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ビジネス的に成功させるには「まだ世界にないもの」と「世界で慣習化されたもの」を組み合わせる

こんにちは。
アーキテクチャーフォトの後藤です。

今日はビジネス的な視点で更新をしてみたいと思います。

約10年間、アーキテクチャーフォトという建築専門メディアを運営してきました。運営を開始して5年くらいで、このサイトの存在は建築設計業界で広く知られるようになり、多くの設計事務所の方々が閲覧してくださっているということを色々な知人から耳にするようになりました。

アーキテクチャーフォトネットのサイト)

実際に、はじめてお会いした著名な建築家の方からも「見てるよ!」と声をかけてもらうという機会が凄くありました。

そのように業界内で広く認知されるようになった運営5年目くらいでしたが、社会的認知が高まり、そこに社会的意義も感じていましたが、ビジネス的には全く成立していませんでした(この時は設計事務所での勤務の傍らにウェブサイトの更新をしているような状況でした)。

サイト立ち上げ当初から使用していたのは、google adsenseと、amazonアフィリエイト。これらの仕組みをウェブサイトに組み込み、広告収入・紹介料を得ていたのですが、その収益は微々たるものでした。

アーキテクチャーフォトブックスのサイト)

その後、アーキテクチャーフォトと連動する「アーキテクチャーフォトブックス」というオンラインショップ、「アーキテクチャーフォトジョブボード」という建築系求人掲載サイトをリリースし、全体で見てみるとビジネスとして成立するという状況が生まれたのです。

サイト開設5年目以降は、このメディアサイトを更新することと共に如何にビジネスとしても成立させるかということを考え続けてきました。

そこで意識していたのは、すでにお金を払うということが慣習化していることに注目するということでした。

言葉にすると当たり前かもしれませんが、私を含め大部分の人間は、すでに慣習化していることに対してしかお金を払わないのです。正確に言えば、ごく少量の一部には払ってくれる人はいます。しかし、それだけではビジネスとして成立することはありません。

アーキテクチャーフォトというネットメディアサイトで言えば、無料が前提のウェブサイトでは、有料で情報を見る、という習慣が(当時は)ありませんでした(現在はこのnoteという仕組みもありますし有料サイトも増えていますので状況は変わっていますが、一般化とまでは行っていないと思っています)。

ですので、アーキテクチャーフォト本体の閲覧を有料化してビジネスとして成立させるという選択肢はありませんでした。

そこで、まず考えたのが、現代社会では物理的なモノをお金を出して買うという慣習があるということでした。そこで建築系の読者が必要とするモノを売るオンラインショップを立ち上げたのです。そこでは、古書・プロダクトを中心に販売することにしました。

オンラインでショップを始めたということも、その当時すでに、オンラインでモノを買うことが慣習化していると判断したからです。

しかし、このオンラインショップ「アーキテクチャーフォトブックス」はただそのサイトを作ったからといってビジネスとして成立したわけではありません。集客方法などを考慮しなくては、誰も個人のオンラインショップをおとずれることはないでしょう。

そこで、「アーキテクチャーフォト」というまだ世界に存在していなかったサービスと組み合わせることにしました

アーキテクチャーフォトは、建築に特化したウェブメディアとして、少なくとも日本には未だないものでした。そのサイドバーやコンテンツの中に、オンラインショップ「アーキテクチャーフォトブックス」の情報をミックスさせていったのです。

結果としては、オンラインショップで販売を開始した商品が、数分で売り切れてしまうといったこともたびたびおこりました

この、「まだ世界にないもの」と「世界で習慣化されたもの」を組み合わせるという視点ですが、世界を見てみると、あてはまるものがいくつもあります。民泊として世界の宿泊業界を大きく変えてしまったAirbnbや、交通業界の仕組みを大きく変えてしまったUberも同様の視点で説明がつく気がします。

それぞれ、もともと宿泊や車での移動というサービスに、お金を払うという慣習が現代社会では浸透していたのです。その慣習に、今までに世の中に無かった仕組み・サービスが組み合わさることで、スムーズにビジネスが成立したのです。

アーキテクチャーフォトジョブボードのサイト)

建築求人紹介サイト「アーキテクチャーフォトジョブボード」にも同じことが言えます。

リクルートなどの普及活動によって、求人の情報にお金を払う、ということは社会の中に慣習として定着していました
そこに、アーキテクチャーフォトという今までにない建築メディアの拡散力を組み合わせることで、多くの方に利用してもらえ、ビジネスとして成立する、サービスになったのです。

さらに一般化して、一緒に考えてみましょう。


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