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安心できる場とプライド:次男の登校拒否の話

学校がつまらない次男の、その後の話。

次男もこの4月に2年生になり、特別支援学級には1年生が9人も入ってきた。
クラスの雰囲気がガラッと変わり、これまでお世話をされる側だった4人は、急に1年生たち9人のお兄さんお姉さんになった。
そんな混乱の1週目、次男は胃腸炎を起こして学校を休み、2週目は泣きながらなんとか行ったものの、3週目になり「学校の全部が嫌だ」と言って登校拒否を起こした。そこでちょうど10連休に入ったので、ゆっくり休むことができたものの、まだ回復したとは言えない状況が続いている。

登校拒否の時、次男に何が嫌なのか一つ一つ聞いてみることにした。
「給食が嫌だ」
「休み時間に外で遊ばないといけないのが嫌だ」
「体育と音楽の時間が嫌だ」
「グループ(学年ごと)の時間はいい」
「図書の時間もいい」
「ものづくりの時間も楽しい」

もちろん、そもそもの環境が落ち着けないということもあるので、個別に対応しても仕方ない部分もあるのだけど、がんばらないといけないことは少しでも減らしていかないと、次男にとってはつらすぎる状況。なので、まずは学校が安心できる場所になれるようにと、先生にいろいろと相談してみた。

給食をお弁当にできないか。
せめて休み時間は自由に過ごさせてもらえないか。
体育や音楽の時間に気乗りしないときは他の事をできないか。

給食については、最初は衛生上の観点やら、医学的な必要性などを求められて断られたものの、担任の先生が粘り強く校長先生に交渉してくれ、お弁当持ち込みでOKとなった。
休み時間も自由に過ごさせてもらえるようになり、体育や音楽の時間も嫌なときは相談できるようになった。

そんなこちらの気持ちが伝わったのか、
連休明けの初日は2時間目から行って、給食前で帰宅。自宅でお弁当。
2日目も2時間目から行って、給食の時間にお弁当を食べてから帰宅。
3日目も2時間目から行って、給食を食べ、5時間目まで過ごしてから学童に行き、お兄ちゃんと帰宅。
4日目は完全に疲れ果てて、お休み。
5日目は午前授業だったので、3時間目から行って4時間目が終わって帰宅。
とりあえず、なんとかそれなりに行くことはできた。

でも、明日からまたどうなるかな。
ちょっとそれがわからなくて、私の心はわさわさしている。

学校に行く意味は

今回、給食がお弁当にできることになったのは、次男にとってはとても大きかった。とにかく偏食が強くて、少しでも不安要素があると食へのこだわりが強く頑なになることには、これまでもすごく苦労してきたので、今の落ち着かない環境下での給食は、何よりも対応したいものではあった。
ただ、学校給食法がある限り、それを覆すことは難しいと思っていたのだけど、それすら超える"困り感"だったということなんだろう。
アレルギー以外の事由でのお弁当持ち込みという前例を、次男のこだわりが切り開いたともいえる。

ただ、給食はお弁当になったものの、正直なところ、次男が学校に行く意味は、あまり見いだせていない。
読み書きの勉強は公文で本人のペースに合わせて進んでいるし、身体の使い方のトレーニングにも2週に1回通っている。地域の学童に通い、学童の親子キャンプなどに参加してたりするので、地域の子どもたちにも顔は知られていて、なんならとてもかわいがってもらっている。
お兄ちゃんや弟と、時には兄弟喧嘩をし、意見を主張したり我慢をすることを日々身に付けている。
いとこもたくさんいて、兄弟以外と触れ合う機会もたくさんあれば、しょっちゅう家に遊びに来る家族ぐるみの友だちの子もたくさんいる。
一体、次男は学校には何を求めたらいいのだろうと、わからなくなってしまうこともよくある。

それでも、学校が安心して過ごせる場であるのであれば、そういう場で毎日親から離れて過ごすということの意味もあるんだろうとも思っている。
学年ごとに分かれてやっている学習は面白いみたいで、公文とはまた違う学びの場になっていることも間違いないわけで。

「安心できる場でありさえすれば、子どもは学校に来ます。」

そう断言したのは、「みんなの学校」大空小学校の元校長の木村先生。
何よりも「安心できる」ということが大切で、それを子どもたちが自分で作っていかないといけない。そうやって安心できる環境を、みんなで持ち寄っていくから、どんな子であっても過ごしやすい場所が作れる。
それがフルインクルーシブということやねん。障害者と健常者が一緒に過ごすとかそういうことじゃない。
木村先生の言葉が、頭の中でずっと響いている。
学校に行く意味なんかで悩んでても、仕方ないのかもしれない。

そんな騒ぎの中、次男の個別指導計画を作るために、「どんな子に育って欲しいか」を書いて欲しいという書類があった。
そこには「将来的に、自分が安心できる環境を、自分で作れるようになってほしい」と書いてみた。今回のお弁当の事で、「こうやって大人たちは手伝ってくれるんだよ」ということを伝えられたらいいなと思っている。

ちなみに、この件について長男が言った言葉。
「俺はね。学校には行きたくない時もある。でも俺のプライドは学校に行きたいって言ってるんだよ。だから行くんだけどさ。
○○(次男)のプライドはそう言ってないじゃん。行きたくないが強いじゃん。だったら行く必要ないんじゃないかなって思う。」

これをTwitterでつぶやいたら、「長男くんのプライドって、"自分への信頼"とか"自分推しのこころ"って感じなのかなぁ」とリプライがあった。

自分のすべきことは、自分と自分のプライドが決める。
その感覚は、とても素晴らしくて、とても本質的だなぁと唸らされた。

そんな次男のプライドで、次男自身が過ごしやすい環境を、自分で勝ち取れるようになるのはいつなんだろうか。
そこに向けて、私ができることは何なのだろうか。

一歩ずつ進んでいくしかないことはわかっているけれど、
まだまだ長い道のりです。


(参考)学校と学びのあり方について考える場を作ってます
学校と学びの勉強会#2 ~理想の学校はどうつくる?【夜スク☆共催!】
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