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もはやエコバッグでなくレギュラーバッグ"紀ノ國屋エコバッグ"

母が買ったエコバッグを拝借してから、20年近く紀ノ国屋のナイロンバッグを使い続けている。
最近東京駅構内の紀ノ国屋に入ったら、カタチや色のバリエーションが豊富になっていて驚いた。さらにオンラインショップを覗いたところ、保冷バッグにクリアバッグ、ショルダーバッグなどほぼスーパーと関係のない域までバリエーションが及んでいた。

紀ノ国屋は高級スーパーマーケットとして有名だが、創業は1910年果物商から始まった。その後1953年、日本で初めてレジで精算をするセルフサービス・スーパーを青山に開設した。
紀ノ国屋というと国立、鎌倉としっとりと品の良い住民が住むエリアにあるイメージだったが、最近では駅の構内でもよく見かける。


紀ノ国屋といえば、ロゴデザイン。どんな時代やシチュエーションでもフィットする私も大好きなデザイン。手掛けたのは、資生堂の花椿のデザインも手掛けたイラストレーター、グラフィックデザイナーの山名文夫氏である。グラフィックデザインの先駆者の一人であり、アールデコ調のデザインを得意としていた。
確かにテイストは違うが、花椿の削ぎ落とされ、かつ企業メッセージが凝縮された点において、紀ノ国屋のロゴデザインとも共通点がある。

紀ノ国屋のエコバッグは1995年誕生した。今となっては当たり前のエコバッグを26年前から取り組んでいた。

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1.高級スーパーなのにシンプルでカジュアルなロゴ

老舗の高級スーパー、というと明朝体の格式高いロゴを想起しやすい。しかし、紀ノ国屋のロゴは高級感を前面に押し出していない、むしろカジュアル。そしてこのフォントがわかりやすく、ちょっと傾いているのもよい。それゆえ幅広い世代に愛されているのだろう。しかも、このロゴが青山店がオープンした1953年に創られたことがびっくり。70年近く前にこんなスタイリッシュなデザインが存在していたとは‥。

2.地とロゴのバランスも良く配色パターンは無限!

エコバッグはお店のロゴを控えめに入れるケースが多く、ワンポイントや持ち手部分のみに入っていたりする。そんな中、このバッグはある程度全面的に展開されながらも地とロゴデザインの配分が絶妙なのか、うるさくないし、一定の存在感もある。この地とロゴの2カラーのバリエーションによって、ポップにもシックにもナチュラルにもなる。収集癖をくすぐられてしまうデザインである。

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3.先進的な企業イメージとロゴデザインが合致

ロゴデザインはその企業やお店のコンセプトやメッセージがギュッと凝縮されるとても重要な役割。紀ノ国屋は日本のみならず世界からも厳選した商品を取り揃えていて、日本にいる外国人も多く利用している。加えて、環境問題への対応、日本初のレジ精算や、無人決済の導入など常に時代のトップランナーであり続けている。さらに現在では駅構内など販路を広げている。多様な属性にもわかりやすく、いつの時代も一歩先を行く企業の姿勢はロゴデザインとぴったりマッチしている。

注目なのは、2006年にロゴをプチリニューアルしている。フォントの間隔に若干ゆとりを持たせて、より見やすいデザインに変更している。機会があればお近くの店舗の看板を気にして見てほしい!


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