漫画業界にルールはない?

大前提として。

漫画家と、その作品と、出版社、編集部、編集者との関係とルールは、
 
正直言って「これが常識」というのはないんだと思います。
 
私から見ると、世間のビジネスが、

9割の原則をもとに、1割のイレギュラーに対応して成立しているとしたら、

漫画業界は1割の原則をもとに、9割が作家・作品、雑誌に合わせた個別対応。

同じ作家に対してだって、編集者、編集長、出版社の裁量で待遇が変わります。

 
最も揺るぎないと思われがちな、
 
「印税率は販売価格の10%」
 
それすら、そうでないケースが前例としてあると聞いています。

それぐらいに、ルールはあるようで、絶対なものはない。

 
ですから、ネットやtwitterなどのSNSが普及して、

作家同士が個々に、密にやりとりができるようになった昨今、

AさんとBさんが情報交換をし、

「え、そんな高待遇(または冷遇)あるの?」となったとしても、

その2人の知っていること、経験してきたことも、

業界の一角での一例でしかないんです。

 
つまり、情報交換をすればするほど、未知のケースが出てきて、

日頃から家にこもって仕事をする生活の作家さんにしてみれば、

自分は損をしていないか?と、ただただ不安を感じてしまう。

そういう傾向が否めません。

 
少しでもそういう不安を解消するためにも、

なるべく多くの前例や情報を、前述の大前提をふまえた上で観察し、

自分の作品を守るための最低限の知識だけは、

作家さん自身も身につけていくべきではないかと思っています。

それが、このブログを始めてみようと思ったきっかけのひとつです。

 
ルールではなく、判断基準がひとつあるとしたら、

出版社的には「売れるんだったら(その条件でいい)」かもしれません。

作家的には「描かせていただけるんだったら(その条件でいい)」でしょうか。 

当人同士が作品作りに対してのニーズを満たし合っていれば、

細かい条件は二の次になるものなのかもしれませんね。

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