【バインダーの幅と種類】素材によって使い分ける
【洋裁本からの改善案シリーズ】裏バインダー編
ここでは、パタンナーが実践で学んだ、
縫製に関する、決して難しくない基本の内容を、日々の製作に交えてシェアしたいと思います。
専門的に学んだ方はご存知の内容かと思いますが、趣味でハンドメイドを楽しんでいる方などに、少しでも参考にして頂けたら嬉しいです。
今回も引き続き、過去の依頼を元に、ある洋裁本のちょっとした改善案をシャアしたいと思います。
今回は裏バインダー始末に関して。
衿ぐりや、ノースリーブの袖ぐりなどに多く使われる始末です。
依頼を受けたものは、共布で作る裏バインダーでした。
ただ、そこに指示されていたバインダー布の裁断の幅が、アイテムによってバラバラ…。
2cm幅 →ワンピースの衿ぐり
3cm幅 →ワンピースの袖ぐり
4cm幅 →ブラウスの衿ぐり
…なぜこんなにバラバラ?
指示書を見ると、
2cmのバインダー布は三つ折りタイプ。
3cmと4cmのバインダー布は二つ折りタイプ。
そうなのです、裏バインダー始末には、バインダー布を三つ折りにするタイプと、二つ折りにするタイプがあるのです。
少し分かりづらいので、手書きで図解してみました。
(幅はそれぞれの場合によって変わりますが、今回は依頼を受けたものを例にあげています)
裏バインダー布の2つのタイプ
【三つ折りタイプ】
⚫︎バインダー布2.0cm → 仕上がり1.0cm
【二つ折りタイプ】
⚫︎バインダー布3.0cm → 仕上がり1.0cm
⚫︎バインダー布4.0cm → 仕上がり1.5cm
この様に、縫い合わせていくと、裁断の時はバラバラだったバインダー布も、仕上がりとしては1.0cm又は1.5cmになると言う設定になっていました。
この各バインダー、なぜこの様にバラバラなのか?は、正直私はこの洋裁本を手にしているわけでは無いので、詳しい意図は分かり兼ねます。
ただ、バインダーのタイプと幅が、製作する生地に合っているか?を判断しなくては、より良いものは作れません。
これを機に、裏バインダーのタイプ別の特徴をまとめてました。
バインダー布・タイプ別の特徴
【三つ折りタイプの特徴】
⚫︎一般的に多く使われるのが三つ折りタイプ。
⚫︎二つ折りタイプよりカーブへの馴染みが良い。
⚫︎ステッチする側の端をアイロンで折る必要がある。
【二つ折りタイプの特徴】
⚫︎最初に二つ折りにするだけなので、縫い付け前のアイロンが簡単。
⚫︎二つ折りで厚みが出てしまうので、厚手(硬い)の生地には不向き。
特徴を元に改善した点
これらの事を踏まえて考えた時、
依頼を受けたワンピースは、衿ぐりは三つ折りタイプ、袖ぐりは二つ折りタイプと分かれていましたが、どちらも仕上がり1.0cmで、生地も薄手なので、ひとまず指示通りに製作。
ただ、もう一点のブラウスの指示は、二つ折りタイプの仕上がり1.5cmと太め。
依頼された生地は伸縮性がなく、少し硬めで張りのある生地でしたので、どうしても指示通りでは衿ぐりが硬くなり、カーブに馴染まない事が予測されました。
その為、三つ折りタイプの仕上がり1.0cmに変更のご提案をしました。
裏バインダーは、幅が太いほど、表がツレたり、捩れが出やすくなります。
なので、1センチ未満の方が仕上がりが綺麗になります。
(普段、私は裏バインダーは、0.7cmのステッチで支持しています)
ステッチはデザインでもありますが、それぞれの裏バインダーに、メリットデメリットがあります。
素材の特徴に合わせた小さな応用が効く様になると、仕上がりも綺麗になり、次の製作のモチベーションアップにもつながりますね。
といっても、実は二つ折りタイプの裏バインダー始末を実際に製作したのは、私も初めてでした。
製作が増える度に、私も日々勉強中です。
裏バインダー始末で迷った時に、少しでも参考になれば嬉しいです。
こちらの内容は、過去に無断盗用され、削除せざるを得なかった自身のブログらかの引用です。
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