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静かな旅ができる街

「東京や京都は賑やかで疲れちゃった。ここはいいわね、とっても静かで。」
昨日来ていたカナダからのゲストさんが零した言葉。聞き慣れた言葉だ。でも、昨日はハッとした。そうか、萩は“静かな旅ができる”のか、と。

かつては全国的に有名な観光地だった萩。
歴史的な背景が色濃く、萩焼などの文化も残っている、立派な観光地。だけど今では、この土地を知らないという人に出会うことも少なくない。その現状を嘆く声も聞こえてくる。

観光地として街があるなら、観光客が多いことは望ましいこと。それは固定概念と言っても過言ではない。ただ、ここ数年は“オーバーツーリズム”と言われる街もあるほど、観光客が過剰に集中してしまうようになった。

一方で、“何もない”という街が重宝されるようにもなったと感じるのもここ数年のこと。実際のところ、何もない というのは、観光資源がない とか アミューズメント施設がないとかそういうことで、本当に何もないわけではない。
美しい山々、澄んだ小川、広がる田園風景。そういう素朴な自然は、日本中にある。だからこそ、“ない が ある”と表現されることもある。

そんな日本の現状において。
“静かな旅ができる”というのは意外と稀有なことなのかもしれない。

賑わいがない とも違う。
何もない とも違う。
ある のだけど 静か。

静かな旅ができる ということは、
旅行がしたいけど人混みは苦手な人や
一人でどこか遠くに行きたい人 には
もってこい、なんじゃないかと思う。

微妙なニュアンスの違い。
もしかしたら至極当然なことを言ってるのかもしれない。でも、静かな旅ができる というのは、まだ耳馴染みがなかった。だから何か、つぎへの糸口になったらいいなと思う。

わたしもそろそろ、静かな旅がしたいな。

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