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漫画業界の仕事の話

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漫画原作が多くなる単純な理由

漫画原作が多くなる単純な理由

ここ10数年、ドラマも映画も舞台も「漫画」を原作とした作品が多く、それについて作品のファンは「なんでもかんでも実写化か」と憤慨し、それを制作する現場の人たちも、「連載中の雑誌社が広告を担ってくれるからなんだろうな」とか「元からファンがいるもののほうが企画が楽なんだろうな」などと大人の事情をあれこれ考えてみたりしながら、おおむねあまりポジティブには感じていない印象です。

「なんで各プロデューサーは

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マネージャーの仕事とは?

マネージャーの仕事とは?

「その世界」に行ったまま、
「その人物」のことを考えたまま、心が現実に戻ってこれないー。

魅力的な作品にはそういう力がありますね。

そこには、憧れのサクセスストーリーや、純愛や友情、

なにより魅力的なキャラクターたちがいる。

漫画家は、

映画でいえば、監督であり、脚本家であり、撮影から編集までやるカメラマン。

それらすべてを兼任して「その世界」「その人物」を生み出します。

彼らは、イ

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漫画業界にルールはない?

大前提として。

漫画家と、その作品と、出版社、編集部、編集者との関係とルールは、
 
正直言って「これが常識」というのはないんだと思います。
 
私から見ると、世間のビジネスが、

9割の原則をもとに、1割のイレギュラーに対応して成立しているとしたら、

漫画業界は1割の原則をもとに、9割が作家・作品、雑誌に合わせた個別対応。

同じ作家に対してだって、編集者、編集長、出版社の裁量で待遇が変わり

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漫画家が一番すごい?

漫画家が一番すごい?

ミリオンセラーをたくさん出されたミュージシャンの方や小説家の方が、

「漫画家の締切が一番大変」
とよく言われます。



「漫画は毎月の締切に合わせて、

一定のクオリティをキープして生産し続けなければならないでしょう?

安産のときもあれば、難産のときもあるのに、

最終話まで出来上がるまで待ってはもらえない。

それが一番すごい。絶対真似できないよ」と。



例えば、

村上春樹さんの

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