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愛について考えるのを人生の課題に設定しました。人間関係で何かと考えたことを話す場所。

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最近の記事

台湾の病院に行って「うわ、いいな…」と思ったこと

台湾旅行中に色々ありまして、台湾の病院に行きました。 台北市内だったからか、救急車もすぐに来てくれて、救急棟もかなり空いており、お医者さんも看護師さんも、忙しそうながらも言葉の通じない我々に丁寧対応してくれました。 後で検索したら、台湾の医療水準は2020年に世界1位となったほど。良かった。来たのが台湾でよかった。 そして、医療水準というものは、機材や技術というよりもむしろ「話を聞く技術」なのではないか、とも思いました。 徹底して「話を聞き、理解しようとする」姿勢 台湾の

    • 【小説】すれ違い

      sideAマキちゃんがものすごいしかめっ面で寝ている。眉根が寄って完全に怒っているときの顔みたいだ。可愛くなさすぎる。今日も寝顔がいちばん可愛くない、世界で一番かわいいマキちゃん。 起こさないように毛布を掛け直すと、眠りが浅かったのか起きてしまった。 「…あれ、今日もしごと?」 寝起きのちょっと舌足らずな声で聞かれて、少し嬉しくなる。安心してくれてるような気がして。 「や、今日はデモかな」 答えるとマキちゃんは向こうを向いてしまった。気に入らないとすぐそっぽ向く、可愛いマキ

      • 【小説】火星になった君へ

        「新橋、18:00から来れる人飲みましょ!」 君のツイートにそっといいねをつける。3いいね。増えていくいいねを見ながらスマホの画面を閉じた。 新橋なんて行かれない。17:30まで予定がある。でも君にあいたかったよ、の気持ちを込めた1いいね。 君と私をつなぐもの、それはこのちいさな画面の中のSNSだけ。LINEも知ってる。グループチャットもある。でも私はTwitterでしか君が何をしているのか知ることができないし、裏を返せば君もそうだ。 大学1年生の夏、私は君のことが好

        • ね〜〜みんな『なら恋』観ようよ〜〜!!!!!!!!!

          みんな〜〜!!!!!『君となら恋をしてみても』って作品、知ってる?知らない?知らないか〜…知らないならちょっと観てみないか…Amazon Primeで全話みられるんだよ…そこの君ぃ… まぁ、そんなこと言っててもなんやねんそれと言われてしまいそうなので、ちゃんと何がおすすめなのか書かせてください。薦めさせてください。お願いします。自分、まだやれます。 あらすじまずはあらすじを簡単に。 天(あまね)はゲイの男子高校生。マイノリティなりの小さくも重いトラウマを抱えながら「こんな

        台湾の病院に行って「うわ、いいな…」と思ったこと

          性別変更要件に関する最高裁の違憲決定で「ヒゲの生えたおじさんが女子風呂に入ってくる」なんていう不安は見当違いだよ。

          みなさんこんにちは。 トランスジェンダーの性別変更要件の中の手術要件につき、生殖不能要件についての違憲決定が2023年10月25日に出ましたね!!(正確に喋ろうとするとこうなる。リズム感は悪いが致し方ない。) 多分この問題について戦ってきた人たち、あらゆる物事について差別の少ない世の中を求める人たちの全てが、この決定に大喜びしたのではないでしょうか。 しかも全員一致。これはなかなかないことです。 すごいこと、であると同時に私は少し当たり前の判決だなぁとも思いました。最高裁

          性別変更要件に関する最高裁の違憲決定で「ヒゲの生えたおじさんが女子風呂に入ってくる」なんていう不安は見当違いだよ。

          久しぶりに推しができました。みんなたすけて。

          いや〜暑いですね。暑すぎる。 そんな暑すぎる毎日ですが、皆様いかがお過ごしですか?推しはいますか?私は推しができました。緊急事態です。 緊急事態なんです。 私、現在諸事情により勉強をしている時間が長いのですが、推しができると脳のあらゆる空間が全て推しに埋め尽くされます。 まさにこんな感じです。 無論、勉強が手につくわけもなく。 しかもなにぶん久々の「推し」。正直自分の情緒の流れについていくことができないのが現状です。 そこで、皆様にお手伝いしていただきたいのです。

          久しぶりに推しができました。みんなたすけて。

          かが屋のキングオブコント2022ネタになんとも言えない違和感を覚えたヲタクの感想

          KOCが終わりましたね。 KOCって何のこと?と頭をひねっているそこのあなた。KOCとは、「キングオブコント」の略です。年に1度の、コント王者を決める秋の祭典。 おかげさまで、9月が来るとKOCの開催時期が気になりはじめる体質に成り下がりました。歳時記に秋の季語で「コント」が掲載される日もそう遠くないでしょう。そんな日は来ないか。 今年のKOCには10組の挑戦者が参加し、優勝したのはビスケットブラザーズでした。おめでとう。おめでとうございます。 さて、この10組の挑戦者の

          かが屋のキングオブコント2022ネタになんとも言えない違和感を覚えたヲタクの感想

          Aesopクィアライブラリーの店員さんの対応がひたすらラブだった

          Aesopクィアライブラリー。誰がどう嗅いでも良い匂い、友人へのプレゼントに最適で有名な(そして友人へのプレゼントにしか使わないからそういえば自分では一度も商品を使ったことがないでお馴染みの)Aesop(イソップ)が、なんとLGBTQIA+関連の書籍を店内に所狭しと並べたうえ、好きな本を一冊プレゼントしてくれるという赤字必至の「なんでそんなことしてくれるの?」というイベントを開催しています。 いつもはいい匂いのする石鹸やらシャンプーやら素敵な瓶が並んでいたであろう棚には、ず

          Aesopクィアライブラリーの店員さんの対応がひたすらラブだった

          自己紹介に代えて。

          この一件で初めて私をフォローしてくれた方、はじめまして。この一件で私たちを応援してくれると決めてくださった方、ありがとうございます。 皆さんに少しでも、この一件以外の私のことを知っていただきたくて、自己紹介を書いてみました。読んでいただけると嬉しいです。 「書くこと」をしていますライターです。書くことが仕事です。アロマンティック当事者であることを公言して、物書きをしています。 言葉、それはほとんど誰もが持つことのできる武器です。武器はいかようにも使うことができます。人を

          自己紹介に代えて。

          日本の精子提供の状況についての1考察−非難する前に一回だけ立ち止まってみてもいいのかもしれない

          今日、夕飯の食卓についた瞬間、母親が少し嬉しそうな声音で話しかけてきた。 「今、精子バンクの話が話題だよね!」 恥ずかしながら不勉強で、ニュースを知らなかった私は、食卓で母親から、こんな話を聞かされた。 「なんかマッチングアプリみたいなので出会って精子もらったら嘘の経歴だったんだって」「でもそんなの信じる方が悪いよね」「致したのかな、旦那知ってたのかな」「正直女の人に安易な気持ちがあったとしか思えないんだけど」「子供が可哀想」 この手のニュースで母親が女性側の肩を持た

          日本の精子提供の状況についての1考察−非難する前に一回だけ立ち止まってみてもいいのかもしれない

          M-1考察:ゆにばーすのネタは「下ネタ」で「異性愛主義的」だったのか?

           はじめに M-1が終わった。そう、今回のM-1は終わり、それはつまり今年のM-1が始まったということでもある。それはさておいても、世間としては12/19にM-1が放映され、錦鯉が優勝した。新年を迎え、ほとんどの人はM-1について少なくともTwitterでは話していない。なんでこんなに旬を過ぎてからM-1について話しているかといえば、社会人である私が年末忙しくてまだ今年のM-1鍋に浸かっているからである。  新年早々真空ジェシカの漫才を見ながら起床し、モグライダーのネタを見

          M-1考察:ゆにばーすのネタは「下ネタ」で「異性愛主義的」だったのか?

          手繋ぎってシンプルにエロくないですか?

           本当に。この一言に尽きる。露出がエロいだの、セックスがエロいだの、服がエロいだの、日常的にエロと結びつけられることは世の中にごまんとあるけれども、その中でもやっぱり手を繋ぐことは、計り知れないエロスを含んでいると断言できる。他がエロくない、という話ではなくね。 「エロ」=「つながり」? 「エロ」の一つの基準として、私は「つながり」があると思う。例えば、たまたまお互いに同じことを言った瞬間。思考回路が繋がっていることを感じて、たまらなく相手のことを好きになったりする。セック

          手繋ぎってシンプルにエロくないですか?

          「二次加害が人を殺すのだ」と言い切りたくなってしまうこんな世の中で

           最近、某女性研究者への二次加害が話題になっている。見ていて辛い。(知らない方は知らないでいいと思うくらい辛いので名前も出さない)何が辛いって、もちろん加害を見るのも辛いし、自分がこんな風に陰口のミームに使われていたらと思うとやりきれないし、研究者のコミュニティってこんなに閉じているんだなというところもしんどいし、でも何よりもまず「自分」がしんどい。自分の中の差別意識が垣間見えるたびに、毎度もう自分を自分から切り離してどこかに捨ててこれないかと思ってしまうのだがそういうわけに

          「二次加害が人を殺すのだ」と言い切りたくなってしまうこんな世の中で

          それなりに差別が「ある」世の中を生きながら思うこと

          緩やかな差別の中で私たちは、緩やかな差別の中を生きている。緩やかな差別は、はっきりとした形を持たずに笑いの形をとったりするから、なかなか指摘しづらい。 最近電話した友人はこう言っていた。「今はユニセックスが流行っているけど、結局は男らしさとか女らしさからは誰も逃れられなくないですか?男ってやっぱ自分を装飾する手段も伝統もないわけで。」 あるいは、こんなことを言う友人もいる。「なんか男二人でずっと一緒にいるのって変な感じしない?あ、ホモっぽいとかじゃなくて〜…」 こんな言

          それなりに差別が「ある」世の中を生きながら思うこと

          「花束みたいな恋をした」の感想を、良い作品だったと思う人の視点から

           花束みたいな恋をした、話題だ。怖いくらい話題だ。なんだか突然観に行かなきゃいけない気がして、ふらっと観に行った私から見ると驚くほど話題だ。なんだかそういう感じで話題になるタイプの作品ではなかった気が未だにするのはなぜだろう。  目に入ってくるのは批判が多い。最初は賞賛が多かった。でも賞賛が増えると対抗するように批判が増える。こればかりは世の常だ。しかも、キツい批判が増える。観に行っていい作品だと思った私たちが「感性の足りない」「凡庸な」「どこにでもいる」「考えの足りない」

          「花束みたいな恋をした」の感想を、良い作品だったと思う人の視点から

          昔の恋人へのプレゼントがメルカリで売れた

           「昔の恋人からの」ではなく、「昔の恋人への」である。  去年のちょうどこの時期に付き合っていた人にグレーのニット帽を買った。付き合いたての時期、私はいつも相手のことを考えてプレゼントを買う。そしてそのプレゼントは色々な理由で相手の元には届かないことが多い。今もこの前付き合った人に買ったハンドクリームがある。また渡せなかった。どうしよう。  このニット帽もそういう運命だった。買ってから、「そういえばプレゼント買ったよ!」とLINEすると「誰に買ったの?」と返ってきて、主語

          昔の恋人へのプレゼントがメルカリで売れた