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ローコントラストで目にやさしい…

「零細町工場の社長」です。社運をかけて開発した自社製品の紹介「その4」です。前回までの記事は以下の通り。

カッターナイフを使ったモノづくりに特化した高品質なマット『切られ役』です。切り心地や素材、作業の邪魔をしないシンプルなデザインにこだわって作りました。

今回、お伝えしたい『切られ役』のこだわりポイントはズバリ“配色”です。キーワードは「目にやさしい」。まずはコチラの画像を見てください。

「黒」のマットに、「茶」のインクで印刷

カッターマットと聞いてみなさんがよく思い浮かぶのが、緑の色のマットだと思います。「緑色」は目にかかる負担が軽いと言われていて、さらに傷や汚れが目立ちにくい利点もあります。だから従来製品には緑色のマットが多かったんですね。

しかし、近年では嗜好の多様化も進み、個々の好みや環境に合わせた様々な色の「マット」が販売されるようになりました。

今回、我々も『切られ役』の開発の際、色はもっとも悩んだ要素のひとつです。そこでもやはり「“カッターナイフを使ったモノづくり”に特化した高品質なマット」というコンセプトに立ち戻り、仕事の邪魔をしない“黒子”のような色にしようと決めたのです。

マットの色が「黒」と決まりました。次は、マス目の色です。競合製品でも黒系のマットはありますが、印刷インクの色は白や派手な色が多いです。なぜかというと、目立つ色の印刷だとマス目の視認性が良く、マス目を使って切る作業時に見やすいのです。

一方、カッターマットの愛用者の声を集めていくと、“視認性の良さ”がひるがえって、長時間作業時には“目の疲れ”になるという意見も多くあったのです。長時間、手元を凝視していると印刷されたマス目が“チカチカ”して、「目が疲れやすい」というのです。

長所のコインの裏は短所だということも多々あります。どちらを選ぶのか。それは買う人の好みです。“製品のつくり手”として大切なのは、「なんでそうなったのか」を「しっかり伝える」ことなんだろうな、と。

視認性は落ちるかもしれないけれど、長時間カッターマットを使う人達に選ばれるような「目にやさしい」配色のマットを作ろう、となったわけです。

協力企業の印刷所に直接、黒のマットを何枚も持ち込み、社長の協力を得ながら色んなインクでテスト印刷を繰り返しました。その結果、生まれたのが現在の『切られ役』の「黒のマット地」に「茶のマス目」という“低コントラストな配色”のカッターマットです。


周りを見渡しても、同様の製品はあまり見かけないのでこの配色も自信のあるポイントになっています。

あとマニアックだけど、使う人によっては結構便利な補足をひとつ加えます。“低コントラストな配色”がもたらすもうひとつの利点。
「カメラのピントが合いやすい」
です。

SNSや動画配信サイトでちょくちょく見かけるのが、カッターマットの上に「何か見せたい商品」を置いて撮影した写真や動画です。

例えばこんな感じ。カッターとモノサシを載せてパシャリ

この時に、「マット地」と「印刷インク」の配色が“高コントラスト”だと、カメラのピントが、「マットの上に置いてある商品」ではなく「マットそのもの」に合いやすいです。つまりピンボケになりやすいんですね。これはカメラのオートフォーカスの機構が、コントラストの差が激しい所にピントを合わせるからだと言われています。(そうじゃない機構で「ピント合わせ」をしているカメラもありますが)。

すみません。マニアックでしたよね。でも理論はマニアックだけど、目に見える成果としては結構使いやすくないですか?YouTubuやSNSで創作物を発表したい方たちの撮影にピッタリの製品が出来たという嬉しい誤算もありました。では、今日はこの辺りで。

あ、現在販売している「黒✕茶」だけではなく9月初旬か中旬には「白✕白」のマットも発売するべくいまワークしております。黒が“シック”なら、白の“さわやか”路線も良いなと思っていまして。白の方は公式オンラインストア限定で販売予定です。どうぞお楽しみに。


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