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多彩なペルソナをかぶり分ける

先日職場の先輩と話をしたところペルソナの話になった。

マーケティング用語では製品を提供する際に具体的にイメージする象徴的なユーザーモデルのことを指す。でも私たちが話したのは違う、心理学におけるペルソナについてだ。

ユング心理学では地位や役割、場面に合わせて態度や行動を変える=役割を演じる際にかぶる仮面のことをペルソナと呼ぶ。演じ分ける、というと二重人格だとか八方美人とかあまり聞こえがよくないかもしれないとも思う。でも社会に出て生活をしているとみな自然とペルソナが出来てくるものだ。

例えば実家にいる時の「子ども」の自分と、会社にいる時の「部下」や「同僚」としての自分、友だちといる時の「友人」としての自分。
これが全て同じという人は少ないのではないだろうか。
一緒にいる人や場面に合わせ、違った自分になるのは至って普通のことだと思う。

ユングは逆に、ペルソナを外せない人は問題があると言っている。
例えば、職場で部下に対してかぶっている仮面のまま家に帰り、妻に対しても上司のように接してしまう人。友だちに対して見せるひょうきんなキャラクターのまま会社でふるまってしまう人。
周りに合わせて仮面をかぶり分けられない人は、切り替えることもできず、人間関係がうまくいかず悩むこともあるかもしれない。

そして私はもうひとつ、仮面の存在を知らない人もまた危ないのではないかと考えている。
人はそれぞれに仮面がある。人と接したりコミュニティに所属したりする時、居心地が悪かったり気分が乗らなかったりすることがあるかもしれない。
そんな時に「この人と接している時の私はこうだな」「あの人といる時の自分のこの部分は好きだけど、ここはちょっと嫌だな」と客観的に自分を見ることができると、人は上手にペルソナをかぶり分けることができるのではないか。
決して徹頭徹尾一つの自分だけで居続けなければいけないことなどない。場面、舞台によって切り替えられる人の方が得をしているのかもしれない。

私も自身を客観視することでペルソナを自覚できるようになろう。
そして多彩なペルソナをかぶり分けることで様々なニーズに答えていきたい。そうすることでより生きやすく、幸せに過ごしていけるのかもしれない。


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