今月の藤井風さん(と、私と息子、ときどきその他の家族)

 ツイッターでは藤井風さん以外の推しつながりのフォロワーさんがほとんどなので、風さんのことはこちらで叫ぼうと決めてるのに、ついついツイッターにも零れ落ちてしまう風さんへの思い。
では行きますよ~

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今月中旬、息子の中学校の体育大会があった。
放送委員長であるうちの子、各競技のBGMに何をかけるか夜遅くまで考えたり進行表を作ったり(えーと、受験勉強は……?)という中で、藤井風をかける余地がなく、だけどどーしてもどこかに入れたくて、苦悩してたらしい。
そんなある日、「楽しみにしといて」と息子が意味ありげにニヤリ。

さてさて当日、カンカン照りの中、放送ブースで機材の前で後輩委員たちに指示を出す息子の背中を見ながら「大きくなったもんだ……」と感慨にふけりつつ、「今年もやっぱジャニーズとか坂道系とかアニソンとかそんな感じで、風さんを聴くのは無理なんだろうな……」と諦めかけつつ、休憩時間に入った、その時!
聴きなれた、乾いたイントロ。
♪どん、どぱん、どん、どぱん、ちゃっちゃーらちゃららっちゃっちゃら♪ (再現度が低くて申し訳ない)
あーーーー! 息子よ! やりよったな!! 
そっか、休憩時間にかけるという手があったか! 藤井風「Workin' Hard」!!
してやったりという表情でやって来た息子。
「ようやった! ありがとう! あんたは天才!!」と、あたかもリレーのアンカーでごぼう抜きした子をほめるかのように息子をほめちぎった私たち両親。 
地方の海沿いの中学校の校庭に鳴り響く「Workin' Hard」に大満足で耳を傾ける私だった。

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お彼岸は、父の27回忌だった。
そういう場だから、今日は「藤井風」はNGワードで行こうぜ、と、息子と約束していた。
ああそれなのに。

親戚の車の駐車を誘導しながら、母が、なんの脈絡かわからないが「藤井風」と口走っているのが聞こえてきた。
母は、バスケなんて見ないくせに、「Workin' Hard」は知ってたから、やはり今でも常習的に藤井風を聴いてるみたいだw
さらに、お墓へ向かう車中で、叔母(母の妹)にこんなことを言われた。
「reinoってミーハーやったっけ?」
私「(ミーハーって……)うん、まあ、常に誰かしらを推してる人生やけど」
叔母「今は誰が好きなん? ……ああ、藤井風か。あの子変わっとるなあ。ステージで倒れたりとか(「紅白歌合戦」のことだ)。せやけど”風”なんて、芸名やろ?」
私が風さんのごきょうだいのお名前を説明すると、
「へえー、そんなんやったらいくらでも思いつくわ。”霜”とか」
…………叔母よ。
「藤井霜」は、さすがにないで。

そんなこんなで、なし崩し的に、私も藤井風さんの魅力を親戚相手に熱く語る展開になってしまった。

それにしても、父が突然他界したのが1997年(風さんが生まれた年だったのだ。なんともはや)、それから26年もの間、周りの方々に支えられながら、細々と仕事もしながら、趣味を楽しみながらなんとか生きてきた母。
そんな母が最近よく言うのだ。
「『推し』って大事なんやな、『推し』がおるっていうのは凄くいいことなんやなって最近思うようになってん」
以前の記事にも書いたように、特定の誰かに入れあげるということのない人が、なんでそんなこと言うの?
やっぱり、藤井風を相当推してる疑惑浮上w 今さら恥ずかしくて私たちには言えないんだな。
一人暮らしの家のダイニングテーブルで、「スマホを開けるたんびに出てくる」という風さんの動画にまじまじと見入っている母の姿を想像すると微笑ましい。
これからも母の暮らしの彩りでいて下さいね、風さん。

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9月29日、夜。
いつものようにツイッターをチェックしてから寝ようかな、
え!?!?
「billboard JAPAN <インタビュー>藤井 風に導きを与えた“第三のデビュー曲”「Workin' Hard」ができるまで」
なんですとーーーーー!?!?!?
慌ててリンクをタップするも、「アクセスが集中しており表示できません。しばらく待ってから再度……」というメッセージが。
そうだろうな。
テレビにもラジオにも雑誌にもウェブマガジンにもめったに出てこない、そんなレアすぎる方のインタビュー記事なんて言ったら、全世界の風ファンが暴徒のごとくネットに押し寄せるに決まっている。
英語版にはなんとかアクセスできたので、たどたどしいながらも英語で全文読むことができた。
多少なりとも英語が分かる人間でよかったと、この時ほど自分をほめたくなったことはないw
今朝になって日本語版をじっくり読んでみる。
「grace」をリリースした後、自分が言いたいことはすべて言い切った、燃え尽きたと感じ、次は何をしたらいいのか全然分からなくなり、曲を作る必要さえも感じなくなってしまったという風さん。
ショックな言葉だけど、そうかもしれない。
あれほどまでに「究極」な曲を作ってしまったこの人に、これ以上何か歌を通して表現したいことってあるんだろうか、と、一抹の不安を私も感じていた。
そこへ、バスケットボールW杯のテーマ曲というオファーが来たことで、再び新しいことを始めようという気持ちが起きたという。
そんな思いで作り上げた「Workin' Hard」は、「いかに力を抜いて、聴く人の耳に余計なストレスを与えないか、いかに自分がリラックスして、脱力したムードを聴く人に伝えることができるかどうか」という「まつり」以降の風さんのマインドにぴったり合ったものとなっている。
確かに、不思議なほど、聴く側にストレスを感じさせない曲だと思う。
「さあ、今から『頑張れソング』を聴いて気合を入れるぞ!」みたいに気負わせるのではなく、なにげにすっと入って行けるのに、聴いた後は不思議な高揚感とずっしりとしたエネルギーが自分の中に充填されているのを感じる。
「こういう視点を持った曲がスポーツのテーマソングとしてあってもいいんじゃないかなと。結果よりもプロセスを大事にすること、勝ちや負けを超えた何かを考えてほしいということは、自分がこれまでも歌にしてきたテーマの一つなので」という思いの一方で、「もしテーマソングとして相応しくないと判断されたら別の曲を用意するつもり」でもいたという風さん。
実際オンエアされてみると、「暗い」「地味」「士気が上がらない」「バスケをメジャーにするためには勝ちにこだわる歌じゃないとダメだ」みたいな批判も浴びた曲だった。
けれども、たとえば中学校の体育大会なんかでも当日の競技だけじゃなく、事前の練習も準備も、委員長はじめ全員が何らかの持ち場で頑張ったはずなのだ。
「みんな十分頑張ってるよ」と、当日の結果ではなくプロセスをたたえて肯定してくれる、そんなスポーツソングがあってもいい、という新しい価値観を提示する一曲ではあると思う。
バスケW杯が終わっても、世界中のあちこちで、スポーツだけじゃなく頑張っている人すべてのあらゆる場面で、さりげなく流され続ける曲であってほしいと願う。

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さて、今月はこの曲がYouTube再生回数2,000万回を突破した月でもありました。
「”青春病”」。
憂いに満ちたサビのメロディーと、不思議な展開を見せる2番が好きすぎる……。

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