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初めてライブというものに行ったオタクの感想。(@シャインポスト TINGS LIVE JOURNEY ep.02 “Re-Live” with HY:RAIN & HOTARU)

ライブへ行くことになったきっかけ

 3ヶ月ほど前、知り合いのオタクから一通のLINEが来た。
「なァ、"シャインポスト"って知ってるか??」(原文ママ)
 知らなかったので話を聞く。どうやらアイドルもののアニメらしい。で、それがすんごくおもろいと。しかもライブをやるらしく、チケット余ってるから参戦しようぜとの誘い。
 彼は作品への審美眼について非常に信頼できるものを持っていて、雑に作品を推すみたいな事はしてこない。ただ、アイドル系のコンテンツはシャニマスしか履修経験がなく、それもnot for meだったので、ライブなんて行ったことがなく。正直結構微妙だな~と思っていた。という訳で「暇があったらアニメは観るわw」と雑な返事をしたままそれっきりだったのだが、先月に彼含むオタクの友人ら数人で宅飲みをした時「シャインポストの上映会しようぜ!」というノリになり、急遽履修することになる。

 で。
 これがもう、とんでもなく面白い、自分の琴線にブッ刺さる話だった。素直に即座にアニメを見なかった己の愚かさを10回くらい呪った。観てない人はぜひとも観てみて欲しい。
 気になって情報を調べると、小説版があってゲームも出る予定らしい。なるほど。というわけで、そのままの流れですぐにつべとサブスクで曲を漁りながら小説版を買って読む。これもまた天才的に面白い。また、ライブには4人で行くらしいが私(限界留年貧乏オタク大学生)以外の3人はバリバリの社会人で、チケット代を融通してくれるらしく(下世話な話になってしまうが、これによって心理的ハードルが大きく下がったのは事実だったりするので本当にありがたい提案だった。この御恩はいつか必ず返します)。この時点で、私の肚は決まっていた。

「行ってやろうじゃねェか……"ライブ"、ってヤツによォ……!」


当日(開始前まで)の感想

 高まる為に前日深夜から小説版を一気読みした結果寝坊したり(バカ)、中野駅付近のミスドで超重要アイテムのドーナツを食べてアドを稼いだり、合流した友人らとオタクトークをしたり、その友人にオタクライブってどんな感じなんや?と質問したりしながら開場を待つ。
 1700過ぎ、会場である中野サンプラザに入場。この時点では「初めてこういうイベント参加するけど、楽しめるかな……マナーとか大丈夫かな……」と不安な気持ちが大きかったのだが、入って暫く歩いてTINGSの等身大パネルを見た瞬間に「あ、俺、今本当にオタクライブ来たんだ」という実感が沸々と湧いてきて。そこからはもうワクワクしっぱなしで、席に座って寝坊した私の為に物販で確保してくれたサイリウムを友人から受け取り(マジでありがとう)、TINGSのみんなが開始前の来場者注意を読み上げてくれる頃にはもうワクワク8:不安2とかの精神状態だった。オタクってちょろいね。なお、この2あった不安は開始5分で消し飛ぶことなるのだが、当時の私はその事を知らず。ただ、己の裡にある熱い「何か」が徐々に沸き立ってきている事だけは、明確に感じていた。


で、いよいよ本番の感想

 約2時間半にも渡る最高のライブを終え、汗に塗れた酸欠気味の私の脳に浮かんでいた感情は——「安堵」「後悔」「幸福」「感謝」の4つだった。

それなりに安堵

 最初に、「安堵」に関して。この安堵にも色々あるのだが、取り敢えず開始5分くらいでまずホッとしたことがある。それは諸儀礼の体系に関する不安が杞憂に終わったいうことだ。何度も言うように私は初めてのライブイベントだったので、所作などに関する経験的知識は0。その点での不安は少なからずあったのだが、なんと驚くべき事にSweet Surrenderの1番サビあたりでもう

「あ、これノリノリでサイリウムぶん回して周りと一緒に叫ぶだけでバチクソおもろいやんけ」

 と悟ることができたのだ。この気付きにより、所作に関する不安は払拭され、以降は何も考えずにサイリウムを振り回しながら定期的に叫ぶだけの獣と化してライブを楽しむ事ができた。このことは純粋に良かったなと思っている。

 また、もう一つ大きくホッとしたことがある。それは、二次元と三次元の隔絶による没入感の低下という可能性を、非常に見事な手腕で解決してくれたことだ。
 私はシャインポストのアニメと小説が心の底から好きである。ただ、その好きはキャラクター造形のクオリティ、ストーリー展開や作品構造の丁寧さ、テーマ性の魅せ方の面白さに対する「好き」であり、二次元コンテンツの「シャインポスト」に対する「好き」だ。なので、ライブの主な演者であるアニメ版の声優の皆様に関してはそこまで興味を持っていなかった、というのが本音になる(なんなら、そもそも声優そのものに元々あまり興味はなかった)。更に言うなら、私は「根本的に二次元世界のキャラクターと三次元世界は隔絶されていて、それらは隔絶されているからこそキャラクターとしての美しさを獲得できるのであり、その隔絶は本当に素晴らしい演技でキャラクターに命を吹き込んでくださる声優の皆様方でも超えられないのではないか」という超絶面倒で厄介なオタク的信念を抱える頑固人間なので(最悪)(結構アレなことを言っている自覚はあるので他人にこの考えを押し付ける気はないです。あくまで個人としての思想です)、リアルの声優さんが中心の演者となるライブイベントに対しては一歩引いた、冷めた態度を取ってしまうのではないかという大きな懸念を抱えていた。

 ただ、いざ蓋を開けてみたらそれもやはり杞憂だった。セットリストの順番は小説やアニメの文脈を踏まえた素晴らしい物だったし、ライブのメインスクリーンに映っているのも基本的にはアニメの映像やMVが中心だった。また、5曲目の「Yellow Rose」の入りでアニメの展開を踏襲する演出を入れるという痺れるサプライズなんかもあり、イベントの「骨子部分」は完全に私が好きになった二次元の「シャインポスト」そのものであったのだ。

 その上で。骨子部分に「肉付け」される声優の皆様方の圧倒的なパフォーマンスにも、私は間違いなく心を震わされていた。渾沌とした音が入り乱れる会場の中、それでも一等輝いて耳を震わせる力強い歌声(特に、理王のCV担当である夏吉ゆうこさんは同じ人間と思えない位凄かった)を聴いてると、「生でもこんなに声出るしこんなに上手いの!?!?!?!?!?バグか??????????」という感想しか浮かんでこないし、長時間動き続けても一寸たりとも切れ味を落とさない技巧の極まった振り付けやダンス(素人目の感想になるけど、その中でもHY:RAINは特に抜けて上手かった気がする。ヤバ過ぎる)を見ていても「フィジカルお化けすぎやん、これほぼ同年代の女性ってマジ?????幻術でも見せられとるんか俺は?????どんだけ練習したんだあの人達?????凄すぎんか?????」という感想しか浮かんでこなかった。その上で、パフォーマンスやMCでの話から垣間見えてくる「演じたキャラに極限まで寄り添って、何があっても共に歩んでいこう」という、プロフェッショナルとしての絶対的な矜持と信念がひしひしと伝わってきたのが、もう何より印象的だった。月並みな言葉になるけど、プロって本当に本当に本当に凄いんだな、ってライブ中に100回くらいは思わされたし、思う度に感動した。結果として、二次元と三次元は隔絶されているという私の認識は変わらなかったのだが、骨子と肉付けの部分でそれらをうまく峻別し、両方とも恐ろしく高いクオリティで仕上げた上で別々にぶん殴ってくるというヤバすぎるパワープレイの前で、私のしょうもない杞憂は砕け散ったのである。そして、そのことがライブを楽しむ為の大きな推進力になったというのは言うまでもないだろう。

少しの後悔

 次に、私がライブ中やライブ後に少し後悔したことを述べる。それは、ライブ後半の曲はうろ覚えの曲があって上手く声出しとかできんかったなぁ、ということだ。具体的に言うとLife goes on!と春風に乗ってとBe Happy Time!!である(多すぎやろ、やる気あんのかお前?)。あとBe Your Light!!も曲は覚えたけどコールのタイミングとかは割と抜けてたなぁって感じだった。

 正直なところ、(前述したように)私はシャインポストのアニメとか小説は天地が逆転するレベルで好きなのだが、曲群に関してはまぁ普通にめっちゃ良いなぁコレ、ってくらいでアニメとか小説ほど好みではなかったりする。多分抜けが発生した原因はこれだ。ただ、ライブに行こうと決めたならばライブを楽しむ為にやれる事はちゃんとやるべきで、曲やコールの部分をしっかりと頭に入れるというのはそれこそ一番にやるべきことだった。で、それを怠って結果として100%MAXで気持ちよくなれなかったというのはやっぱり勿体無かったな、という後悔はある。特にBe Happy Time!!は死ぬほどコールがあるのに、何故うろ覚えで凸してしまったのか。これはもう完全に愚かなムーブである(ほんまにマジで悔しい)。というわけで、次回以降に何かしらのコンテンツのライブに行く事が決まったら、予習などはきっちりしておこうと思う。

圧倒的な幸福

 とまぁ、ここまでつらつら後悔やら安堵やらを述べたが、この二つを合わせても正直感情の1/5くらいにしかならない。基本的な感想は残りの二つが半々くらいだ。
 で、幸福なんて仰々しい題を付けたわけだけどぶっちゃけ言いたいのは

大好きなコンテンツの音楽を爆音で聴きながら!!!!!ノリノリでサイリウムぶん回して周りと一緒に叫ぶだけで!!!!!バチクソおもろいやんけ!!!!!マジで楽しかった!!!!!

ってことだ。いやもうマジでブチ上がったよね。ライブってこんな楽しいんかと。オタクがハマるのは分かりますわ。ちょっとエネルギー消費量が高過ぎるし、ライブやるようなコンテンツにそんなにハマってないから次ライブに行くとしてもしばらく後でいいかなという気はするが、でもまた自分でちゃんとお金払って行ってみたいというのは明確に思った。本当に素晴らしかったです。

 もう少し踏み込んで言うなら、まず爆音で流れてくる大好きなコンテンツの曲のリズムに合わせてサイリウムをぶん回すってのが気が狂うほど楽しい。リズムに合わせて身体を動かすなんてそんなの人類が太古の昔からやってきた事で、そりゃ本能的に楽しいに決まってるんだよな。あと私は数年前まで音ゲーを嗜んでいたから、そもそもリズムに合わせて身体動かすっていうのは人より好きだったりする。それも相まって非常に良かった。
 あと、マナーの範囲内で騒ぐのが合法的に許されているのも神。数日前、同行する知人のオタクが「声出しOKはクソ熱い」なんて言っていて、その時の私は「声出し?そんなに凄いことなんか?それ?」くらいの認識だったのですが、普通に死ぬほど凄いことだった。ビビった。好きなコンテンツへの情念と感情のままに(勿論、周囲に合わせた適切なタイミングで)絶叫できる、これはオタク冥利に尽きる幸せなのだなと痛切に感じた。なんか中高時代の体育祭とか文化祭みたいで馬鹿騒ぎしてたノリを思い出して、途轍もなく楽しかった。
 そして何より、以上のことを「シャインポストが大好きな観客の皆様と、素晴らしいパフォーマンスを見せてくださった演者の皆様が作り出した、茹だるように強烈な生(=LIVE、ライブ)の熱気」の中でできたというのが一番の幸福だったと思う。こんなに生の熱気、空気感って違うのかと。想像よりも遥か上で、これが「ライブ」なのかと、ひたすらに圧倒される思いで胸が一杯だった。ただ、一つ言えるのは

日進月歩の歩みを見せる最高のコンテンツ、シャインポストに出逢い、
猪突猛進の勢いでハマって、ライブに行って、
豪華絢爛なサイリウムの極彩色の中で、
威風堂々たるパフォーマンスを見せてくれた最高のアイドル達と、
獅子奮迅の働きで会場を盛り上げてくれた最高の観客達と、
全身全霊で、心の底から初めてのライブを楽しむことができた

 という訳で、私の初ライブは本当に最高の思い出になった——ということだ。これだけはもう、紛れも無い真実だったと胸を張って言えるだろう。

総てに、感謝

 これに関しては、いくら言葉を並べても足りなくなってしまうので短く。

 シャインポストを教えてくれた友人、一緒にライブへ行ってくれた友人ら、他の観客の皆様、関係者御一同、そして何より、TINGSの皆様、HY:RAINの皆様、螢さん!
 マジで最高のライブでした!!!!!本当にありがとうございます!!!!!初めてのライブだったけど、めちゃくちゃ楽しかったです!!!!!


 おキョン!!!!!好きだーーーーーッッッッッッッッ!!!!!(byシャインポストのアニメを完走した後、3日間ずっと昼食が近所のマックのチーズバーガーセットになったキモオタク)

なお、チーズバーガーだと自動的にハッピーセットになってしまうので泣く泣くダブルチーズバーガーにしている



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