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20代オタクが考える、スパロボに同年代の新規を呼び込む方法

スーパーロボット大戦シリーズ、略してスパロボの新作である『スーパーロボット大戦30』の発売まで、あと2ヶ月弱。

…しかし、同年代で話題になっているのをあまり見たことがないです。個人的にはけっこう楽しみなのに。

Twitterなどでも、話題にしているのはだいたい自分よりひとまわり年齢層の高い30代男性と思しきアカウントがほとんどです。でも10〜20代が一番ゲームやる年代っぽいですよね。多分。

しかし、実際スパロボシリーズのプロデューサーである寺田Pのインタビューによると、プレイしている年齢層のピークは30代前半だとか。

寺田氏:
 アンケートのサンプルからの統計だと,年齢は30代前半がピークゾーンです。男女比は圧倒的に男性の割合が多くて95%を占めています。

自分は「スパロボ大好き!新作全部買う!」というわけではなく、作品によっては買うこともある、というレベルなのですが、楽しみにしている作品を同年代と語れないのは悲しいです。

…というわけで、今の20代から見たスパロボと、ユーザー増加にはどうすればいいか、ちょっと考えてみようと思います。

もちろん1プレイヤーの意見になりますし、あくまで20代目線での考察で他の世代の意見についてはあまり考慮しておりませんので、ご承知おきください。

スパロボのプレイ歴

まず自己紹介として、自分のスパロボプレイ歴から書き出してみます。別に読み飛ばしても大丈夫です。

・スーパーロボット大戦L
・スーパーロボット大戦UX
・第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇
・第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇
・第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇
・スーパーロボット大戦X

こうして見ると少ないですね。

ウィンキー時代からの歴戦プレイヤーには鼻で笑われそうですし、そもそもZシリーズの最初と最後だけやってないとか、直近の三部作も真ん中だけ摘んでるとか、ツッコミどころあると思いますが、内容によって買うか買わないか決める層の意見ということでご容赦ください。
むしろマーケティング的には一番大事ですよね、この層。
ただ、買った作品は必ず2〜3周するくらいには遊んでます。

初スパロボはLになります。
当時高校生の自分が好きなロボットアニメだったガンダムSEED、マクロスF、新劇場版ヱヴァがクロスオーバーするゲームということで、なけなしのお小遣いで買った記憶。ニーサン。
後に参戦作品の傾向が似ているUXもプレイしましたが、これがめちゃくちゃ面白くてファフナー沼にハマるきっかけになったりもしました。なんかサーバインが隠しみたいなデマあった気がする。

Zシリーズについては1作目時点ではあまりスパロボに興味を持っていなかったのですが、第2次でのW、SEED、00、アクエリオン、グレンラガン、マクロスFというラインナップに惹かれ購入。破界篇再世篇ともに3周プレイ。
ただ、予約してまで購入した時獄篇が思ったよりプレイが進まず(理由は割愛)、2周目の中途半端な時期に天獄篇が発売してしまったことで気づけば連獄篇の入手が不可能になり、そのまま萎えて積んでしまった過去があります。

VXTについてはZシリーズの経緯もありプレイしていなかったのですが、30発売決定をきっかけにXをプレイしました。
Xをチョイスした理由としては、比較的好みの作品が多かったからです。
オリジナル勢の魅力が薄い印象はありましたが、かなりサクサクプレイできたので快適にストーリーを楽しめました。天元突破無双楽しい。

20代にとってのロボットアニメ

思い返してみると、やはり購入の理由になるのはやはり参戦作品の影響が大きかった印象があります。

そこで、今の20代が惹かれる作品について考察してみます。

今の20代(90〜00年生まれ頃)というと、ちょうど幼少期に勇者シリーズの放送が無くなった層なんですよね。
なので、ロボといえばスーパー戦隊!という時期を卒業してしまうと、少年向けのロボットアニメは強力なものが少なかった?印象です。
自分の場合で覚えているのはビーストウォーズ、ヒカリアンなどですね。ちなみに勇者シリーズはゴルドラン〜ガオガイガーあたりを児童誌で知っている程度でした。

一方で小学生〜中学生頃の2000年代では、アニメ文化が急成長したこともあって、SEED、00、グレンラガン、マクロスF、ギアス、エウレカなどのロボットアニメは大人気でしたし、新劇場版に合わせてエヴァも強かったですね。
ロボット興味なさそうな友人でもこの辺は何本か見てました。
自分はこれらが参戦した作品に強い興味を持ったことでスパロボデビューしました。
ただ、この辺りの作品がまとめて参戦したのが『「第2次」Z』という、タイトルだけで新規が敬遠しそうな作品だったのは惜しかったような気がします。

しかし高校生〜大学生頃の2010年代になると、けいおんやまどかマギカのヒットに始まり、デレマス人気やラブライブの人気爆発によってアニメ人気の傾向はロボットアニメから女の子集団もの、もっと言うとアイドル系のアニメに大きく動いた印象です。

この流れは2021年現在も続いていて、おそらく現代オタクの多くは推しの素敵なイラストのためにガチャをぶん回すのに忙しいことでしょう。

もちろん面白いロボットアニメはたくさんあったのですが、ロボットアニメオタクにウケていても、「ガンダムより人気で、アニメオタクがこぞって見ていた」というレベルのタイトルはほぼ無かったのではないでしょうか。

20代にウケそうな参戦作品

20代のロボットアニメの歴史を振り返ってみたところで、スパロボ参戦したら強く購買理由になりそうな作品を何本か考えてみたいと思います。
ポイントとしては、やはり20代が強く思い入れがあるかどうか。

SSSS.GRIDMAN

もう参戦しているが、近年の1クールメカもの(?)で一番広い層に訴求できそうと思ってる作品。個人的に30を楽しみにしてるのもこの作品の影響が大きい。
原作が特撮番組なので、手いこと行けば声質の似ている特撮オタクも引き込める可能性も秘めているかも。20代の幼少期と合致するかは置いておいて。

実質的な続編でもあるSSSS.DYNAZENONを絡めたシリーズ展開も今後予定されているようで、数年にわたってスパロボを盛り上げてくれそうな安心感もある。(フルパワーとカイゼルの合体攻撃あったらそれだけで買いますとも)

お約束のロボットじゃないじゃんツッコミも古参ファンは気にするかもしれないが、若年層においてはそれほど気にしている雰囲気はなさそう?

懸念ポイントとしては、残念ながら作品人気の多くをグリッドマンではなく六花&アカネのダブルヒロインが占めており、その2人がロボに戦うわけではないこと。
スパロボはロボが戦うゲームなので、非戦闘員はどうしてもゲーム内で活躍させづらい。
30でここにフォローがあるかどうかは注目ポイント。

あ、六花もスパロボオリジナルのアシストウェポンに変身したらいいんじゃないでしょうか(適当)

蒼穹のファフナー EXODUS/THE BEYOND

作品のクオリティに妥協しなかった結果、なんだかんだ20年近く続いて長寿コンテンツに片足突っ込んでるファフナー。
今年公開のBEYOND最終話を最終章と銘打っており、ようやく完結するらしい。
20代である筆者のロボットアニメ人生はファフナーと共にあったと言っても過言ではあったりなかったりする。

第2クールEXODUS以降がスパロボ未参戦なのが不思議なくらいの人気であり、特にTHE BEYONDの主役機マークニヒトは、ROBOT魂が5倍くらいのプレミア価格になったり、プラモデルの商品化希望アンケートで全ロボットの中で1位になったりしている。

女性人気も非常に高いのもポイントで、上手くキャラを扱えればそっちの需要もありそう。よく考えたら美少年ものなのにソシャゲがないからむしろ潜在的需要はデカいかもしれない。

ただ、長期シリーズ故に非ロボットアニメオタク層への訴求力は低いと思われる。
各シリーズで作中の時間経過が大きかったりしてシナリオの扱いはなかなか難しい方かもしれない。あとはまだ完結してないので、初参戦ブーストをどのタイミングで切るかは重要ポイント。

ザインとニヒトの合体攻撃ください。

シン・エヴァンゲリオン劇場版

説明不要の覇権ロボットアニメ。監督が認めたから間違いなくロボットアニメ。
興行収入100億は過去のロボットアニメ映画で文句なしで最強であり、復活のルルーシュでも10億くらいだったことを考えると文字通りケタが違う。
Q止まりだった頃と比較すればシナリオもかなり扱いやすいはずなので、今後売りたいシリーズには高頻度で刺さってきそう。
序、破あたりのエヴァでオタクにされた20代、多いのではないだろうか?

劇場版ガンダムSEED

まだ情報がほとんどないので評価のしようがないものの、もしちゃんと公開してちゃんと面白かった場合、原作小説で参戦済みの閃光のハサウェイよりも話題性は高そう。いや何年後の話だよって感じですけど。
近年はアニメ映画がかなり勢いづいているので、興行収入20億くらいはいけそう。
何より今のアラサーがオタクになったのはだいたいSEEDのせいだし(偏見)。
今後スパロボが続くなら、エンドレスワルツのような準レギュラーになる可能性は高い?

新規層獲得にあたっての問題

さて、ここまで20代を引き込めそうな参戦作品について色々書いてきました。
しかし、仮に自分の考察が的確で、仮にこれらの作品が参戦したとしても、新規層をガッチリ獲得とはならないと気がします。

何故かというと、これらの作品は買う理由にはなっても、買わない理由の解消にはならないからです。
30年シリーズを続けてきたことで、スパロボ初プレイのハードル自体が高くなり、買う理由より買わない理由が大きくなっているということです。

以下にいくつか理由とその考察を書いてみます。

●ロボットアニメ絶対数の増加
年々ロボットアニメは作られているので、当然ながら30年前と比べればその作品数は比較にならないほど増加しています。
一作目時点で「20年前にやってた作品」だったマジンガーZも、今や「50年前におじいちゃんが観ていた作品」になりつつあります。

ロボットアニメの作品数は実質的に数倍に膨れ上がる一方、しかし戦闘アニメのHD化に伴う開発工数の増加により、参戦作品を同じペースで増やすことは不可能です。

となれば、できる範囲で作品を揃えたとしても、当然古参からは「なんだよ、○○いないじゃないか」と文句を言われやすくなるし、新規からは「こんなにいっぱいロボットアニメあっても、ほとんど知らないし」と敬遠されやすくなります。

知ってる(好みの)作品があったとしても、その数倍知らない作品が並んでいると、買わない理由になってしまう
わけです。

まして20代=平成生まれなので、80年代以前の昭和ロボアニメは生まれる前の作品。
どんなに名作でも、かなりのオタクでなければ生まれる前の作品をわざわざ観ようとは思いません。だって新しいアニメいっぱいやってるから。
古すぎるアニメがたくさん並んでいたら、むしろ若者が敬遠する理由になりうると思います。

ガンダムはともかく、こんなにアニメが氾濫した現代だとゲッターやマジンガーですら20代以下が積極的に視聴する理由はほぼないですよね?
(ちゃんとリサーチしたわけじゃないので、実はアニメゲッターアークがナウなヤングに大人気だったら本当にごめんなさい)
とはいえ、スパロボユーザーのメイン層はその辺りの作品を欲しているわけです。切り捨てるわけにはいきません。

この問題への回答ですが、世代をある程度フォーカスした作品を作ることでしょうか?

古参プレイヤーへの感謝を込めて昭和の名作群を高クオリティで描く作品、新規獲得のためにアナザーガンダム中心に平成の人気作品を華やかに揃える作品、と言った感じで。
ただ、昭和〜平成初期はともかく近年の作品で固めて売れるかはどれくらい新規層にアプローチできるかに懸かってるので、ある程度博打にはなりそう。

というか書いていて気づいたんですけどこれ任天堂携帯機シリーズでやってたことに近いですね。要はあんな感じです。
参戦作品の世代が広がりすぎて古参と新規両方が満足できないよりはいいと思うんですけど…

あるいは、逆に知らない作品がいっぱいある前提で、むしろゲームを通して作品を知ってもらう窓口としてマーケティングする、というのはどうでしょう?
毎クール大量のアニメとサブスク消費に追われている現代人は、確実に面白いアニメを欲しているわけで、あんまり面白くない作品に当たると損をした、と感じるわけですね。

そこで「ロボットアニメと共に歴史を歩んできたスパロボが太鼓判を押す絶対面白い作品で固めました!このゲーム一本でその全ての作品がなんとなくわかります!」
みたいな。

…でもこれ熱心なファンからしたらめちゃくちゃ嫌ですね。作品への敬意がなさすぎて。やめましょう。

それでは参戦作品関連作品がまとめて視聴できるスパロボサブスクとかあったらどうですかね?
めちゃくちゃ使いそう。発売までのモチベーション維持にもなるし。権利周りがめんどくさかったりするんでしょうか?

●参戦タイムラグ
地味だけど深刻だと思う問題。買わない理由ではないですが、買う理由が弱まります

過去作の傾向から、スパロボ参戦には公開/放送からだいたい2年くらいは必要であり、今のコンテンツの流れる速さからすると2年も経過するとかなり過去のコンテンツになって訴求力が落ちてしまいます。

個人的にアツいグリッドマンも当時の人気と比べればかなり落ちているはずです。
でも今のスパロボも一本作るのに最低1〜2年かかってそうなわけで…

となると速やかに参戦させるためには、確実に売れそうな作品の制作段階から協力を取り付けて、シナリオや武装やカットインをあらかじめ教えてもらい、放送終了後すぐ発売できるように準備…

うーむ。大変そうです。
30にもし何か仕込んであるとすればDLCですね。ダイナゼノン…無理ですかね。

●ジャンル:シミュレーションRPG
これはマーケットの問題なのですが、理解して面白くなるまでに時間がかかりすぎるゲームは敬遠されがちです。
現代人はすっかりガチャ回してポチポチゲー、極論放置ゲーに慣れてしまっているので、アクションRPGはともかく、スパロボのようなたくさん考えることのあるシミュレーションRPGは避けられてもおかしくないです。

ただ、同じシミュレーションRPGである『ファイアーエムブレム風花雪月』のように、近年でも工夫して売れている作品もあるので、スパロボも工夫次第といったところでしょうか?

shoot downやオートプレイのように考えることを減らす取り組みはなされていますが、インターミッションのヤバい情報量はそこまで改善されていないような気がします。あれ結局Zからやってる人向けですよね。

●キャラゲーとしての魅力
スパロボの魅力といえば迫力の戦闘アニメですが、それ以外での会話シーンなどはほぼ立ち絵紙芝居で、昨今のスマホゲームと比較してもやや貧相です。

今売れているコンテンツにはキャラクターの人気が必須だと思っていて、いわゆる「推し」のキャラを応援したり、育てたり、強くしたりするゲームが強いです。
ひょっとしたらゲーム性よりも推しにどれだけ貢げるかの方が大事なんじゃないでしょうか。自分は推しキャラ持たない派ですが。

そういう意味では、スパロボは特定の機体やパイロットに所持リソースをぶっ込んで無双するくらいはできますが、ちょっと要素が弱い気がします。

なので、インターミッションで主人公を版権パイロットと交流を深めることで、非戦闘時の原作イベントがフルボイスで観れるとか、強化パーツ貰えるとか、機体を交換できるようになるとか、隠し機体が解放されるとか、武装の早期解放とか、どうでしょうか。
特定のマップでしか隠し要素のフラグ建てられない仕様より、こっちの方が遊びやすそうな気もします。

喫茶楽園で一騎と総士がフルボイス夫婦漫才してるのを眺められるゲームがあるとか言ったらファフナー女子全員に売れませんかね?無理か。

このあたり、先述の風花雪月は上手くやってそうな印象です。未プレイなんですけど。

まとめ

参戦作品でなんとか釣れないかと考えてはみましたが、なんともそれだけじゃ難しそうな印象です。
ゲームシステムの面から若い層も取り組めるようなシリーズになってもらえたら嬉しい、というのが1ファンの想いです。

ファンとか言って天獄〜Tまでやってない浮気者だろって?
…返す言葉もございません。

スパロボがおっさんゲーなのは分かって遊んでいるのですが、それでも自分のような層が切り捨てられたら当事者としては悲しいですし、それはゲームとして緩やかな衰退にしかならないじゃないですか。
でもわざわざこんな記事を書いてるのは、なろう出身のナイツマ参戦したり、情報初出しがニンテンドーダイレクトだったり、Switch初期ハードに加えたり、なんか若年層を取り込もうとする動きは感じられるからなんですよね。開発の方が見るかどうかは置いておいて、一度思っていることを吐き出したかったんです。

ひとまず30を120%楽しめるように、事前に未視聴のガオガイガーとエルガイム予習してきます。

それではスパロボ30が神ゲーであるのを祈りつつ、今日はこんなところで。

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