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9)明らかに浮気をしていた夫を許してしまう妻の心境って…?

どうして、私が彼の言い訳を受け入れて、許してしまったのか…。
今となっては、何とも言い難い決断だけど、恐らく、夫のことが大好きだったんだと思うし、夫と別れることなんて、微塵も考えていなかったんだと思う。

当時の私は、まだ20代半ば。
夫とは恋愛結婚だったが、お互いに仕事をしている身だったし、夫とは当時、県をまたいで、海を渡ってお付き合いをしていたこともあり、ちょっとした中距離恋愛だったため、結婚式へ向けて、先に籍を入れて、一緒に住み始めた私にとって、彼と過ごす時間は、幸せに満ち溢れたもの…な、はずだった。

一緒に住み始めて、まだ2ヶ月だった。

たったの2ヶ月で、夫に裏切られた私は、振り上げた拳を、一度は仕舞う選択をしたのだった。とは言え、夫の言い訳を鵜呑みにしたわけではない。

2ヶ月前に派手に結婚式を挙げ、400人を超える、沢山の親族や来賓、職場の人達を招待し、盛大にお祝いして頂いた手前、たった2ヶ月で離婚…というのは、恥ずかし過ぎて、とてもじゃないけど、そんな選択はできなかった。

親の悲しむ姿…友人達が同情してくる姿…私を羨む人達が嘲笑う姿…

色々な情景が目に浮かび、レイナは夫の謝罪を受け入れた。夫の言っていることを信じた体裁で…


実際には、そんな都合のいい話があるわけない。
疑問は沢山残っている。

・撮影した日はいつ?
・撮影したのは誰?
・何故パソコンに保存されていたのか?
・その女とはまだ続いているのか?


そもそも、それを問い詰めたところで、本当のことを言うわけは無いだろうと思っていた。

夫が自分の口から話すまで、騙されたフリをしておこうと思った。

というよりも、夫が言った言い訳を信じる形を取らないと、この先一緒にはいられない…そう思った。


夫の言い訳は…
・これはレイナと付き合う前
・動画を撮った覚えはない
・彼女が勝手にしたこと
・だからPCに保存されていることすら知らなかった
・浮気はしていない
ということだったが…

必死に言い訳を並べる夫を見て、私と別れたくない、という気持ちだけは伝わった。


そして、私が深く傷付いているのを知って、彼自身がショックを受けているのも、見ていて伝わった。

私に対する接し方とか、発言とか、この時だけは、すごく気を遣われている気がしたし、優しくなった気がした。

…もちろん、一時的だったけどね…笑


それよりも、大変だったのは、私のメンタルだった…

あの、如何わしい動画を目にしてから、私の不眠症が始まることとなります。

というのも、目を瞑ると、瞼の裏に、あの時に見た映像が浮かび上がってきてしまうから。しかも、鮮明に!!


そのうち、目を瞑ることができなくなり、眠ることもできず、食欲もなくなり、日に日に私はやつれていきました。

さすがに、このままだと、自分が壊れてしまうと思って、近くの心療内科を受診することとなります。

初めて訪れる心療内科・精神科。

入るときは、妙にドキドキしたのを今でも覚えています。


ーー私は精神的におかしくなったのかな?

ーー私って病人なのかな?

ーー元の私に戻れるのかな?

とにかく、不安でいっぱいでした。


受診した病院では、いろいろな質疑応答がありましたが、その医者、男性だったからなのか、なんとなーく、話を聞いてもらっていても、イマイチ患者の気持ちに寄り添ってくれていない気がしてしまい…

処方された精神安定剤などの薬も、2〜3回だけ飲んで、あとは自力で治そうと、薬に頼らずに頑張りました。


聞くと、心療内科の先生って、ご自身が患者さんに感情を持っていかれてしまう事もあるため、あえてドライに対応されていたり、先生ご自身もメンタルケア必要になったり…色々な先生がいらっしゃるから、病院選びは難しいんだということでした。


私はたまたま近くにあった病院を選びましたが、確かに完全予約制とは言え、他の患者さんが全くいなかったのは不思議だなーと思っていたので、私の病院の探し方が悪かったのかもしれません。


とにかく、薬漬けになる前に、自ら抜け出せたのは良かったと思ってます。

自ら抜け出したというより、この状況の渦中にいる自分を問い正した、といった方が正しいかもしれません。


本当に薬を飲めば、楽になるの?
本当にこれで救われるの?
本当にこれでイイの?


明確な答えが出ないまま、月日だけが過ぎていき、夫の過剰なまでの反応に辟易し始めた頃、近所に住む義妹に誘われて、一緒にランチを過ごす事になりました。


男兄弟で育ったレイナにとって、義妹の存在は、初めての妹という存在であり、絶対に可愛がってあげたいなーと思っていた。

育ってきた環境は違うけれど、レイナのことを義姉として、一応は気を遣ってくれているのがわかり、レイナ自身も頻繁に連絡を取るようになっていた。

久しぶりに会った義妹が開口一番に「レイナさん、なんかやつれたけど…何かあったの?」と聞いてきました。

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