「ビジネスと倫理が両立する社会」は実現しうるのか?

昔から思っていることなんですけど、

どうして「良いことをしてる人が儲けられるわけではない」のでしょう?

僕は小さい時から正義感が強いのか、「正直者が馬鹿を見る」ようなことは嫌いでした。

小学校の時には先生の目を盗んでコソコソとズルをする奴はクソくらえと思っていたし、運動会のソーラン節のために家で毎日4時間も自主練してみんなより上手くなったのに、先生に「踊りが上手すぎて周りの子から目立つから、そんなに頑張らなくていいよ」って言われた時はあまりに理不尽で先生を信用できなくなりました。

中学生・高校生になってからは、小学校の頃よりも社会が見えてきて、世の中には悪いことをしてお金儲けをしてる人がいる一方で、自己犠牲をしてまで社会課題を解決しようとしている人もいることを知りました。

大学に入ると、自分は努力をして名の知れた大学に入ることができたので、どちらかというと「社会で得をする側」になりました。でも結局のところ「大学名」で人格を判断されることが多く、「自分のこれまで積み重ねてきた努力」とか「自分が実際にやってきたこと・これからやりたいこと」で判断してもらえないことに違和感がずっとありました。

確かに「結果が大事」なのはその通りなのですが、
「社会に対して良い影響を及ぼそうとしている人」とか
「人に感謝されるようなことをたくさんしている人」とか
「他の人よりももっと努力を積み重ねている人」が
もっと評価されるような、そしてもっと得をするような社会が実現すればいいのにと思って生きてきました。

良いことをして得をするならみんな良いことをしようと思うでしょう。
でも現実は、悪いことをしても得ができるから、悪いことして得しようと思う人が出てくるわけです。

そんなこんなで僕は表題のような
「ビジネスと倫理が両立する社会は実現しうるのか?」
について考え始めたわけです。

でも考えているうちに気づいたんですね。

「できるかできないか」考えても何も社会は変わらない。
まず、「やるかやらないか」だと。

だったら、やる。


だから今、僕はそのような世界を実現しようとしています。

自分の専門分野が獣医学で、闇の深いペット社会をもっと良い世界に変えたいと常に思ってきたので、そこから始めていきます。

でもこのモデルはペット社会に限らず、様々な社会課題を抱える分野において適応するモデルだと思っているので、そのような流れが各業界に起こっていけば良いなと思って、この記事を書いています。


ではここからは、僕らが実現しようとしている社会と、その手段についてお話ししていきたいと思います。

僕たちがそのような社会を実現しようとして提供しようとしているサービスが「parnovi (ぱるのび)」です。

parnoviは「評価経済×トークンエコノミーを基盤としたペット系口コミ情報プラットフォーム」です。日本全国のペット関連サービス/店舗(ペットショップ・おもちゃ・ペットホテル・獣医etc)の検索・店舗情報や過去の利用ユーザーによる評価/口コミの閲覧ができます。実際にサービス/店舗を利用後は評価/レビュー投稿をすることで独自通貨(トークン=ポイントのようなもの)を受け取り、その独自通貨をまた別のペット系サービス・プロダクトに対して利用することができます。

簡単に言うと「食べログのペットサービス版」です。ただ、レビューを投稿すると「トークン」と呼ばれるポイントを獲得することができ、それを次のペットサービスの支払いに使うことができます!

名前の「parnovi (ぱるのび)」は造語で、ラテン語でparは「相棒、平等、パートナー」、noviは「理解して受け入れること」の意味です。我々の相棒であるペットのことをもっとよく知り、日本の動物リテラシーを向上させるという思いが込められています。

ここからは

1. どのような課題を解決したいのか
2. どうやって解決するのか
3. どのような社会を実現したいのか

という3点に沿って事業紹介をしていこうと思います。


1. どのような課題を解決したいのか

ペット社会には、殺処分・劣悪な繁殖流通・しつけ問題・ペットを連れてお出かけできない….などなど様々な社会課題が存在します。

そのような社会課題の根本を辿っていくと

・ 日本人の動物リテラシーが低いこと
・ 属人的な努力にペット社会が依存していること

の大きく2つの問題が全ての課題に繋がっていると思っています。

以下、ひとつずつ取り上げていきます。

まず、「日本人の動物リテラシーが低いこと」についてです。

ペット社会の数々の社会問題は、すべて日本人の動物リテラシーが低いことに起因するといっても過言ではありません。殺処分や飼育放棄も、根本的なことを考えると「捨てること」よりも「知らないで飼うこと」の方が問題であると言えます。「動物リテラシーが低い」は言い換えると「動物に対するイメージ・知識と現実に乖離がある」状態だと言えます。

例えば、「宅配員さんがくると犬が吠えるのが止まらない」のようなペットの問題行動を取り上げてみましょう。この場合、そもそもよく考えてみれば犬にとって「吠える」という行動は当たり前のはずなのに、人間社会では「問題である」とみなされてしまうわけです。でもそれって、人間側が「いつ吠えるのか」「吠えた時にはどう対処したらいいのか」「吠えないようにするにはどうしつけたらいいのか」を“知らない”から問題になってしまうのです。もしそれを知っていたら、全く同じ現象が起こったとしても問題にはならないと思います。

この「日本人の動物リテラシーが低いこと」はペット社会を取り巻く、飼い主側の問題です。

ひとつめの「日本人の動物リテラシーが低いこと」を改善しようと活動している個人や団体は数え切れないほどあります。たくさんのNPOが啓蒙活動を行ったり、メディアで発信しています。その活動はとても素晴らしく、これからも継続していかなければいけません。しかし、その多くが「その人/団体がいるからどうにかなっている」状態、すなわち継続性・ビジネス性がなく、個人や団体の自己犠牲の上に成り立つ努力に依存しているケースがほとんどです。 “その人”が自分の利益を顧みず、貯金を切り崩してまで数十の命を引き取って育てているからその命が救われているわけです。逆に言えば、その人やその団体が、病気や経営難でうまく回らなくなってしまえばそれでおしまい。

また、ペット社会のあらゆる問題は繋がり合っているのに、各個人や団体の活動はひとつひとつの問題の対症療法的な対処に追われるばかりで根本的解決になかなか至りません。社会全体の問題として、社会システム自体を変え、ごそっと全体を解決しなければいけません。この「ペット社会が属人的な努力に依存していること」はペット社会を取り巻く、従事者側の問題です。

2. どうやって解決するのか

では、これらのペット業界の課題をどのように解決していけるのでしょうか。

1. 評価経済×トークンエコノミーによる自律的な経済圏の樹立
2. デザインによる潜在的な意識改革
3. 全ての情報を集約した情報プラットフォーム

僕らはこの3つの特徴を持った、1つのサービスを作ることで、長期的に見た社会システムの根本的解決を測ります。

1つめの特徴は「評価経済×トークンエコノミーによる自律的な経済圏の樹立」です。

まず、「評価経済」や「トークンエコノミー」についてあまりご存知ない方はこちらのnoteをお読みください。

上の記事で述べたのは、

「評価経済」とは「“他人からの評価”を仲介として、モノ・サービス・お金が交換される社会」のことであり、
「トークンエコノミー」では「これまで貨幣で価格をつけることのできなかった価値を定量化して流通の仕方を定義することができる」ということでした。

これが僕がどうしてペット社会にトークンエコノミーを持ち込みたいかの理由です。

ペット社会において、

「良い人・店・企業が得をして、悪い人・店・企業が改善/淘汰されていく」ようなエコシステムを自然と形成し、誰に依存することもなく自律的に回り続ける

ことを実現したいからです。

「1. どのような課題を解決したいのか」のパートで述べた通り、これまでペット社会ではお金を儲けるスキルがある人・社会の裏を握っている人が儲け、社会貢献をしている人・自己犠牲で命を救っている人は儲けることはできませんでした。

つまり、ペット社会の大部分は「倫理を犠牲にしてお金儲けする」か「お金儲けを犠牲にして倫理を守る」の「ビジネスと倫理の二項対立」の狭間でもがき続けてきました。僕はこの根底を覆し、「倫理的に正しいことをしている人がお金儲けできる」という「ビジネスと倫理の両立」を実現させます。

では、どのように両立させるかですが、

ユーザーは自分がトークンをもらえるというインセンティブで評価/レビューを書きます。自分のレビューが他のユーザーから“ためになった”と高評価を得るほど報酬が増える設計なので、良質なレビューを書こうとするインセンティブが働きます。自分のメリットを求めて行動するわけです。

一方、店舗側は顧客動線を確保できたりマーケティングデータを得られる一方で、“ユーザーに評価される”ため、自分の売り上げを上げるためには“自分の評価を上げ”なければいけません。そのためには“ユーザーに良質なサービスを提供し”なければいけないので、悪いことをしたり、テキトーなサービスを提供してはいられなくなります。自分のメリットを求めているのに、巡り巡って良いことをしなければいけないわけです。

このように、「みんなが自分のメリットを求めて行動しているのに、なぜか社会はどんどん良くなっていく」という「ビジネスと倫理が両立した社会」をこのサービスを中心としてペット社会に築いていきます。

繰り返し言いますが、自分が獣医学科なのでペット社会という切り口で始めていますが、この動きはありとあらゆる社会課題を抱える分野において言えることだと思いますし。様々な分野でこのような考えが広がれば良いなと思っています。

(トークンエコノミー・ブロックチェーンを使わなければいけない理由はよく議論されるところですが、業界的な側面からここに明示することはできません。直接聞いてもらえればお答えできると思います。)


2つめの特徴は「デザインによる潜在的な意識改革」です。

まず前提として、僕はあまり「啓蒙活動」が好きではありません。

もちろん、啓蒙活動は「リテラシーの向上」のためにはなければならない活動ですし、その社会的意義はとても大きいです。そのため、これからも継続していく必要があるとは思っています。

しかし、「啓蒙活動を続けているだけ」では社会は変わらないと思っています。

結局のところ、啓蒙活動って「伝えたい側のパッション」にすぎず、「伝えられる側のニーズ」には答えていないケースが多いです。確かに、伝えるべき事実を伝える側のパッションを込めて伝えることは大切で、それにより共感を得られるケースは多いのですが、それでアクションまで引き起こすのにはかなり大きな障壁があり、大きなコストを要します。本質的にはメディアも「メディア・ライター側の伝えたいことの一方的な発信」であり、興味関心のある読者にしか見てもらえません。そのため「より多くの人に見てもらう(PV数を上げる)ために、検索頻度の高いワードを使う」など手段と目的が本末転倒なやり方になりかねません。

それから、もっとうまいやり方はないものだろうかと常に考えていました。

「もっとうまいやり方」というのは「伝えられる側が、内発的なインセンティブで自分から啓蒙“されにくる”ようなやり方」という意味です。

そして、2つの答えにたどり着きました。

ひとつめは「インセンティブをデザインする」こと。
このサービスに関して言えば、「ユーザーが利用店舗やサービスを事後評価する、その“評価項目”をうまくデザインする」ことです。

ユーザーは自分が評価するとトークン(ポイント)をもらうことができ、次の店舗・サービスにそれを利用することができるので、自分が得をするというインセンティブで評価を行います。そのため、「“評価する”ことによってリテラシーが向上する」ことさえ実現できれば、「伝えられる側が、内発的なインセンティブで自分から啓蒙“されにくる”ようなやり方」を確立できるのではないかと思うのです。

では、「“評価項目”をうまくデザインする」って結局どうやるのかよくわからないと思うので、具体例を挙げましょう。

例えば、ペットショップの評価項目に
「そのペットショップでは、子犬が“どんな親犬から生まれたか”が明示されていましたか?」
という項目があれば、メディアや啓蒙で「どんな親から生まれたかわかる店から買いましょう!」など言わずとも「あ、子犬の親がわかる店って、わからない店よりも良い店なんだな」って無意識に判別がつくようになります。
このように、社会的に良いことが高く評価されるような項目をうまくデザインすることでユーザーの動物リテラシーの向上を図ることができると思っています。
(確かに「良い」とはなにかという定義から始めなければならず、かつ一般ユーザーには「評価にはリテラシー向上の目的もある」ということを認識されたら意味がないので、認識されないようにデザインしなければいけないのでかなり難しいことですが。。。)

ふたつめは「社会環境をデザインする」ことです。

喩え話になりますが、親が子供に「勉強しなさい」と言って、実際に勉強したくなるような子供はいないでしょう。では親が子供に勉強させるためにすべきことは何かというと、「勉強しなさい」とは言わずに、例えば子供が帰宅する1時間前から勉強部屋の冷房を入れておくとか、「子供がスムーズに勉強することに向かえるような“環境を整える”こと」が重要なのです。2017年にノーベル経済学賞を受賞したナッジ理論に近い考え方とも言えるかもしれません。

ペット社会においての「勉強しなさい」にあたるのはおそらく、「保護犬を引き取ろう!」という啓蒙でしょう。

「勉強しなさい」で子供が勉強したくならないのに、
「保護犬を引き取ろう!」で保護犬を引き取りたくなる人がいるのでしょうか。。。?

「保護犬を引き取ろう!」と訴えるのは素晴らしいことだと思いますが、それ以前に僕は「ペットを飼う時にペットショップの犬・ブリーダーの犬・保護犬などが選択肢として同列に並んでいない」ことの方が先に解決すべき問題だと思っています。
「選択肢として同列に並べる」が「環境を整える」ことではないでしょうか。
現状でも保護犬と里親をマッチングするサイトなどはありますが、そもそも「保護犬を引き取ろう」と思った人しか訪れません。だから、「犬飼いたい!それならペットショップだよね。とりあえずペットショップ行こう!」となってしまう人は何も悪くないと僕は思っています。

だって、持っている選択肢がペットショップしかないんだもの。

悪いのは、「ペットショップの犬・ブリーダーの犬・保護犬などが選択肢として同列に並んでいない“社会”」のほうです。
だから、僕は「ペットショップの犬・ブリーダーの犬・保護犬などが選択肢として同列に並んで“いる”社会」を作ります。

ペットを飼いたいけれど、どこから買ったらいいのかわからずとりあえずサイトを訪れた時に「ペットショップだけじゃなくて保護犬って選択肢があるんだ!条件的にも引き取れそうだし、保護犬引き取ったほうがいいのかも」と思う人が出て来れば、過剰に啓蒙する必要などないし、保護犬という選択肢を検討した上でペットショップやブリーダーを選択したなら、それはそれで良いのではないかと思います。そういう人は啓蒙したところで結果は同じです。

「社会の当たり前」を再構築し、啓蒙さえ届いていない人(保護犬という選択肢が思いつきすらしない人)をどう巻き込んでいくか、が大切だと思っています。


parnoviのサービスの3つめの特徴は「全ての情報を集約した情報プラットフォーム」です。

これは1つめ、2つめと同じような“手段”というよりかは、それらを通してどうなりたいかといった部分に近いです。

現在、ペット社会にはメジャーな「メディア」はいくつかありますが、情報集約的なプラットフォームはありません。(「獣医」だけの比較サイトとかはありますが、ペットに関して「とりあえずここを見ればいい!」といったものが存在しません)

結婚業界でいう「ゼクシィ」、
家電業界の「価格.com」、
グルメ業界の「食べログ」、
医療業界における「MEDLEY」のように、

「ペットを飼うとき誰もがとりあえず見る情報集約的なプラットフォーム」を目指します。

そのような、誰もがとりあえず訪れるプラットフォームが先述したようなデザインでできていれば、この日本のペット社会の“当たり前”はもっと社会を良くするものに変えていけるのではないかと思っています。


3. どのような社会を実現したいのか

現状の社会課題の「日本人の動物リテラシーが低いこと」と「ペット社会が属人的な努力に依存していること」の裏返しになりますが、僕は

人間の動物に対するイメージ・知識と現実に乖離がなく、ビジネスと倫理が両立して、人間と動物がお互いに心地よく共存できる社会

を実現します。


4. 最後に

〜一緒にペット社会を変える仲間を募集しています〜

話を聞きたい!自分が協力したい!仲間になりたい!という方でも、
知り合いにこんな人がいるよ!という方でも大歓迎です!!
興味がありそうな人にこの記事をシェアしていただくのも助かります!!

parnoviとの関わり方については以下の記事にまとめましたので、興味のある方は是非読んでみてください!

ぜひ協力したいという方、何かご意見・お問い合わせがある方は以下の連絡先までよろしくお願いいたします。
mail:rekioendo.515@gmail.com
Twitter:@rekiamo
LINE ID:atlantice

いただいたDMやメッセージには全て返信いたしますので、まずはとりあえずもっと詳しい話を聞いてみたいという方もお気軽にご連絡ください!

まずはご飯でも行きましょう!!
(筆者はこの1ヶ月でparnoviに興味をもってくださっている方32人と直接お話しさせていただきました。笑  ありがたい!!!!)


5.parnoviがTOKYO STARTUP GATEWAY 2018で最優秀賞&オーディエンス賞を受賞しました

東京都が主催する日本最大規模のスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2018」にてparnoviのアイデアが最優秀賞&オーディエンス賞を受賞しました。みなさん応援いただきありがとうございました。

(この記事は適宜更新していきます。最終更新日2018/1/11。)


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

37

れっきぃ

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。