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アイデアには、何処で発揮するかというメタ視点が必要。

こんにちは。アーキテクチャーフォト後藤です。
今日はちょっとした気づきをスタートにその意味を考えて、誰でも使える学びの種を伝えられればと思っています。

さて、ぼくは以前のnoteにも書いたようにユニクロUを毎シーズン定点観測してその違いからトレンドを学ぶという事を続けています。

(それについては下記の記事で書きました)

そして、先日の2月1日に2019年の春夏商品の販売が開始されました。

今までは、その発売日の意味について全く考えたことがありましせんでした。しかし、僕がユニクロUと同じく継続的に観察している、コムデギャルソンとイッセイミヤケというハイブランドの新商品の入荷日も同じく2月1日という情報が耳に入り、これは何かあるな、偶然ではない!という勘が働きました。

それを頭の片隅において、仕事をしながら考えていたのですが、まず気づいたのは、2月1日が「金曜日」だという事。
そして、その月の「最初の金曜日」だという事です。
勘のいい方はもう気づかれたかもしれませんし、書いてみると何だそんなことかと思われるかもしれませんが書いてみます。

つまり、世の中の多くの人が給料を得る月末の、次の最初の週末に、新商品の販売日を設定しているのだと思います。

上記のサイトを見てみると、給料日の多くは25日に設定されているとあります。

一般的に考えても、給料日前よりも給料日後の方が所有金額が増えているのですから、ものを買いやすくなるのは人間の心理でしょう。

そして、週末が休みである方が最も多いという日本の状況を見て、お客さんが来店しやすい週末を発売日に設定したのだと思います(例えば、金曜ではなく月曜発売だとしたら、週末には商品がのこっていなそうだから行くのをやめようという消費者心理が働くと思われます)。

また何故土曜日でないのか、というのはお客さんの殺到を避けるための調整ではないだろうか、と僕は思っています。

つまり、これらのファッションブランドは、世の中の多くの人は給料を月末に貰っている、そして週末が休みである。という社会の現状を見て、その中で商品をたくさん売るために、そこに合わせて発売日を設定したという事です。

言われてみれば当たり前感があるのですが、そのことに先日気が付きました。

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さて、具体的だけど小さな発見について書いてみました。

ここから先は、この気づきを少し分析して抽象的に考えてみたいと思います。

僕が注目したのは、コムデギャルソンとイッセイミヤケというパリコレクションにも登場しているファッションデザインの世界で革新的デザインを追求しているブランドも、先に書いたような社会の仕組みを読み解いた上での販売戦略を取っているという事です。

ここに僕は学びがあると思います。

今回の記事のタイトルにつながるのですが、世の中の行為の中には、アイデアを出すとか革新を追求すべき部分と、社会の仕組みや慣習を理解しそれを利用したほうが良い部分がある、のではないかということです。

コムデギャルソンやイッセイミヤケは、コレクションごとにそのデザインモチーフを変化させ時代の精神を社会に提示したり、素材の加工方法を新しく考案することで衣服の可能性をアイデアで切り開いているブランドです。ぼくは展示会や店頭でその試みの凄さを嫌というほど感じてきました。しかし、販売のフェーズにおいては、独自の販売方法に関してアイデアを出すというよりも、社会システムを理解したうえで敢えてそれを利用して販売を促進しようとしています

つまりデザインのアイデアを売りにしている企業でありますが、そのアイデアを何処に発揮すべきか、ということにはかなり意識的であると思うのです。全てを闇雲にデザインするのではなく、メタ視点(俯瞰的な視点)でデザインする・革新を追求する場所を判断しているのだと思います。

ぼくは、成功の形は人それぞれだと思っていますが、何らかの形で成功を収めている人たちは、自身のアイデアを何処に発揮すべきか、というメタ視点を持っている人が多いと感じます。

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ここから先は、もう一回具体的な話に落とし込んでみたいと思います。そしてぼくが専門としている建築の領域での話も書いてみたいと思います。

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