作曲家だと自己紹介すると、たまにどういう音楽を作るのですか？と聞かれる。
これの答え方が難しい。
特に相手の方が音楽にそこまで詳しくないよという場合、より難しい。

「〇〇という作品の〜」とか「ゲームや映画、アニメの音楽を作っています」というのはただの「用途」であって、「どういう音楽ですか？」への回答としてちょっと雑な気がする。

漫画家さんに「どんな漫画書いているのですか？」と尋ねたら、
「小学館の雑誌で連載しています」と返答されてしまったようなモヤモヤ感が気がかりです。

じゃあ、どういう音楽かをより具体的に説明する方が誠実なのかもしれない。
そこでここ最近携わった作品をいくつか振り返ってみた・・・とて。

『バイオハザード：デスアイランド』はオーケストラやアンビエント主体、
『Tekken: Bloodline』はテーマ曲がダブステップ、
過去を振り返れば、和風な曲もあればロックやEDMまで。
一番自分の作風に近く自由な好みで作ったオリジナルのEP『Silent Spring』はミニマルが色濃いけれども、純粋なミニマルミュージックを作っているという意識が自分にはない。そもそも創作の前提条件が全く違う。

ということで、

「色々と何でも幅広くやっています！」

という感じの、それ以上話が広がらずかつ微妙に胡散臭さを醸し出すパターンか、

「元々のバックボーンはクラシックなのですが・・・ミニマルミュージックを通って、キャリア初期は和風の音楽を多く書いておりましたが、ピアノやオーケストラを主体しつつ・・・最近はロックやEDMなんかもやっておりまして、あ、EDMといいましても4つ打ちというよりダブステップ系のですね、ええ、もちろん作品によって縦ノリ系も作るんですけれども、フガフガ！」

という感じの、話が長く面倒くさい人になるパターン、どちらかを選ばなくてはならない。
だからね、この質問をされると僕は「Now Loading…」な反応をしてしまいますが、大目に見て頂きたいのです。

近藤嶺です。私はゲームや映画、アニメの音楽を作っています。