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僅か1ヶ月で別れた話①経緯編

7月16日、彼女と別れた。具体的にいうとフラれた。付き合った期間は1か月と10日。実に短期間だ。いまここにそれを記そうと思ったのは、その経緯を検討し、反省点を洗い出して、今後の教訓を得たいがためである。感傷に浸りたいとか、自分の気持ちを整理したいとかではない。それでは自己正当化に終わってしまう。前を向きたいのだ。フラれたことでうじうじするのではなく、そこから教訓だけを抽出して成長していくのが正しい道であると以前鬱になったときに悟った。こんなことを書こうとしている時点で相当精神が病んでいるのは認識している。気色悪いことばかり書くので注意。

まず事の顚末から書こう。元彼女Aは職場の同期である。3月に内定者の集まりがあってそこでAを見てから、いい子そうだし器量も良いほうだから狙ってもいいなと思っていた。Aは公務員の専門学校を二年で上がって高卒区分で入ったから二歳年下。実家から通っており、通勤の電車は途中から自分と同じ。ちょくちょく朝や帰りに一緒になることがあり、自分は積極的に話しかけていた。このとき感触は良くも悪くもない、ただ同期の一人として接せられているという感じだった。4月中旬から1か月間あった研修中はさほど距離を詰められなかったが、研修後半の一週間の集合研修中に、自分が体調を崩して頭痛薬をAからもらったりLINEで心配してもらえたりしてから手ごたえを感じ始めていた。実は本庁でのリモート研修中に好きになり、研修が終わってからアタックしていこうと計画していた。研修中に付き合ったら同期にバレかねないし気まずいからだ。

研修が終わったのが5月20日、初めて食事に誘ったのが同月29日。27日金曜日の通勤時一緒になった時に、LINEで紹介していた台湾料理店の豚骨台湾ラーメンを、今度食べにいこうと誘ったら「いくか!」と快諾された。この時はこれはいけると思っていて勤務中、頭の中がAのことで占められていた。翌28日にLINEで誘うと今日は別の用事があるから無理ということで、やっぱりだめかなと思っていたら、空いている日を聞かれ、翌日曜が空いていると言うと日曜日で承諾してくれた。例の台湾料理店はA宅のすぐ近くにあるから、自分が車で迎えに行った。Aは緊張しているのか、自分からはあまり話さなかった。ラーメンは美味しいと言ってくれた。実はこの時初めてマスクを取ったAの顔を見たのだが、かなり想像との隔絶があった。好きで誘ったが、本当に好きだったっけ?となった。それでも作戦していた通り、この後某市内の池、城跡、寺社等を巡るウォーキングコース約9kmを歩かないか誘うと、なんと行くと言ってくれた。歩いている途中、話すネタは渇々だったが、自分の蘊蓄をひけらかし続けた。Aの自宅近くのコンビニで降ろした後、反応はよくなかったからこれはやっぱりだめかな、しかも自分も相手に対する気持ちがわからなくなったし、と思っていたとき、LINEで「今日は運転ありがとう ラーメン凄い美味しかったから行きつけになりそう笑 いっぱい歩いたけどいろいろ話せて楽しかった!○○三山制覇だね👍」「また遊びに行こうね!」と来た。うわー、自分はAの素顔を見てちょっと心が離れかけていたけれど、こんなこと言われると嬉しいけど申し訳ないな、でも愛らしいなと非常に下衆く思った(自分はやはり顔で異性を選んでいたのかと自分に失望した)。というかこんな知識を自慢しまくっても好意を持ってくれるのか、これでいけるもんなのかとも思った。それからの一週間は朝・帰りかなりの頻度で一緒、一緒になれなかったときはLINEで会話するという幸せな毎日が続いた。

その週の日曜日また遊びに誘い、今度は別の某市内の池、沼、寺社、公園、記念館等を回った。昼は別の台湾料理店の台湾味噌ラーメン。一緒に歩いて回っている間、距離が近くこれは脈ありだと確信した。そして帰り国道バイパスに乗っているときに「俺Aのこと好きだから付き合ってくれん?」と告白すると、「えっ」の後しばらくの沈黙があった後「いいよ」と返ってきた。この「えっ」の後の数秒間に様々な考えが頭の中を駆け巡った。絶対にいけるという確信をもって告ったのに「友達じゃだめ?」とか来ないか、「別に好きではないけどここで断ったら帰りの車とか今後職場できまずくなっちゃうからとりあえずオーケーしておこう」という計算が働いているのかとか。これについて後日問うたことがあるが、正直言って今でも真相はわからない。実はこの日以降、厳密に言うと告白して以降、それ以前より心なしかAが自分に対して前ほど秋風を送ってこなくなったように薄々感じていた。

6月10日金曜日の夜、仕事終わり居酒屋に一緒に飲みに行った(食べ飲み放題)。このときもAの素顔を見てあれ、と思ったが、そんなことは性格でカバーしてくれるから気にならない。Aとは好意を抱かれていると確信していた時期も、実際話すとそこまでウキウキしゃべってくれる様子はなかったので、この日、そしてそれ以降会って会話するときそこまで手ごたえを感じなくても、それは照れているだけだろうと思うことにした。
12日日曜日はAの運転で、博物館、明治から現存する橋等を回った。博物館内を回っているときの距離は近かったが、外を歩く時の距離は少し感じた。それも人目を憚っているからだろうとその時は思うことにした。この時初めて一緒にツーショットの写真を二か所で撮った。「撮るか」と呼びかけると「撮ろ!」と快い返事はあった。
翌週は、国家公務員総合職採用での某省への官庁訪問(採用面接)をその次の水曜日に控えていたこともあって、自分から土日の誘いはしなかった。もし自分が某省から内定をもらってそこに勤務地を移すとしたらAと離れ離れになってしまう。それを伝えると、「それは私も思ったが後悔して欲しくないから挑戦しな」みたいなことを言ってくれた。しかしこの時もさほどこの件について気にかけてくれるような感じはなかった。結局職場の都合を優先して官庁訪問二回目以降はキャンセルしてしまったが、その分その次の週は遊ぶことができた。
26日日曜日がAとの最後のデートになることをこの時はまだ知らない。またAの運転で、某市内の寺社を巡った。行き先は全て自分が決定しているが、Aは文句を言わない。聞いてみると寺社巡りも好きだからいいと言う。最後に温泉に行くことも誘ったが快諾してくれた。その後某鉄道の駅についているショッピングモールに、自分は風呂上りのTシャツ・ハーパンという極めてラフな服装でいったが、全然いいと言ってくれた。そこで買ったお菓子を車の中で分け合って食べた。なかなか車を発進させないので、できるだけ長い時間を自分と過ごしたいのかなとか思ってしまった。お互い帰宅してからLINEでお礼をいうのがお約束みたいになっていたので、この時もひけらかしてくる蘊蓄が鬱陶しいかどうか聞いたが、「その逆で知識増えた感じがして楽しい」と言ってくれた。

Aの自分に対する好意の存否に疑念を抱き始めたのが7月に入ってすぐだ。いや6月の最終週か。Aの部署はさほど忙しくないはずなのに、Aの残業で帰りに一緒になれないことが多くなった。毎日仕事上がりにAに定時に上がれているかどうか尋ねていた。自分はAに会えなくて寂しいことをさかんに伝えているが、Aは全くそういうことは言ってこない。残業で一緒になれないこと自体はしかたがないと思えるが、全く寂しがる素振りを見せないことが怪しかった。この週は結局二日しか一緒に帰れなかった(一日は自分の有給、一日は自分の残業)。朝は大体一緒に通勤出来ていたが。そしてこの週末は用事があるとかで一緒に遊べないと言われた。理由は言わなかったのであえて追及はしなかったが、疑いに拍車が掛かった。その来週は空いているか聞くといけるというのでまだ一縷の望みはあったが、今度は自分が母校の高校の野球応援に行くという用事ができてしまい、そのことをLINEで伝えると「そうなんか!」「野球応援頑張ってね✊」とだけ来た。この時「K球場(※Aの自宅のすぐそば)だからひまだったら見に来て笑」と付け加えていたのだが、それはスルーされた。もうかなりこれは愛想尽かされているなと感じた。

次週(7月4~8日)は、帰り上がる時刻が違ってもお互いの努力で一緒に帰れることが複数回(水木金)あった。しかし、一緒になれない日、やはりAは全く寂しがってくれないし、Aが1本遅い電車に乗っていると考えられる時間もLINEの返信が全く返ってこないし、トークも少しも長続きしない。5日は1か月記念なのに、そのことを朝一緒になったときに言うと「そういやそうだね」としか返ってこなかった。もう直接Aの気持ちを確かめよう、具体的には「俺はAのこと今でも好きだけど、Aは俺のこと好きじゃないよね?」みたいなことを面と向かって言おうとした。その場を設けるために一度は金曜の夜食事に行こうと誘って概ねの了承を得たが、木曜日になって同部署の係長がコロナ陽性になったからやめたほうがいいかもしれないと言われ、おじゃんになった。同部署の係長がたとえコロナでも、本当に好きならそんなことは気にせずに行くところだ。金曜日の帰り一緒になったが、菊川駅に着く直前で、「聞きにくいこと聞いていい?」と入って、告白されたとき一度「えっ」と言ったが、あれはそこで断ったら気まずくなっちゃうからOKしたのかと聞くと、「違うよ」と返ってきた。続けて「もう俺に愛想尽きちゃった?」と聞くと「そんなことない」と返ってきた。その後Aは何か思うことがあるように真剣な顔で正面の虚空を見つめていたが何も言葉を発さなかった。自分は「2週連続で会えなかったから不安になっちゃった」と気まずさの緩和を試みた。自分はほんの少しだけ安心し、夏の休暇を某日から始まる週で取ったから合わせて取って一緒にどこかに行こうというようなことを言った。Aはコロナの係長が復帰してから相談しないとわからないと言った。全然はかばかしくない返事だ。帰り際に「じゃ、お疲れ」と言った時、いつもならちゃんと返してくれるが、この時は神妙な顔をしながら何も言ってくれなかったように捉えられた。土日、自分は野球応援に行って楽しんだが、Aとは全くやり取りをしなかった。最近LINEでは自分から話しかけてばかりだが、ここでAから何もなかったらもうそういうことだろうと腹をくくっていた。

その次の週(7月11~15日)は本当に散々だった。まず月曜朝電車に乗れなかったとかで一本遅いものに乗られた。しかも告知なし。事前に言ったら一緒の電車に乗られてしまうからであることは明らかだ。その日の帰りも一緒になれなかったが、ちょうど47分S駅発の電車(これに乗らないと自分が乗るバスが50分後になる)に間に合わないような時間帯に「今でた😢」とLINEが来た。完全に避けられている。火曜は勤務前にやらないといけない仕事があるからとかいう理由で朝は一本早い電車に乗られ、帰りは「今日は寄りたいとこあるんよー」との理由で一緒になれなかった。その後「明日は一緒に帰ろ」とだけ来た。しかし水曜は朝こそ一緒になったものの、退庁時刻に「やばい」「今日も定時であがれんかも」と来て、ちょうど47分の電車に乗れない時間帯の41分に「今でた😢」と来た。思い切って最近忙しいのか聞くと「係長がいないからってのもあると思う」のみ。この週は序盤から「俺はAのこと好きだけど、Aは俺と別れたい?」話を持ち掛けるために、今週末空いているか問うてみていたが、妹の部活の送迎をしているとかで、最後まで「聞いてみないとわからない」という回答しか返ってこなかった。金曜の夜同期の飲み会があったので、その前に別れてしまうとさすがに席で気まずすぎるということで週末を狙ったのだが、どうせ気まずいのだからもっと早い段階で別れ話を持ち掛けておくべきだった。木曜の朝は一緒になれたが、やはり会話をしていても反応がよろしくない。その日もやはりAは帰りを遅らせて来たが、ちょうど自分も残業して遅くなっていて駅付きのショッピングモールで買い物をしており、乗る電車の時刻は伝えてくれたので、本当に間一髪で間に合わせた。ぎりぎりのところで伝えてくるあたり絶対避けようとしている。一度嘘をついて乗れなかったと伝えると「私乗れちゃった(‘Д’)」みたいに来て、観念して本当は乗れたことを伝えた。実はこのときAの真後ろにいて、Aが電車でスマホをいじっていないか、いじっていながら自分への返信を先延ばしにしていないか確かめてやろうという魂胆があった。乗れてしまったことを伝えたから「まじか!」「え、同じとこいる?」と来てとうとう後ろにいることを明かしてしまった。この電車内でした会話も、豆腐に鎹、糠に釘、暖簾に腕押しといった感じの反応だった。明らかに以前のそれとは違っている。このときも週末いけるかまだ家族に確認していないという返事しかなかった。金曜の朝また「一本早い電車乗ったー」と事前連絡なしに来て、理由を問うと「パソコンのセッティングしなきゃいけない」と。いつもの電車でさえかなり早めなのに、それよりさらに一本早い電車に乗る必要があるわけがない。さすがにこたえた。あからさまに避けられているからこれは好きではないレべルではなく嫌いにまで達している。もう会いたくもないし顔も見たくもないのだ。この時点でそれを悟ればよかったが、気づいたのはフラれて振り返った後。金曜の同期の飲み会ではAと全く会話をしなかった。目も合わない。飲み会中は食べ飲み放題なので暴飲暴食したが、あまりみんなの話には入っていけなかった。

飲み会終わりの夜、LINEで同期の一人のたわいもない噂話をこちらからしたが空返事しかなかった(最後は「そうなんだ」以上)。「で月曜日はどうかね」と尋ねると返信は途絶え、次の日の午前5時31分に「そう、その事で話したいことがあって、、」「1人で考えて結果出して急で申し訳ないけど、恋人関係解消したい。」「M君のこと人として好きだけど、それって恋愛感情でって意味ではないなって時間が経って思ったの。 こんな中途半端な気持ちじゃ申し訳ないし、私が気持ち悪いから、別れたい、です」「LINEで伝えるのもどうかと思ったけど、直接話すと言葉が上手く纏まりそうにないからLINEで伝えました。こんな人間でごめん」と来た。これを朝起きた瞬間に読んだが、この時の心は「やっぱりそうきたか」という気持ちが大半と、ワンチャン夢ではないかという現実受入拒否が0.1%くらい。茫然自失としてとりあえず二度寝した。「いやめっちゃ勘付いてて、それを今週末会って話そうとしたから、めっちゃしつこく誘ったんだけど笑 やっぱそうだったよね😭」「それを先週の金曜日電車の中のあのタイミングで言ってくれよ」「別れ、承諾」と返信した。その後、勤務中の暇に一太郎で書いた随筆を印刷したもの(別稿)の一部(見せられる部分だけ)を送信すると、「すごい悩ませててごめん🙇‍ ちゃんと先週伝えるべきだったよね。」と来た。もう自分と会話するのもいやなのだろうと悟り、メッセージにリアクションスタンプだけ押して終わった。最後の最後まで未練がましく気色悪いことをしたなあ。

②へ続く

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