するまで)は、義務教育を延長できると法律で定められている
・オランダ:教育の3つの自由(設置の自由・理念の自由・方法の自由)が憲法で定められている

世界人権宣言
さらに、世界人権宣言を見ていくと、第26条に教育を受ける権利について定められています。
特徴的なのは、第3項に「親は、子に与える教育の種類を選択する優先的権利を有する。」と定めていること。
日本の憲法ではこの3項に該当する部分はありません。

教育機会確保法
そして、最後に紹介するのが、3年前に日本でできた新しい法律。
不登校(オルタナティブスクール等の積極的不登校も含む)、つまり、いわゆる一条校以外の学びの場を選択している子に対して、多様な教育機会の必要性を認めていきましょうと定めた法律です。
また、不登校についても、問題とするのではなく、休養の必要性を認め、他の学びの選択肢も視野に入れて、サポートしていきましょう、と。
一条校以外の選択肢がなかった義務教育に、風穴を開けたものすごい法律!
今年はこの法律の見直しの年なので、大注目です!!

・・・改めて、なぜこの法律の話をしたのか。
このように、法律は日々変化しているものでもあり、学校も法律でガチガチに固められているように見えるけれども、そういう側面だけでもありません。さらに、法律も様々な人の声によってつくられているものであり、その背景には一人一人の思いがあります。
根本的な人としてのニーズや、社会の中で生きる人間として、当たり前に出てくる気持ちというものは、法律で押さえることはできないし、法律で規定されているから、私たちの行動が規定されるわけでもありません。

そんな変わりゆく、まさに今変わりつつある、教育の法律について、まずは知って欲しいということ。そして、その法律の解釈や是非云々ではなくて、一人一人の気持ちはどうあるのか、その上で理想の学校はどう作っていけるのか、という視点を大切にして、みんなで話し合う場にしたいとお伝えさせていただきました。

(参考にした書籍・資料たち)

「学校をつくる」挑戦中の堀江さんのお話

法律の解説の後は、堀江さんから現在挑戦中の学校づくりについてのお話。

堀江さんの人生ビジョン
「選択肢あふれる社会をつくる」

学生の頃から、ずっとこのビジョンを胸に抱いていたという堀江さん。教育関係の仕事をやってきわけではないものの、人に関わる仕事をずっとやってきていました。直近の仕事としては、女性の就業支援を行うNPO法人を起業し、企業向けの産育休取得コンサルや、公務員向けキャリア研修、国分寺市と協働でママインターン事業などを実施していました。
そして、娘さんを産み育てる中で、人生の選択肢・可能性を広げていくには、困っている当事者へのサポートも大事だけど、もっと若い世代へのアプローチがあるのでは、と思うようになりました。さらに娘さんが成長していく姿に刺激を受け自分ももっと成長していきたいという気持ちが強くなってきたと言います。
そして、子どもが3歳ごろになってくると、「小学校の選択肢(私立小学校の受験等)を考えると、そろそろだよ」と周りに言われるようになり、子どもの学びについて考えるようになります。そこで、「選べているようで選べていない」という現状を知り、もっと子どもがHAPPYに学べる場はないか?と調べていくうちに、東京コミュニティスクール(以後TCS)に出会いました。

もともと、カリキュラムが全くないという「サドベリー教育」に興味を持っていて、やらなきゃいけないよりもやりたいが優先される学びのあり方がいいな~と思っていた堀江さん。ただ、娘さんの様子を見ていると、自ら学びを生み出していくのもいいけれど、場として、何かきっかけを提供しながら学びにつなげていくというやり方もできるんじゃないかとも考えていて、そういった視点でアクティブラーニングに先進的に取り組んできているTCSの考えに、とても共感したと言います。

TCSでは、子どもたちの自主性を重んじるのと同時に、2ヶ月ごとに行われるテーマ学習、区切りがないオープンスクールで異年齢と学び合う姿、4年生からは個学で自分でスケジューリングして学んでいくというやり方など、子どもの学びにとって何が価値があるのか、ということを徹底的に考えてカリキュラムに落とし込んでいます。
一度見学に行って理事長に会うと、もう自分がやりたくて仕方なくなった堀江さん、「私もこういう学校つくります!」と即座に宣言したとのこと。
娘さんのためにと始めた挑戦ではあるけれど、もはや自分の情熱でやりたくてやっている状態で、娘さんが公立に行きたいと言うならそれもありだと思っているとも話してくれました。

今は、TCSでインターンとして学びながら、自分の中の解像度を上げているところで、今後は、場所を決めて、法人を立ち上げて、カリキュラムを決めていく、職員を募集する、サマースクールなどを展開しながら場所を決めていき、校舎づくり、保護者向け説明会などを実施して、開校に向けて進めていくとのこと。
開校場所は、超直感で奈良にしようと決めていて、これから自治体との調整や地元の学校側への説明なども必要になりそうだとお話してくださいました。

みんなで対話セッション

ここまで少し一方的な話が続いたので、近くの人4~6人で、感想をシェアしてもらいました。
各グループでは、不登校のお子さんのために何かできないか、これから就学する子どものために何かできないか、堀江さんの「とにかくやりたい!」という姿勢がすごいねという話から、不登校のお子さんのためにフリースクールやオルタナティブスクールを検討しても、金額的に高くて難しくて、行政のサポートがないと苦しくて成り立たないといった切羽詰まったお話まで、様々な意見が交わされていました。

そして、各グループからどんな話が出たのか、共有してもらおうと思ったのですが、なんとそれをすっかり忘れてしまい…。せっかくの皆さんのお話が各グループ内で留まってしまいました。もったいない~(涙)

ただ、そんなもったいない思いとは裏腹に、一人一人から質問や感想や意見をどんどん出していただき、充実した全体対話となりました。

・学校をつくる人に必要な条件は?
基本的にはない。資格じゃないと思っていて。私たちは何者なのか、一人の人間としてどうあるのか、ということが問われていくのでは。
・誰が選ぶのか?親?子ども?
親が選ぶというのが基本にはなるとは思うけれど、子どもにも必ず見学に来てもらう。親子の対話をしっかりしていくという姿勢が大切ということは伝えていきたい。
・小学校だけ?中学校もつくる?
今は小学校だけのつもりだけど、作りたくなるかもしれない(笑)でも、未知なる未来にワクワクできるということをテーマにしているので、小学校卒業後に自分で選んでいけるような子に育てていくことが、まずは今やろうと思っていること。
・ホームエデュケーションは考えなかった?
"教科の勉強"という部分では、ホームエデュケーションにも可能性が広がっていると思う。
ただ、他の子たちと学び合うということも大切にしていこうと思うと、学校という形がよいかなと今回は思った。
・外部講師として、どんな人たちに参加してもらう予定なのか?
基本は、堀江さんと夫の三木さんとあと1人を先生としていくが、専門的な内容については、外部の講師にたくさん来てもらうスタイルを考えている。専門性ももちろんだし、いろんな大人に出会う機会を作っていくいうことも目的としている。
・資金はどうするのか?
寄付をベースとしながら、自治体と組んで補助金を狙っていくなど、新しいやり方を検討していく必要がある。
あとは、マイクロスクールだと、自宅から始める人もいたりと、意外と初期投資はかからずにできたりする。開校して数年したところで、どうしてもスタッフが必要になるので、少しまとまった額が必要になる予定です。
・学費はどれくらいかかるのか?
今のところの試算でも、年間120万くらいはかかってしまう。なので、やっぱり経済的に余裕がないと選べないという実情はある。
・ロビイング活動は?
今、オルタナティブスクールをやっている人たちが、準一条校みたいな形で"認証"する、といった動きを求めるロビイング活動もある。ここ2~3年はすごく勢いがあるので、何か動くかもしれない。
他にも、オルタナティブスクールで、完全スポンサーで学費無料という学校も出てきている。そんなやり方もある。
行政に力があれば、認証という形なら条例で対応することもできるので、開校を予定している自治体に話をもっていくということもあるのかも。
・国分寺ではなく奈良を予定している理由は?
国分寺がダメだったというわけではなくて(笑)ただ、選べているようで選べていないというような状況を感じてしまったというのが大きい。
あと、奈良は単純にフィールドワークの材料になるものがたくさんある。自然もあるし、文化遺産もたくさんある。そこで直感で。
・公立学校との連携は?
基本的には地元の学校に所属していることになり、オルタナティブスクールに出席していれば、出席という扱いになる。ただ、仕組みはあるけど、ソフト面での理解を得ることの方が大変な印象。
・評価のありかたは?
アセスメントはとても大事。ただ、それはトップダウンで評価をするというやり方ではなく、本人と同じ目線で考えて、今何ができているのか、何をできるようになったらいいのか、ということをフィードバックして、本人や親とも対話をしていくことが大切なのでは。
・0から1を生み出す心得は?なぜそこまでがんばれる?
必要なものがない、ということに、気付いちゃったら、その人がやればいい。気づいちゃったなぁ、やるしかないか。という感覚。
その上で、目的・目標に対して常に意識していると、ふんばれるし、失敗も失敗じゃなくなっていくはず。万が一、失敗したとしても、その姿を子どもに見せていけると思えば、それもありと思っていける。
・娘さんとのかかわりは?どう思っているのか?
親子だからやりにくいという面もあるのかもしれないけれど、すでにやってる人もいるからなんとかなるんじゃないかという思いきりの部分と、結局は目の前の子どもにどう向き合うのかということでしかないから、親子かどうかはそんなに重要ではないと思っている。でもまぁ、やってみないとわからないので、やりながらなんとか学んでいくつもりです。
ただ、学校を選ぶ段階で、娘が行きたくないと言ったら行かないのもあり。もはや、私がやりたくなっちゃったので、やっているという感じです!

時間ギリギリまで、様々な質問が出続けて、いろんな意見もあり、充実した学び合いの時間になりました。

ふりかえり

そして、最後にふりかえりの時間として、一人一人が「自分なりの理想の学校に向けて、これからやっていきたいこと」を考えてもらいました。
堀江さんの前向きな姿勢を受けて、それぞれができること、やってみたいことを考えていけたのではないかと思います。

終わった後も、会場の中でみなさんつながり合っていたり、ランチ会では、教育の話だけではなく、保育の話や政治の話、個別の活動の話に、「やりたい」というエネルギーの大切さなど、幅広く話が展開していました。

「学校をつくる」「理想を実現する」と言うと、とても難しいことのように感じてしまいますが、そこに向けて一人一人が考えて小さなことから動いていくことが、未来につながっていくんだと改めて思います。
それぞれの立場でできることも違うので、その中で気づいた人が「やりたい」と思って動いていく。
そんな前向きなエネルギーが、何よりも大切なことなんじゃないかなと、思いました。

引き続き、堀江さんの学校づくりのプロジェクトについて、継続的にお話をお伺いしたいという声も多くありましたので、また少し時間をおいて、企画したいと思います。

みんなのお話を聞いていて、私も学校をつくりたくなりました!!(笑)
でも、まずは今できることからがんばろうと思います。

協力ありがとうございました!

今回も開催にあたり、たくさんのご協力をいただきました。

共催&場所
今回は、夜スクと共催という形でやらせていただき、広報&会場提供でご協力いただきました。
カフェスローの素敵な空間で、またよりみんなの学び合いにつながったと思います!ありがとうございました!

場づくり
今回も、ひととびさんにサポートしてもらいました。私がやりたいことを勢いで話すと、それが現実になっている絵を見せてくれます。
一方的な勉強会の作り方ではなく、みんなが安心して参加し、学び合っていける場の作り方を一緒に考えてくれます。
おかげで、場への感度がとても高まっています!

弁護士の知人
今回、教育法規について解説するにあたり、弁護士の知人にもサポートしていただきました。「学校まわりの法律を知りたい」というざっくりとしたお願いに、文科省のホームページの中のわかりやすいページを提示してくださり、また法律の条文の読み方や簡単な理解の方法を教えてくださり。
医大の入試操作の件でお忙しい中、ありがとうございました!

友人たち
ウダウダと副題に悩んでいるところから相談に乗ってもらい、当日は受付&設営&撮影など、細かくいろいろと気を回してくれました。本当は、個別にご紹介したいくらい、スペシャルな力をお持ちな方々なので、いつか勉強会の表舞台に引っ張りだそうと思っています(笑)

堀江さん一家の皆さま
そして、何より、堀江さん三木さん娘さんの挑戦があっての今回の場となりました!!
運動会の振替休日という貴重な時間を費やして、お話をしてくれた堀江さん、さらには堀江さんを2ヶ月単身のインターンシップに送り出してくれている夫の三木さん、淋しくもパパと支え合いながら、のびしろ200%で日々を過ごす娘さん、本当にありがとうございました。
また、遊んでください~!

私の家族
前回は勉強会1週間前にインフルエンザが上陸した我が家でしたが、今回は、勉強会1週間前に次男の不登校が上陸しました。なかなか精神的なアプローチで難しい中、実母にもサポートに来てもらい、なんとか乗り切ることができました。
不登校はまだゆるりと継続中ですが、それもまた学び。日々精進です。

次回の勉強会は、7月か9月頃を予定しています。
探求学習や不登校サポートなどについて、掘り下げていきたいと思います。
またnoteで公開していきますので、関心がある方はぜひご参加ください。

本当にありがとうございました!

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すわれいこ

「おせっかい」を生業とするべく、日々奮闘中。自由奔放な夫、優しい繊細な長男(9歳)、マイペースチャーミングな次男(7歳)、末っ子サラブレットの愛され三男坊(2歳)と、多摩地域で暮らしています。

学校と学びの勉強会

学校と学びの勉強会の記録です
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