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30)カフェで中年カップルが見つめあっていたら、やっぱり周りは不倫カップルだと思うのかな?

束の間のデート

カフェに入り、向かい合って座る。

オーダーする前に、見つめあう中年カップル。周りから見たら、どんな風に映ってるんだろう。気持ち悪いのかな…やっぱり…(笑)

彼の見た目は、50前後。恐らく、40代後半でも通用しそうな感じ。

私は…というと、彼曰く、「30代にしか見えない」だそうです。(笑)

実年齢は40代。なので、やっぱり、周りから見たら、ただの中年カップル。

もしかしたら、夫婦に見えてるかも?!なーんてことを思いながら、でも、中年夫婦がこんなにイチャつかないし、こんなに見つめあうこともないよね…と、自分のそんな淡い妄想をかき消す。

「会いた過ぎて、木曜日まで待てなかったよ」

会うなり、そんなことを言われたら、ますます好きになっちゃうよ。それまでも、LINEでも、「会いたいなー」「好きすぎて困る」なんて言葉を言われて、「私も大好き♡」と、返信する…。

こんなやり取りが日常的に行われてる私たち。完全にバカップルだよね。(笑)バカップル上等!!もう、これが最後の恋愛だと思ってる、中年カップルなので、ブログの中だけでも、本音で喋らせてー(笑)

何しろ、普段はお互いに、家族がいる身。ちゃんと、旦那役を演じ、妻役・母役を演じる。

演じるっておかしいか…。それが本業だから。不倫は副業…みたいな感じかな?

副業って、なんか、楽しかったりするよね。普段はOLさんだけど、夜は水商売やってたり、インストラクター業やってたりって人、案外いるよね。それと似てる…?似てないかな…?

私は、感覚的には、似てる気がする。会社で禁止されてる、副業を、こっそりやってる…みたいな?

中年カップル

その日、火曜日の、突然のお茶デートのお誘いは、本当に、2時間程度の、お茶だけデート。

でも、二人で向かい合って座って、お茶を飲んで、色々お喋りして、お互いの気持ちを、言葉で確かめ合って…。

そういう事って、旦那とはなかなかできないよね。

いや…うちの夫婦は、してるかな。というのも、ほとんど会わない生活を送ってるから。その辺の話はまた別の記事で…。


で、彼とのあっという間の2時間デートは、お別れの時間を迎え、彼は、子供たちが習い事をしている場所の近くまで、私を送ってくれた。そして、人気のないところで、そっと私を抱き寄せ、ギュッと強く抱きしめた。

私は、彼に抱きしめられるのが、ものすごーく好きだった。包まれるようなハグ。そして、求め合うような激しいキス。

こんなところで…人に見られてしまうかもしれないのに…お互いに、抑えきれない衝動に、強く抱きしめ、キスをした。


「もう本当に…!好きすぎてどうしよう…!」

その言葉、私を喜ばせるだけですから…!

「もっと、好きになって♡」

私も、言葉で彼を喜ばす。

「私も、大好き♡」


別れ際は、本当に寂しいよね…。現実の世界に戻らないといけないから。

でも、彼と会えた時間で、私は身も心も満たされていた。心が満たされると、子供たちにも優しくなれた。

家族に優しくなれるのは、不倫をする上で、すごく大きなことだった。

不倫しながらイライラする人もいると思う。なかなか会えない事へのもどかしさや、パートナーへの嫉妬など。

でも、そうならないためにも、私の、特定の人に絞らない不倫は、都合が良かった。


火曜日に、彼とのお茶デートを楽しんだおかげで、満たされた水曜日を送った私だけど、彼の方は、余計に火が付いたみたい。

翌日も、「もう会いたい」と言ってきた。

「明日会えるね」と返すと、「楽しみ♡」と返ってくる。

こういう、他愛もない会話のやり取りが、なんてことないのに、すごく嬉しい。

私の夫は、業務的な事しか連絡をしてこない人だった。

夕飯支度をしているのに、帰るコールもしてこなくて、結局、外で飲んできて、せっかく作ったご飯を食べないことなんて、日常だった。

それを、私がお昼に食べたりして消費していたが、連絡をしてこない夫に腹を立てて、目の前で作った料理を捨てたこともあった。


専業主婦になって、1日も誰とも話さない日もあった。夫からも連絡がこない、夫の帰りは遅い。そんな生活を送っていた私にとって、不倫相手とのLINEのやりとりは、本当に楽しかった。

特に、大好きな健太郎とのLINEは、本当に待ち遠しく、LINEが鳴ると、ウキウキして既読を付けた。

警戒心

木曜日のデート当日。

その日は、ホテルデートの後、飲みに行く…という定番デート♡待ち合わせ場所で会った瞬間、私の胸は高鳴り、彼の顔をまともに見れなかった…。


いつものように、コンビニで飲み物を買い、いつものホテルに向かう。


本命の彼、健太郎と歩いていて思うのは、「この人と歩いているところを、他人に見られても、恥ずかしくない」ということ。


今までも、人に言えない関係の人と、繁華街を歩いたり、したけれど、既婚男性って、独特の生活感が出ていたり、見るからに歳が離れてたり、見た目の面で残念な人が多かった。


それに、やっぱり、人目を避けるような関係だと、なるべく下を向いて歩いたり、少し離れて歩いたり、ある意味、ぎこちない雰囲気を醸し出していたかもしれない。


でも、健太郎と歩いてる時だけは、違った。見た目もかっこよくて、背も高くて、私をエスコートしてくれる様は、イギリス紳士と歩いているような、そんな気にさせてくれる人だった。



なので、一緒に歩いていても、私も自然に彼にくっつく形で歩き、気を緩めたら、手を繋いでしまいそうになる程、彼との距離は、グッと近づいていた。


もちろん、私はマスクで変装。たまに眼鏡。たまにサングラス。そして、ホテルに入る前後は一応、周囲をチェック。これだけは、条件反射的にしてしまうことだった。


浮気が初めてだという彼は、その辺が無防備で…、少し心配ではあるけれど、警戒する役割を私が担えばいいだけのこと、と、割り切って、私が気を付けることにした。

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