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20230507 ガラスペンの世界(沼?)にハマる


ガラスペンにハマった経緯

 今さらだがインク沼と、ガラスペン沼にハマってしまった。
 ハマったきっかけはYoutubeで見た動画である。
 私は10代の頃からGペンや丸ペンといった「つけペン」で絵やまんがを描いていたので、ペンをインク壺に漬けながら書いたり、描いたりということには抵抗がない。
 だからガラスペンでサリサリと、なんとも言えない音で描いているASMR動画を見ているうちに、我慢できなくなってしまったのた。
 ちょうどiPadで描いていた趣味のお絵描きを一旦止め、AI登場を意識して(私の古臭い絵柄なんざはAIに盗まれる心配もないが)アナログ絵習作を始めた時だったからでもある。
 アナログ絵の方が描き方も計画性も修正も難しく、画材や紙で場所も取るが「物理的な形に残る」「一筆一筆が一期一会」「実力がそのまま出る」ことの大切さに、今さらながら思いが至ったのである。
 そして、当然のようにガラスペンと同時にインク沼にもハマってしまった。
 昔はインクといえば耐水性インクで、色塗り前の線画やペン画を描いていたが、最近の進化した万年筆用の染料インクの滲み方とか、乾いた後のフラッシュの出方などを見て「これは絵の具と違った面白さが出るな」と思ったのが始まりだ。

 とりあえず今回はガラスペンについて書いていくことにする。インク沼の方は既に50本を超えるインクが揃ってしまっており、写真を撮るのも、にわかには撮影に取り掛かれないほどだからである。
 インク沼紹介の方は、どういう画像と文と共にまとめたらいいのかよく考えてからにしたい。多分、インクのシリーズごとになるだろう。一色ごとはすでにインクの数が増えてしまった今となってはキツい。

私の一軍ガラスペンの紹介

私的に「一軍」のガラスペンたち

 さて、ガラスペンだ。
 上の写真のガラスペンは私基準で「絵を描くという所業に耐えうる」と判断した、いわば「一軍」の7本だ。
 やはり日本製で、かつ工房さんの作品ばかり。(蛇足だがガラスペン発祥の地は日本である)
 しかも軸が長めで太いものばかりだ。これは私の手が女性としてはかなり大きいということが原因である。短い、いわゆるショートもののガラスペンはすごく使いにくいのだ。
 普通はガラスペンといえば、お手紙用途か日記かなのだろうが、残念ながら私は日記が続かない人で、その上にお手紙を出す相手もいない。母が介護老人ホームに入った頃は書いていたが、今は母の視力が落ちてしまい読めなくなってしまった。
 だからインク沼、ガラスペン沼にハマっても、実際にはあまり使うことがないという悩みはよく分かる。特にガラスペンに関しては、ある日、観賞用になってしまっていることにハッと気が付いて抜けていく方が結構いらっしゃるのではないか。
 朝活として毎日、一筆書くとか、写経するとか、日記をつけているとかではないと、そうそうガラスペンとインクで文字を書く機会などないだろうと思う。
 私の場合はペン画から色を入れていく系統の絵を描く人なので、使わなくなる心配はない。
 どんな絵かというと、下のような絵だ。

例1:「オーロラの国の王女」
背景の山、湖、手前の石のゴロゴロしたところ、空の線での描写はカラーインクと「ガラス工房焱」さんのガラスペン、九三ながれ。このペンが今のところ、一番持ちやすく、かきやすい。
左右の山と湖の暗い部分は「浮世絵インク」の「北斎錆緑」で描写。空の下地には「ゆらめくインク」の「凍空」と「寒暁」を筆で塗ってからガラスペンで描き込んでいる。
例2:「TEMPEST」
左側半ばから下の青い枠のところは「色彩雫」の「朝顔」を塗ってほぼそのまま。右下の部分は「ゆらめくインク」の「極光」を下地に使用。

 拙い絵はpixivで公開しているので、よろしかったらどうぞ。↓
https://www.pixiv.net/users/14503293

「一軍ガラスペンたち」

 さて、上の写真が私の一軍ガラスペンたちだ。右下に写っている金色の物体は、ガラスペンには向かない真鍮製だが、WACCAさんの筆置きだ。同じデザインの文鎮も持っている。

 いかんいかん、今回の話題はガラスペンだ。話を戻そう。
 私の集めたガラスペンは軸まで一体型のものばかりだから、芸術作品としても美しいものばかりである。

 改めて上の写真のガラスペンの紹介をすると、左から、

1.「ガラス工房まつぼっくりさんの【ツブツブピンク】極細字」

2.「同じくまつぼっくりさんの【ストームグラス】細字」
 (ストームグラスとは寒い日や雨の日にこの中の液体が雪のように結晶化して見えるもの。まつぼっくりさんのガラスペンは軸が中空なので軽く、ペン先の根元の出っ張りで指が止まるので滑りにくくていい)

3.「ガラス工房aunさんの【マーブル】"激"細字!(書くのが恐いほど細い! 0.05ミリのミリペン相当の細さである!)」

4.「同じくaunさんの【手のひらの銀河】中細字。(ペン先が乳白色で軸にオパール入りという豪華仕様。重さが心地よく、書き味も滑らか!)」

5.「ガラス工房焱さんの【九三ながれ】細字(とにかく持ちやすい! 書き味サラサラ! 焱さんのガラスペンは硬質ガラスなので丈夫で摩耗が少ないとか)」

6.「同じく焱さんの【清風】細字(こちらも持ちやすく、重心がちょうどいい。書き味も申し分なし)」

7.「Kemmy's Laboさんの【久保桜ブルーム太軸コルセット】極細字(一番、ペン先が小さいが他のと同じく、ノート一枚をインク一回付けで書ける」

 ……の7本である。ちなみにペン先の太さは工房さんによってEFとかFとか決まっているのだが、ここでは7本の中でどうか? という私の視点で書いている。
 私の場合、絵の線画というか、ペン画に使うことが前提なので、基本的に細字しか狙っていない。
 この中でも書き味が柔らかくて、360度どこで書いても全くザリザリせず、インク持ちも良いのは、1、3、4、5、6である。
 他の2本は方向によってやや引っ掛かりがあるが、ペン画用としてはペン先が滑らなくていいという見方もできる。

 これらのガラスペンの中で、「ガラス工房焱」さんのは3月にオーダーして約一ヶ月で入手したもの。
 他はあっちこっちのアレなサイトで手に入れた。
 どこの工房さんも納期一ヶ月以上か、抽選でしかネット購入は出来ない。私は出不精なのでイベントに乗り込むことはまだ出来ずにいる。

残念だったガラスペン

 このほかに、「残念だがちょっと絵を描くのにはキツイ」と判断したものもある。ガラスペンは手作りのものであり、個別の個性がある。だから私が手にしたものが「たまたま、あまり描き良くなかった」ということもあると思う。であるから、描きにくかったものは一部分伏字で書いておくことにする。
 最初に購入したガラスペンはガラス製品で有名な「HA●○O」さんのコンパクトでシンプルなガラスペンだった。結構まあまあ(一部の工房ものよりは安いが)お高かったし、賞も取ったそうだし、YouTubeで書きやすいという動画も見たので購入したのだ。だが、私には合わなかった。
 何よりも書ける角度と方向がかなり限定されるガラスペンなのである。
 上記の写真の「一軍」のガラスペンは全て、立てても寝かせてもインクが出て、ちゃんと書ける。だが、このペンは立てるとインクが落ちてこない。その上、インクが降りて来ずに書けない方向があり、書いている時もほぼ常に回しながら描かないとインクが途切れてしまうのだ。
 他にも手の大きい私には、このコンパクトで軸細めのガラスペンは非常に持ちにくかったことが合わなかった理由として挙げられる。

 二番目は画材店にあったエル●ンのものだった。有名な会社だし、文具店で手に入るガラスペンの定番である。お値段は「HA●○O」さんの半額以下だ。
 こちらはとりあえず360度どこでも描くことが出来た。立てると書きにくいが、それでも最初に買ったものよりはずっと良かった。
 だが、上の写真の一軍工房もののガラスペンが届くと、このペンの欠点がすぐに分かった。
 ペン先が四角いのだろうと思うが、紙を削るような抵抗があり、書いた線もなんとなく断面が四角っぽいのだ。
 日本製ではないし、値段から想像しても、工房のもののようにペン先の先端を時間をかけ、書き味をみながらヤスリで削って……という工程が甘いのだと思う。
 というわけで、この最初の二本は勿体ないけれども、ほぼお蔵入りとあいなった。

 さて、こうしてもう随分と「絵に使える一級品のガラスペン」が揃ってしまったが、もうひと工房、ガラスペンが欲しい工房さんがある。

 絵を描く際に太さや書き味で使い分けているので、私の場合はこれらのガラスペンを手放すことはないと思う。

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