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『アイスさん探訪記』制作記録

追憶@reminder_89です。VIPRPG紅白2022ではプレイありがとうございました! 自作品を振り返ってそのうち何か書こうと考えつつ後回しにしていたら2022年12月公開から1年経ちそうなことに気付き、公開1周年ということで制作記録でも書いてみようと思い立ちました。本作を作り始めたきっかけ、アンケート振り返り、小ネタ集、どのように制作したか(進捗振り返り)など書いていきます。本編プレイ済みの方は、ゲーム内おまけ部屋と重複する内容もありますがご了承ください。



公開場所・参加したイベント等

ダウンロードはVIPRPG@Wikiからどうぞ。
VIPRPG紅白2022 参加作品です (エントリーNo.01 総合1位, 技術2位, 熱中3位)


2023年500DL未満のフリゲ発掘大会に参加しました。
(2023年11月20日~2023年12月4日)


フリゲ2023(2023年12月1日~2023年12月23日)では『アイスさん探訪記』と『Monster's Streich』に たくさんのご投票ありがとうございました!


本作を作り始めたきっかけ

ゲーム内で本編クリア後に行けるおまけ部屋・開発室にてすべて語ってますのでそちらを再掲します。『ふしぎの城のヘレン』『アニキとチビスケ』『新約・帽子世界』『Tactical Chronicle』『去り行く運命』は いいぞ。
アニメ『DRAGON QUEST ダイの大冒険』も いいぞ。

ここから先、一切ネタバレに配慮していませんので未プレイの方は注意!

【作り始めたきっかけ】
89
「名作『ふしぎの城のヘレン』あるじゃないですか。
 (VIPRPG紅白2011, 他Steam等で公開)
89
「ヘレンの戦闘システムが
 とても好きで、人数を2対2にして作ったら
 どうなるだろうと何年もずっと妄想していました
89
「もし『ふしぎの城のヘレン』を
 知らないもしくはプレイしたことが無く
 ここに来たなら、ヘレンも遊んでみてください!
89
「本作をクリアした人なら
 きっとヘレンにもハマるはず
89
「もう一つ『アニキとチビスケ』で
 アニキが前列でパリイしてチビスケを守る姿に
 感銘を受けまして……(VIPRPG夏の陣2013 No.22)
89
「ヘレンライクな2対2&前列後列制。
 仲間はアニキみたいな自動行動のRPGが作りたいと
 考えたものの一向にアイデアがまとまらず2021年に
89
「それでここからが作るきっかけの出来事です。
 2021年4月当時、モンハンライズと
 サガフロリマスターを遊んだらある事を閃きました
89
「まずモンハンライズから。過去作での武器種は
 いつも片手剣でしたが、他の武器に挑戦しようと
 思って双剣とライトボウガンに手を出しました
89
「これが思いのほか楽しくて、
 特にライトボウガンはプレイ感覚が
 近接武器と全然違って面白いなー、と
89
「一方サガフロでは剣を2つ装備すると二刀流、
 または銃を2つ装備すると二丁拳銃になって
 強力な効果を発揮するというシステムがあります
89
「あとサガフロは連携攻撃システムが
 初めて実装されたサガシリーズでもあります。
 連携攻撃はいいぞ!
89
「これら2作品を遊び、モンハンみたいな
 武器種により戦いかたが大きく変わる仕様をRPGの
 装備武器の組み合わせで表現したら楽しいのでは?
89
「──というアイデアが浮かんで、
 それなら『新約・帽子世界』にある
 ガン=カタ(剣と銃装備)も取り入れたらどうだろう?
89
「剣と銃ならアイスさん主役が適任。
 アイスさんだったら魔法も使えるから……
 と考えて、戦闘スタイルの仕様ができました
89
「この戦闘スタイルのアイデアを
 以前から考えていたヘレン風システムと
 融合させ、企画書にまとめた時期が2021年5月末
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「長年PIAI専でやってきてツクール制作歴に
 結構ブランクがある自分に作りきれるのか……
 と、数日ほど悩んだ末に制作開始を決意
89
「このアイデアを形にできなかったら
 一生後悔する思いで、たくさん楽しませてもらった
 VIPRPGへの感謝も込めて1年半かけて完成しました
89
「長かった……そして楽しかった。
 この作品の制作、そして完成に至るまでに
 出会ったすべてのゲームや物語に感謝します

【システムの話】
89
「だいたい『ふしぎの城のヘレン』と
 同じと言ってしまえばそれまでなのですが、
 戦闘スタイル以外のヘレンと違う部分を語ります
89
「まず2対2に増えたこと。サポートも入れると3対2。
 サポートの仲間はパーティで戦っている感じを
 戦闘人数を増やさず実現したいと考え導入しました
89
「とにかく敵味方全員分の
 パラメータを1画面に表示するUIが大変でした。
 ひたすら表示スペースを詰めてなんとか入りきった
89
「人数を2対2に増やしただけで
 だいぶ戦闘システムが複雑化したため、
 ヘレン風戦闘で3対3に増やすのはお勧めしません
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「人数が増えた最大の恩恵は連携攻撃システムです。
 サガフロの連携を真似したものですが、
 想像以上にヘレン風戦闘と相性良好でした
89
「ヘレン風戦闘はダメージに乱数のぶれがなく
 攻撃力が固定値で変化に乏しい特徴があります。
 まあそのダメージ計算のしやすさが魅力なのですが
89
「しかし連携攻撃のおかげで
 攻撃力合算によりダメージが劇的に変化して
 戦闘に新たな戦術性ができました。連携はいいぞ。
89
「MDF(魔法防御)のパラメータも追加しました。
 ヘレンでは魔法系の攻撃が必ず防御無視ですが、
 それに対処できる防御力も必要と考えたからです
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「一般的な状態異常の導入も違いです。
 確率が絡まないため、必ず状態異常を付与できる
 代わりにWT数と免疫状態で効き目を制御しました
89
「確率要素が存在しない状態異常として
 一つの方向性を示せたのではないかと考えています
89
「武器ごとに2個の技を紐付けた点でも
 ヘレンとの差別化を意識しました
89
「武器技1のみだと下位互換な性能の武器が
 できてしまいますが、武器技2を用意することで
 どの武器も使い道があるように調整したつもりです
89
「あと仲間の作戦・自動戦闘も本作独自要素ですね。
 『アニキとチビスケ』リスペクトなだけでなく、
 コマンド入力の手間を減らす目的で導入しました
89
「作戦画面は『Tactical Chronicle』という
 FF12風ガンビット戦闘のフリゲを
 参考に自作メニューとして組みました
89
「自作戦闘作りは前作『Monster's Streich』で
 経験済みな一方、自作メニューは初めて作るため
 まともなUIか不安があるものの組んでて楽しかった
89
「作戦は賛否が分かれそうなシステムですが……
 自動で仲間が動くからこそ、うまく協力して
 戦えたときの喜びはより大きくなると思っています
89
「じつは仲間もプレイヤー操作だと
 露骨に行動順調整して、ひたすら連携攻撃を狙う
 ゲームになるからそれを避けるためなんですけどね
89
「なんにせよ、あれこれ要素を付け足したことで
 やっと『ふしぎの城のヘレン』と
 ある程度は別物な戦闘にできたのではないかと
89
「本作の戦闘システムを考えるにあたって、
 いくつかのヘレンライク作品と少しヘレンに
 似てると勝手に思っているフリゲを参考にしました
89
「それらを紹介して
 システムの話題を終わりにします
89
「『Luna Plena』
 (フリーゲーム夢現にて公開)
 1vs多のヘレン風戦闘が特徴の一本道短編RPG
89
「『封獄のモノクローム』
 (第12回ウディコン、ふりーむ等で公開)
 自由なキャラカスタムが特徴の行動後WT制RPG
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「『Resale Stoppers』
 (ウディフェス2021、ふりーむ等で公開)
 転売屋を許さない行動後WT制RPG
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「『イリスのゲーム』(ふりーむにて公開)
 ターン制ながら敵の次の行動、全員の行動順、
 異常耐性が見える戦闘。毒などの状態異常が強い

【ストーリーの話】
89
「VIPRPG、もしもシリーズで何か作るなら
 アイスさん主役にしたいとずっと考えていました。
 いろいろな武器で戦えるし何よりかわいい!
89
「それで彼女が主役でいくなら
 周囲の人間関係も描写したいということで。
 キャロルをマスター(親・保護者)にしました
89
「マスターをサモンでなくキャロルにした理由は
 フレイムとの関係がより密接になるからです。
 サモンは師匠にして広範囲に関わりを持たせました
89
「ここまで決まった段階で、
 もうラスボスは早くもキャロルに決定しました。
 主と対決して乗り越える試練ってアツいですよね
89
「キャロルといえば炎魔法と氷魔法の使い手。
 その二属性が使えるなら極大消滅呪文!
 つまり大魔道士……メドローア!!
89
「というわけで本作は『DQ ダイの大冒険』の
 影響を受けまくってます。制作期間と同時期、
 2020/10/03~2022/10/22にアニメ放送されてます
89
「VIPRPG素材Wikiにメドローア姿の素材もあって
 使うしかない! と、ドット絵が描けないなりに
 3分の1に縮小してから右のグラへと打ち直しました
89
「ラスボスの話題はこんなものでしょうか。
 他にもダイの大冒険ネタを所々に
 入れてあります。いくつわかったかな?
89
「話をアイスさん周囲の人間関係に戻します。
 ラスボスが決定したら仲間も自然と決まりました。
89
「家族のフレイム、妹弟子のアシュリー、
 師匠のサモン、フレイムと交流があるブライアン。
 ニンニンとなすーんは単純に好きなキャラです
89
「その後ストーリーを組むにあたって
 魔王把握のテンプレがとても役に立ちました。
 難しい理由は考えずにたくさんバトルできるので
89
「ただし物語を作るからには、
 "なぜ魔王把握が行われるのか?"
 "アイスさんはなぜ魔王把握に参加するのか?"
89
「──といった自然と浮かんでくる
 疑問はしっかりケアしようと考えた結果、
 "魔王把握祭"なる祭りが存在する世界になりました
89
「これでアイスさんの目的もはっきりして、
 戦闘を重視したボスラッシュRPGながら
 ストーリー面でそれなりの背景は作れたかなと
89
「その後、ストーリー面で転機となった出来事が
 ワシミミズク様のアトリエ風ワールドマップ公開。
 あの地図風フィールドのマップ素材ですね
89
「神マップチップの公開にテンションが上がり、
 丸3日ほど地図マップ作りに没頭しました。
 それで出来たのがあのRTP大陸フィールドです
89
「張り切って町を配置しまくったから、
 2022年12月現在まだ入れない場所が多いという。
 本編中、通行止めが多かったのはそのためです……
89
「でもあのRTP大陸フィールドを作ったからこそ、
 RTP大陸の世界観が思い浮かぶようになりました。
 歴史や人物の生い立ちを設定しだしたのはこの頃
89
「見るゲ『去り行く運命』(VIPRPG紅白2017 No.11)や
 戦記物のSRPG、ロマサガ2、サガフロ2あたりが
 好きなので重い過去持ちの人物が多くなったという
89
「ポテチ修道騎士団→カナエール聖騎士団、
 魔王軍竜騎士団など『去り行く運命』の
 影響を受けた本作の設定はいくつもあります
89
「『去り行く運命』の物語は
 本当に素晴らしいので皆やりましょう。
 合戦シーンの集団戦闘の迫力とか最高ですよ!
89
「そんなわけで作り込むにつれ本作の舞台に
 愛着がわいてきたので、紅白が終わってからも
 引き続きクリア後イベント更新を続けるつもりです
89
「気に入っていただけたなら、クリア後の
 RTP大陸をアイスさんと探訪してあげてください。
 もしエターなったらすまない……

【謝辞】
89
「【うしろまえ雑貨店】様
 タイトル画面の一枚絵を描いていただきました。
 ありがとうございます! アイスさんかわいい……
89
「【月人】様
 ラストバトルの曲を作曲していただきました。
 ありがとうございます!
89
「なんとバトルエクステンド!!
 一度やってみたかったBGM演出です。
 原曲、アイスさんのテーマとキャロルのテーマ好き
89
「【なんかのしたい。】様
 モングラ素材を多数描いていただきました。
 ありがとうございます!
89
「2022年12月現在、モングラの半数近くが
 なんかのしたい様の描いた素材になります。
 この素材なくして完成はありえなかった……!
89
「【テトゥルウイスキー蒸溜所】様
 『すっぽんクエスト』のビンビンXを
 コラボアイテムとしてお借りしました。感謝!
89
「150年の冷凍睡眠から目覚めた主人公が現代との
 ギャップに悩みつつゲテモノ生物(中略)療養生活。
 終末SF/ADV『すっぽんクエスト』お勧めです!
89
「その他、各素材サイトの素材制作者様。
 VIPRPG祭り管理人様。テストプレイヤーの皆様。
 最後に本作をPIAIされた皆様に心から感謝を


アンケート振り返り

クローズドβテストの時からデータ収集に使っているアンケート結果を公開します。クローズドβテストに参加したテストプレイヤー様からの回答が19件、VIPRPG紅白2022にて公開後18件、計37件の回答が集まりました。自由記述欄は対象外で、結果が見やすかったグラフ13種を持ってきています。

ロングソードとオートマチックが圧倒的ですね。シンプルに扱いやすいのと、
魔封や猛毒といった状態異常を付与できるところが便利だったんじゃないでしょうか。
本作は状態異常が強いこともあり、他にも火傷付与できるエイムライフル、
暗闇付与できるブリザードの書などが人気でした。ディフェンダーは守りの堅さ人気。
全体的に後半~終盤入手の武器に票が集まりました。単純に使える期間が短いのと、
序盤~中盤で手に入った武器をそのまま使い続けたプレイヤーが多かったと思われます。
ドラゴンソード、エターナルの書、レイピア、いずれも上手く使えば強いんですけどね…
じつは序盤~中盤に入手する装備はわかりやすい&扱いやすい、後半~終盤の装備は
クセがあり扱いにくいが使いこなすと強いようにしたので意図した調整だったりします。
序盤の盾や防具に多く票が集まりました。
後半の装備にもそこそこ票が入ってますしバランス良いんじゃないでしょうか。
盾と防具なし俊足回避は6票でした。気付いたプレイヤーが少なかったかも?
タワーシールドとミスリルガードはWTが長く使い難かったかもしれません。
でも重盾を強くしすぎると軽盾が相対的に弱くなるから調整難しいんですよねぇ…
マジックローブは終盤入手が評価に響きました。クリア後は活躍する戦闘を用意してあげたい。
圧倒的にポーション! 次いでビンビンXでした。
道具屋縛りで使えるアイテムがこの2つだけだから仕方ないね。
ポーションは3回使える使用回数の多さも人気の理由でした。
普通の回復アイテムで蘇生可能な本作では瀕死の味方がオーバーキルされる
→ すぐにポーションで蘇生する通称リヴァイヴァポーション戦法が可能です。

回復効果以外のアイテム(射程薬, モチベアガール, ビンビンX)もそこそこ人気でしたね。
この3種のアイテムはいろいろと戦術面で悪さができるように作りました。
状態異常回復アイテムが人気ないのは予想通りです。
じつは使ってもらうというよりは、道具屋にそのアイテムが並ぶ章で
該当する状態異常を使う敵が登場するよとメッセージを発するのが役割でした。
一応、1回使えばすぐフェイントに切り替わるのでWT調整に使う方法もあります。

アイテムについてはポーションに人気が集中しすぎた感があるので、
クリア後はポーション+もう一つアイテムを持てるようにする追加要素を入れようと考えてます。
見事にばらけました。つまりプレイヤーによって強いと感じる戦闘スタイルが異なるということ!
どの戦闘スタイルも強い・使いやすいと感じる調整にしたかったので狙い通りにできて満足です。
特に多いガン=カタは初期から使える戦闘スタイルだから、
魔弾銃は物理と魔法のバランスが良いから選ばれてました。
こちらも狙い通りですね。単純に同じ武器2つは使いにくいとの意見が多かったです。
その代わり専用技が強力だからこの3種は強い戦闘スタイルでもあります。
(強くなるまでWT経過時間がかかる二刀流はそうでもないけど)
アシュリー、次いでなすーんとサモンが多くなりました。
アシュリー人気は予想通り。時魔道士は行動速度UPが強いですからね。
なすーんは守備の堅さや復讐の爪の火力、あと性能と関係なくキャラ人気が高かった印象です。
サモンは魔防高め&唯一のヒーラーということもあり、よく使われていました。
フレイムさんはLPの低さが使いにくい意見が多かったです。後衛魔法キャラの弱点ですね。
サモンは火力不足で器用貧乏な点が、ニンニンはいろいろ出来て
どのように使ったらいいかわかり難い点が使いにくかったようです。
ニンニンはテストプレイ期間後半になるほど評価を上げていったので使い方わかると強いですよ!
面白いのがブライアンで、使いやすい使いにくいどちらも名前が挙がらないようです。
ラストバトルを最も多くの回答者に楽しんでもらえて制作者冥利に尽きます。
次いでアレゴメ戦、アグネ&リザ戦、偽五なすーん戦が続きました。
特殊な展開になるアレゴメ戦が人気の理由は明らかとして、
アグネ&リザ戦、偽五なすーん戦は壁ボスとして印象に残りやすかった感じでしょうか。
ファルコン&ヘレンについてはすみませんでした…
元ネタ再現しようと張り切ったらだいぶ意地悪になった感があります。
ファルコンの行動パターンは『ふしぎの城のヘレン』の野生の猿を真似しています。
2位以下は順当に強敵へ票が入ってますね。
(誘導入ってるから参考にならないけど)やったー!
お世辞でも10点入ると嬉しかったので質問に入れて正解でした。


小ネタ集

システム編

・連携フィニッシュで敵にトドメを刺した場合の勝利台詞はアイスさん&戦闘メンバーとの掛け合いが仲間6人なので6通り+サポートがそれに対してコメント5通り。つまり6×5で30通りあります。

・ダジャレを使うとアイスさんが言うダジャレは20通りあります。ローテーション制なので20回使えばすべて見られます。

・装備メニューの能力値はゲーム内容と一切関係がないフレーバーステータスなので好き勝手に数値を入れました。7人全員とも合計値が220になるように魅力, 丈夫さ, 意思力, 幸運を割り振っています。


装備編

・ロングソード:由来はRTPデフォデータベースから。『ふしぎの城のヘレン』を意識してドラゴンソードの次に高い攻撃力にしつつ、ヘレンのロングソードSSのようなデタラメな強さにならないよう調整しました。

・ディフェンダー:由来はファイナルファンタジー シリーズから。『ふしぎの城のヘレン』でいうとブロードソードにあたる位置づけです。

・アイスソード:由来はロマサガのアイスソードから。ナイ軍の国があるあたりは北国なのでアイスソードの原料が産出されるとしたらこの地域だろうと考えて4章で入手するよう配置しました。アイスソードの原料は大量に手に入るため残念ながら「ねんがんの」というほど高価な剣ではありません。貧乏なナイ軍が高いアイスソードを振り回せるわけないのでむしろ安物。

・レイピア:防御無視は元ネタのFEで重装特効が付いているからです。

・ドラゴンソード:由来はRTPデフォデータベースから。データベースと同じく攻撃力最強です。

・リボルバー:由来は『寄生ジョーカー』から。最初に入手する拳銃武器なところもリスペクトしています。『ふしぎの城のヘレン』でいうとクロスボウと確実な短剣にあたる位置づけです。

・オートマチック:由来は『寄生ジョーカー』から。二番目に入手する拳銃武器なところもリスペクトしています。『ふしぎの城のヘレン』でいうとロングボウにあたる位置づけです。

・エイムライフル:由来は『寄生ジョーカー』から。ライフルだけだと名前がイマイチだったので必中を追加して名前の頭に「エイム」を付けました。『ふしぎの城のヘレン』でいうとビッグボウガンにあたる位置づけです。

・アイスの書:由来はRTPデフォデータベースの単体冷気魔法から。

・ブリザードの書:由来はRTPデフォデータベースの全体冷気魔法から。

・エターナルの書:エターナルフォースブリザード 相手は死ぬ。

・ライトシールド:軽い盾を英語にしただけ。初期はRTPデフォデータベースから「ウィングシールド」としていたものの、戦闘中の技名表示UIが「Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ω」含めて全角8文字以内でないといけない仕様となったため1文字減らした7文字の名前にしました。

・シェルガード:由来はサガフロ。ファイナルファンタジー シリーズの魔法ダメージを軽減する補助魔法が「シェル」なのでそのイメージもあります。

・タワーシールド:『ふしぎの城のヘレン』でいうカイトシールドにあたる位置づけです。カイトシールドだと名前がライトシールドに似すぎて紛らわしいため別の重そうな盾名を採用しました。

・ミスリルガード:由来はRTPデフォデータベースのミスリルシールドから。シールドをガードに変えた理由はシールドが物理防御、ガードが魔法防御の盾だと名前で判別できるように。あと7文字の名前にするためです。

・防寒コート:アイスさんの普段着からそのまま命名。初期装備のため防御力に乏しいものの、状態異常耐性を強めにして最後まで使える性能としました。状態異常にしてこない敵に対しては装備する意味ないんですけどね。

・戦闘勝利後に防具をくれる敵(ドラ子, 偽ムシャ, デイジー)はみんな基礎DEF, MDF, 耐性がその装備の値になっています。

・ミスティクロース:由来はRTPデフォデータベースから。ドラ子が着ていたお下がり。状態異常耐性がドラさん並みにガバガバ性能です。

・氷の鎧:そのままの命名です。ナイ軍がある北国から産出される原材料から鎧も作れるんじゃない?という発想でこうなりました。

・マジックローブ:由来はRTPデフォデータベースから。

・ポーション, ハイポーション, ミラクルドロップ, アンチドーテ, ディスペルハーブ, スティミュラント:すべて由来はRTPデフォデータベースから。

・クールドリンク, ヒートドリンク:由来はモンハンで廃止されたクーラードリンクとホットドリンクから。

・モチベアガール:VIPRPGでおなじみのアイテム。飲み物らしい。

・ビンビンX:『すっぽんクエスト』コラボアイテム。ゴメスがビンビンXを
南方の島で仕入れたと言っているのは『ロストヘヴン』のモレナ島でビンビンXを購入できることへのリスペクトです。

・ベアソード:由来は『アニキとチビスケ』から。元ネタではアニキにベアソードを装備させるとパリィを使ってくれるようになります。


技/スキル編

・入手する武器や盾由来の技のほとんどすべて、アイスさんが使う場合と敵が使う場合で同じ性能になっています (例外はアブソーブのLP吸収量)。

・失詠剣:由来はサガシリーズの失礼剣から。そっぽを向く演出も真似しています。元ネタ技名の韻を踏みつつ魔封付与の効果に合った名前にできて気に入ってます。

・ディフレクト:由来はサガシリーズの同名の技から。

・風雪即位付け:由来はサガフロの同名の技から。演出も真似しています。カッコイイぞ。

・マインドステア:由来はサガシリーズの同名の技から。剣先をぐにゃぐにゃさせる演出も真似しています。

・竜舞剣:『輝ける空の彼方へ』(VIPRPG夏の陣2021 No.17)というデフォ戦ゲーのアーサー君が毎ターン連続で使うと威力が上がるスキルを持っていて思いついた技です。FEの流星剣+ヴェスサガの神舞剣を足しドラゴンソードなので流(りゅう)を竜(りゅう)に置き換えました。4撃目(終式)は最後だからファイナルレターの戦闘アニメにしています。ちなみに 2撃目は二段斬り、 3撃目は龍尾返しの戦闘アニメ。

・ベノムショット:由来はFF10のブリッツボールの必殺シュートから。

・アブソーブ, コールドバリア:由来はRTPデフォデータベースの魔法から。

・コキュートス:由来は空の軌跡SCのアーツ名から。

・鬼神連斬:由来はモンハンの双剣の攻撃「鬼人連斬」から。性能は『ふしぎの城のヘレン』の炎剣アグニです。

・連続魔:由来はファイナルファンタジー シリーズのアビリティ名から。

・全弾発射:由来はサガフロから。性能は『新約・帽子世界』のオーバーエクステンドを意識しました。

・アサルトコンボ:由来は『アレックスと最終戦争と9人の少女』でアイスさんが使う奥義「アサルトコンビネーション」から。

・ひと休み:由来はオクトパストラベラーの商人ジョブが使う技から。効果もHP小回復+状態異常回復で大体同じです。

・凍れる時の秘術:由来はダイの大冒険の「凍れる時間の秘法」から。

・集束フレイム:由来はダイの大冒険の「収束ギラ」から。

・ボウナス支給:ボーナス支給を弓でナスを配るにかけてもじっただけ。「ボウナス」そのものは『巡り廻る。』の食料品アイテムが由来です。

・被害妄想:由来はFE風花雪月のベルナデッタの固有パッシブスキルから。発動条件と効果範囲こそ違いますが攻撃力+5になるところは同じです。

・パンチ, キック:由来はサガシリーズの同名の技から。

・通打, あびせ蹴り:由来はライブアライブの森部のじーさんの奥技!

・コメット, ストップ:由来はファイナルファンタジー シリーズの時魔法。

・バーン:火傷を意味する英語(burn)とダイの大冒険の大魔王バーンから。

・パリイ:由来はサガシリーズの同名の技から。

・ソードインパルス:由来はフェーダ エンブレム・オブ・ジャスティスの主人公であるブライアンが使う必殺技から。

・月花の太刀:由来はサガフロの月影の太刀+三花仙から。演出も真似しています。カッコイイぞ。アイスさんの風雪即位付けと連携すると特殊連携となり、技名が「乱れ雪月花」または「風花雪月」に変わります。

・竜闘気:由来はダイの大冒険から。なすーんが纏っている青いオーラはアニメの演出を参考にしています。

・復讐の爪:由来はFE風花雪月でベルナデッタが使う槍戦技「復讐」から。

・ミラーコート:由来はポケモンシリーズの同名の技から。

・生命の雨:由来はサガフロの同名の技から。

・世界の合言葉は森:由来はサガフロ2の同名の技およびアーシュラ・K・ル・グィンの著書名から。

・飛燕剣:由来はサガフロの同名の技から。

・マッスルハンマー:HAMMER AXE!

・分け身:由来は空の軌跡SCの剣帝レーヴェが使う技から。

・ブラックカース:由来は聖剣伝説3のシャルロットが使う魔法から。性能は『ふしぎの城のヘレン』のラスボスが使う最大HP減効果の魔法「カース」です。ブラックバイソンが使うカースだからブラックカース。

・屍兵突撃:由来は『玉露の続き物』のブラックバイソンの技「全力突撃命令」から。

・ソーンストーム:由来は『玉露の続き物』のグリーンサイの同名の技から。元ネタでは敵味方関係なくツタでランダム対象に連続攻撃する技ですがそこは再現せずただの全体攻撃にしました。先にブラックバイソンを倒してグリーンサイだけにしないと使ってきません。

・ワイドアブソーブ:由来は『玉露の続き物』のグリーンサイの技「ワイドドレイン」から。先にブラックバイソンを倒してグリーンサイだけにしないと使ってきません。

・ブレイズキック:由来はポケモンシリーズの同名の技から。

・烈殺炎龍波:由来はエンリュウ+『Monster's Streich』の村人パンダが習得する技「烈殺波」から。

・強力防御:由来はRTPデフォデータベースから。エンリュウはデフォで防御が被ダメージ4分の1に減る強力防御持ちです。

・ヴォーパルナイフ:由来はロマサガ2のヴォーパルソードから。性能は『ふしぎの城のヘレン』の確実な短剣です。

・爆堀り:ゴメスオチで大爆発ニュークリアⅢするならゴメスが普通に堀っても爆発するんじゃないか? →「堀ったら爆発…バクホリ(Fanastasis)か!」→ 爆堀りになりました。

・氷弾爆花散:由来はダイの大冒険の氷炎爆花散から。

・カス魔法撃ち:由来は『新約・帽子世界』のカス魔法みだれ撃ちから。

・極大魔法ファイスローア:由来はダイの大冒険の極大消滅呪文メドローアから。メドローアはいいぞ。

・あなたの体力ちょうだい?:由来はライチの決め台詞「あなたの体ちょうだい?」から。

・腹パンガード:やみっちの持ちネタ「腹パン」から。

・脳天割り:由来はサガシリーズの同名の技から。

・天地の構え:由来はダイの大冒険の天地魔闘の構えから。

・跳弾, 十字砲火:由来はサガフロの同名の技から。

・至高の魔弾:由来は女神転生シリーズの同名の技から。


仲間/エネミー編

・アイスさんのキャラ設定に特定のモデルはありませんが、それでも二作品挙げるなら『アレックスと最終戦争と9人の少女』と『アシュリー冒険記』の影響は少々あると思います。銃と魔法を組み合わせた戦い方がクールで好きですね。作品によっては剣と魔法を組み合わせて戦うアイスさんもいますし、銃, 剣, 魔法三種類すべて扱うアイスさんもいてシステム面で本作の主役としてピッタリでした。

ちなみにアイスⅢというキャラを最初に知ったのは2009年に『はにょう8』をプレイした時です。聖キャロライナ公国軍にかわいい子がいるなぁと思ったことをよく覚えています。フレイムさんも『はにょう8』が初です。

『はにょう8』のアイスⅢ


・アシュリーは『アシュリー冒険記』の設定、性格やアイスさんとの関係を参考にしました。何の魔法使いか作品により変わりますが、性能面の面白さをとって時魔道士にしました。クリア後に時魔道士の先輩であるアゼクラと時魔法対決できたらいいですね。


・フレイムさんのキャラ設定に特定のモデルはありません。性能は『アニキとチビスケ』のチビスケです。敵の攻撃から守ってもらいながら後列にいて強力な魔法を唱えるイメージですね。


・ブライアンのキャラ設定も特定のモデルはありません。性能は『アニキとチビスケ』のアニキです。前列で体を張って敵の攻撃を受け止めるタンク職の勇姿はいいぞ。


・ニンニンは魔王把握で大量の分身を出したり、シリアス展開では密偵したり戦闘も強かったりとなんでも万能にできるイメージがあります。そんなイメージを形にしたら本当に万能キャラになりました。双属性攻撃がかなり強いので月花の太刀を双属性攻撃にするか調整に迷ったのですが、双属性にして良かったですね。さすが魔王軍四天王! ちなみに私が魔王軍でニンニンを好きなキャラになったのは見るゲ『M.M.』が最初のきっかけで、次いで『去り行く運命』作者様の影響が大きいです。


・なすーんのモデルはFE風花雪月のベルナデッタ、今は亡きFE封印のバグの「のもと」という守備力アーマーナイトなアーチャー(はまだの親戚)、ダイの大冒険の竜の騎士です。VIPRPG設定だけでも お野菜ドラゴンで属性過多なのにベルナデッタの臆病な性格と性能まで盛ったら本作屈指の人気キャラになりました。もうダメだああああ~~~!


・サモンは設定的に言うと知識・経験方面は豊富でも魔力・戦闘力はあまり高くない人物です。魔法具現化と一体も契約していない時点でお察し。『SA:A』(VIPRPG夏の陣2021 No.40)に登場する才無きサモンが好きで、魔法使いとしての生まれ持っての才能は低かったが画期的な大発明により世の中を変えた生い立ちを真似しています。その点で生まれつき天賦の才能にあふれていて魔力量が桁違いに多いキャロルは対照的な存在だったりします。
 頭脳・発想特化=サモン
 魔力・才能特化=キャロル
みたいな感じ。


・1章のアーディス戦は少しだけ『ふしぎの城のヘレン』リスペクトです。ヘレンはニューゲームすると森スタートで近くにアーディスが立っているので。まあヘレンではアーディスとの戦闘はありませんが…

・2章で戦うジャンヌ&女兵士さんコンビは『女兵士さん奮闘記』シリーズリスペクトです。『女兵士さん奮闘記』シリーズはいいぞ。

・2章で敵として登場するブライアンはうっかりや?だから火傷になってもクールドリンクを飲むのが少し遅かったりします。そこをアシュリーで妨害すると…? ブライアン以外の火傷弱点でクールドリンクを飲む敵(ブリザルドなど)は火傷になったらすぐに飲みます。すぐクールドリンクを飲むタイプの敵に対しては火傷ダメージをトドメで入れる戦法がお勧め!

・2章で戦う兵士の敬礼はロマサガ2 アバロン帝国兵士のセリフと同じです。

・3章で戦うミノタウロスが吹っ飛ばれるときのセリフはFE風花雪月のディミトリとラファエル支援会話から。

・5章で戦う聖騎士団の亡霊は『去り行く運命』リスペクトです。といっても『去り行く運命』のコンラートは亡霊でも何でもないのでポテチ修道騎士団からカナエール聖騎士団に変えるにあたってかなりアレンジ入れてます。

・6章で戦う玉露五将軍のLPは『玉露の続き物』のHP設定値と同じ比率だったりします。グリーンサイ(LP378)、ブリザルド(LP282)、アグネファイア(LP256)、ライスパーク(LP228)、ブラックバイソン(LP186)の順に体力があるところや、ブラックバイソンの2倍以上グリーンサイの体力が多いところはそのまま『玉露の続き物』由来になります。

・終章の勇者一行7人はLPの値を見ればレベルが推測できるようになっています。デフォデータベースからLPの数値を決めたからです。
 アレックス Lv35:LP407
 キャロル Lv35:LP301
 デイジー Lv32:LP277
 エンリュウ Lv32:LP458
 ファルコン Lv32:LP328
 ゴメス Lv35:LP312
 ヘレン Lv35:LP262
せっかくデフォ能力値があるんだから活用しました。

・終章で戦うことになる勇者一行の組み分けはゴメスが女性と組みたがらない&エンリュウとファルコンもゴメスと組みたくないからアレックスがゴメスとのコンビを引き受けたみたいな裏事情があります。

・ファルコン&ヘレンチームはどちらも『ふしぎの城のヘレン』を元ネタとして参考にしながら作りました。ヘレンといえば防御無視の技が強いから、あの二人なら連発してくるだろうというイメージがあります。野生の猿すき。『ふしぎの城のヘレン』のヘレンの戦いかたをガンビットAI再現したらこうだろうか?という感じで、やりたかったことのひとつでした。

・ファイア&ブリザードのファイアは魔人探偵脳噛ネウロの葛西善二郎が元の人です。ブリザードの方はおそらくダイの大冒険のフレイザードを元ネタとして作られたキャラ。二人とも登場させようと考えた最初の理由はラストバトルのラスボス取り巻きにするためです。

・キャロルはラスボスなので過去設定を盛って天才にしました。このくらい天才でないと極大魔法ファイスローアは使えるようにならないだろうというイメージがあります。
多くの作品においてキャロルが契約している魔法具現化はフレイムさんのみかフレイムさん+アイスさんであることがほとんど(作品によっては毒霧魔法の具現化ミストラルとキャロルが契約している設定もあります)。フレイムさん、アイスさんの二人に加えてファイア、ブリザードとも契約している設定としたのは、たくさんの魔法具現化と同時契約できる才能があることと、出自が孤児であるキャロルにとって魔法具現化たちに対して家族という存在を求めていると描写したかったからです。

・わてり&ウィンディ+やみっち&ライチ戦で「♪ interwoben Two Fate」が流れるのは『エンチャントファーム』リスペクトです。

・コンフューズ&シャシコ戦は『窓から見える』リスペクトです。神見るゲなんでぜひPIAIしましょう!


進捗振り返り

下準備(0日目)

最初のスタートは企画書作りからでした。そもそも個人制作で企画書は作成不要なんですけどね(アピールして企画を通す必要がない、他の開発メンバーと方針すり合わせする必要がない)。企画書に憧れがあり一度作ってみたかったんです。自身の脳内企画会議を通すための判断材料でもあります。


その後、開発決定した段階でスムーズに制作を進められるようにシステムの仕様書作りに取りかかりました。だいたい一週間くらい。変数やスイッチの番号割り当て、自作戦闘の開始から終了までの処理フローや画面遷移にボタン操作、戦闘システムの仕様など可能な限り決めていきました。

実際に戦闘システムについて書いた仕様書メモの一部です。
すべて開発開始前に決めたわけではありません(免疫状態など)が、
できるだけ細かく決めておくと仕様変更に伴う修正が少なく済みます。

得意:システム作り (自作戦闘が作れる程度) , テストプレイ, デバッグ
やや得意:データベース・パラメータ設定, バランス調整
普通~やや苦手:マップ作り, 戦闘アニメ作り, UI
苦手意識あり:シナリオ作り, 会話イベント作り, キャラ動作指定
ほぼできない:ドット絵 (微改変や色変更、小アイコンならなんとか…)
全くできない:普通の絵, 作曲, 効果音作り

以降、進捗振り返りへ入る前に私のゲーム制作スキル(主観)をまとめておきます。
素材を作る能力が皆無なためVIPRPG素材保管@Wikiには たくさんお世話になりました!


システム作り(1~53日目)

2021年6月13日に開発スタート! 上記発信から長い進捗ツリーが始まりました。制作ツールはSteam版RPG Maker 2003+Maniac Patchを選択。Steam版のRPGツクール2003は2023年12月現在Steamから2300円で買えます。セール中なら数百円で購入できるときもあります。 

このSteam版ですが、そのまま使うと英語版しかなく日本語のゲームが作れません。しかしmodを使った非公式の機能拡張が認められており、氷山羊(@BingShan1024)氏によって開発されたManiac Patchを当てると日本語化+とても高機能になるのです。ピクチャ1000枚表示可能、スプライトシートで簡単にピクチャアニメが可能、文字列ピクチャ機能、変数や条件分岐に計算式が使えるなど様々な便利機能が搭載されています。詳しくはVIPRPG@総合制作技術Wikiを見ましょう。Maniac Patchの当て方も書いてあります。
本作の場合はイベントコマンドを駆使して自作戦闘を作るわけですが、RPGツクール2000で作る場合と比べてイベント処理を簡略なプログラムで組めるから10倍は楽に作れます。誇張なしで神ツールです!

スケジュールについては、作るからには長く続けて必ず完成させるべく休日に作業して平日は作らないサイクルを定めました。とにかく休日は必ず制作日です(物理的に時間がとれない時やウディコンの季節は例外)。
モチベが低いとか少し調子が良くない日も制作します。手を動かしていれば案外モチベは後からついてくるものです。もう半分くらい仕事だと意気込んでやりました。完成まで続けられたのは平日に作らず無理しすぎないようにしたことが良い息抜きになったと感じます。


3日目にして大まかな戦闘画面レイアウトが出来てきてますね。こちらのツリーはある程度まとまった作業単位で進捗を公開するとき使うようになりました。「なんか作り始めた」ツリーのほうは、17日目くらいから作業した日は毎日進捗報告する方針に固めてます。

作業した日に毎日、進捗報告するようにした理由は記録を残すため。あとは開発する様子を積極的に公開することで作品の知名度向上につながると考えたからです。もう一つ、プレイヤー側の心理として開発進捗があまり上がらないと本当に作ってるのかな?とかエターなったのかな?とか心配になるじゃないですか。順調に進んでると定期的にお知らせする意図もあります。

後に「#スーパーゲ制デー」と「#プレミアムツクールデー」にも毎月進捗報告を上げるようにしました。開発開始から2023年12月現在までに、Twitter(X)のフォロワーが1000以上は増えたのでかなり宣伝効果があったのではないかと思われます。なお、進捗公開の効果は作品の知名度アップであってプレイしてもらえるかどうかは別です。面白い作品を作ることが一番大事! あと普段から他の作者様のフリゲをたくさんプレイして感想を残す習慣を付けるといいかも。

進捗は日数単位でまとめてますが時間測定するのが面倒だっただけです。
だいたい作業日 一日あたり5時間~10時間くらい作ってきたので、開発した累計時間に変換する場合5~10を掛けると算出できます。


15日目で戦闘が動くようになり、29日目には自作戦闘が8割ほど形になったようです。自作戦闘の処理は『Monster's Streich』から使い回せるものは流用して作ったのでスムーズに進みました。余談ですが『Monster's Streich』の自作戦闘はどうやって作ったかというと、RPGツクールシステム研究室というサイトで勉強しました。今でも少しは参考になるかも?

『アイスさん探訪記』は『Monster's Streich』よりもシンプルな自作戦闘にできたと思っています(作者基準で)。もしどういう風に動いているか処理の中身が知りたい方いれば質問頂けたら可能な範囲で教えます。自作戦闘を作れる人は どんどん増えてほしいですからね。自作戦闘はSteam2003で作る自作システムのなかでは(極めて技術の高いアクションやSRPG、シューティングと比べたら)簡単な方ですよ!

もしSteam2003Maniacsを持っていて
プロジェクトを開いて自力で中身解析したい方は、
戦闘マップ左下のピンクのマップイベント群を最初に見ると良いです。


突然のワールドマップ作り! 時には やりたい作業を先にやるのもいいぞ。


30日目過ぎくらいから自作戦闘システムの仕上げをしつつアイスさんの戦闘モーションを組んでいました。どのくらいアイスさんの武器を用意するか、その武器数ならいくつ技を作る必要があるか、どのキャラと全部で何回くらいバトルするか等を見積もり、全体のボリュームを決めようと模索していた時期でもあります。

全部で7章構成となるのは企画書の段階で決めていた一方で、一つの章あたり何回バトルするかが悩みどころでした。最終的に3戦(1章と終章は4戦) するボリュームとしたのは、2戦だと少なすぎるし4戦だと大ボリュームで作りきれるか不安があったからです。あと魔王軍やナイ軍など、キャラ数の多い勢力は主要キャラすべてとバトルできないため誰と戦わせるかも悩みました。ナイ軍とは偽四天王と戦うのに魔王軍の四天王とは戦わず中堅幹部キャラとのバトルにしたのはゲームの難易度的な都合です。攻略順の関係で先に魔王軍四天王と戦ったらその後のナイ軍偽四天王との戦いが少々格落ち感あるじゃないですか。「魔王軍は人材豊富だから魔王把握祭を若手育成の機会として使っている」という設定にしておきました。


38~53日目まで自作メニューと店の処理を作って、最低限ゲームとして成立するシステムとデータベースは出来上がり! SmokingWOLF氏の『ゲームを完成させる作り方』はよく参考にしました。この記事でいうところの「最低限の骨を作る プロトタイプ」システム部分が完成したわけです。

制作初期の段階からゲームのボリュームを決める手法は完成させるにあたってとても有効なので気に入っています。53日目の段階で本編のボリュームはもう確定していました。確実に完成させるために、本編(ver.1)を一本道シナリオにしたうえで本編で実現できない要素をすべてクリア後(ver.2)に回して本編公開後から二段階開発する方針に決めたのもこの頃でした(本編でバトルしないと決めた各勢力トップや魔王軍四天王はクリア後に戦えるように、道中の寄り道マップ的な町に入れないよう移動制限する等)。


マップ&イベント作り(54~85日目)

システムとデータベース作りが一段落して本編マップとイベントシーン作りに入った時期がこの頃から。システム作りが得意分野のゲーム制作者によくあることとしてシナリオライターに相当する作業が苦手なんですよ。はい、私もそうです。なので完成に向けて最大の障害である最も苦手な作業を集中して最後まで作ることにしました。戦闘は体力1のダミー敵を置いて一撃で倒せるようにし、イベントシーンだけ最後まで完走する作り方ですね。

バトル特化のRPGにする関係上、戦いたい相手と戦う状況に持って行けるかが最優先として物語は後付けで魔王把握祭を考えました。ちなみに魔王把握祭の直接の由来は『アシュリーとマオウハークの奇祭』というアシュリーとアイスさんが活躍する短編作品からです。魔王把握ksgへの自身の認識が、何故やるのか意味不明な儀式だったところに「お祭りにすればいいんだ!」と良い気付きをもらえました。


79日目。終盤までイベントシーンが作れたこともあり完成の見通しが立った時期です。完成の見通しが立ったのならそろそろ重要な部分はコミッションで素材作成を依頼しようと考えました。コミッションに使う予算は5万円以内と決めて、重要と考える二つのものを依頼しました。一つは作品の顔であるタイトル画面。もう一つは最高のラストバトルを演出する戦闘BGMです。

まずタイトル画面から。ロゴ作りは初めてだったので作り方をTwitterで聞いてみたところ「LOGO!」というソフトの存在を知り、これを使えば自作できそうだと判断して自力で作りました。
次は誰に絵を依頼するかですが絵柄の好みはもちろん重要ですし、それ以上にタイトル画面の構図やデザインが上手な人に頼みたいと考えました。それで浮かんだ絵が「うしろまえ雑貨店」様の作るゲームのタイトル画面です。
2022年3月20日に最初の依頼連絡を入れて描いて頂きました。


それで出来上がったものが本記事の表紙にもなっているこの絵になります。うーん、かわいい! 依頼とその後の打ち合わせはSKIMAで行いました。こちらの要望を素早く的確に反映してもらえましたし、さらに先方から画面の見栄えをさらに良くする提案(上下の黒い帯など)を頂いたりもしました。打ち合わせが不可能なSkebではこうはいかなかったと思います。
依頼して良かった!!

ラストバトルBGMの作曲依頼については次の期間の方にまとめます。85日目時点で全体進捗7割と当時は書いたものの、公開まで作業日数155日かかったから実際は55%くらい。ゲーム制作は進捗7~9割に達した終盤からが意外と時間かかるといいますが本当でしたね。


仲間&エネミー作り(86~116日目)

SmokingWOLF氏の記事でいうLv2 肉付け作業を進めていきました。仲間とエネミーを作る作業は、ここまで骨組みだけだったゲームに血が通って実際に遊べるものになっていく確かな実感があり作っていて最も楽しかった時期かもしれません。ゲームの大枠は85日目までにすべて出来ているので迷うことなく着実に仲間とエネミーのデータを増やしていけました。戦闘モーションだけ先に作っておいたアイスさんの技の攻撃力や防御力など具体的な数値を入れていったのもこの頃です。

それと並行して2022年4月8日に「Moon☆Wind」の歌崎 月人様(当時は月人様)にラストバトルBGMの作曲依頼を出しています。「♪キャロルのテーマ」と「♪アイスさんのテーマ」を混ぜてラストバトル風にすること。あとラストバトルのイントロとなる前半ループ曲と後半ボス曲の二つにファイルを分離して二つが自然につながるオクトパストラベラーのバトルエクステンドのようにしたいとお願いしました。依頼文を書く際は下記ブログを参考にしています。

出来上がった曲がこちら! 原曲「♪キャロルのテーマ」と「♪アイスさんのテーマ」の作曲者であり、バトルエクステンドのようなインタラクティブミュージック作りを得意とする月人様の手で素晴らしい曲になりました。


116日目。Lv2 肉付け作業が終わりました。2022年ウディコン開催日が迫り一ヶ月ほど制作中断になりそうだったので、いつでも完成と言える状態にできてほっとしたことを覚えています。2022年12月にVIPRPG紅白2022で公開すると決めたのもこの頃でした。


仕上げ&デバッグ(117~155日目)

SmokingWOLF氏の記事でいう Lv3 磨く 作業に入りました。リザルト画面や実績トロフィーなどやりたかった要素が次々と実現してこの時期も楽しかったですね。リザルト画面はピクチャを大量に表示できるSteam版RPGツクール2003の本領発揮といえましょう。


本編はもう完成しているので、スケジュールに余裕を持ってテストプレイしていきたいと考え公開2ヶ月前のタイミングでクローズドβテストのテストプレイヤーを募集しました。集まった12名のメンバーがこちら!(応募順)

以下、テストプレイヤーの方々を勝手に何名か紹介させて頂く。

ノンジャンル人生さんは、もぐらゲームスに記事がたくさん掲載されているライターの方です。『Spirit Crown』というフリゲも公開されてます。

藍さんは、きれぼし脳とヴェスサガ繋がりで私と交流がある方です。
ヴェスタリアサーガソートはいいぞ。

三石さんは、VIPRPGにてアーケンこと暗黒の戦士や魔王軍が活躍する見るゲを制作されている方です。アーケン格好いいぞ。

メルヘンポコ助さんは農業SLG『憧れ歩く畑道』を制作されている方です。
アストロノーカはいいぞ。

ソルトさんはnoteで様々なフリゲ等の感想を発信されている方です。
本作の紹介・感想も書いて頂きました。ありがとうございます!

Masaqqさんは『アドリブ・ロール』『フォゲコマ!』等を公開されている方です。ウディコン参加常連。斬新なゲームが多くて好き。

アラン・スミシーさんはVIPRPGにて『モンスターズ・カーニバル』を公開されている方です。DQモンスターズらしさがいいぞ。

しろいわにさんは『斧娘 プリティアックス』や『プリティアックス外伝~斧姫~』等を公開されている方です。直近のVIPRPG外の活動を挙げましたが、なんとVIPRPGにもたくさんの公開作品があります。金!暴力!AXE!

星をみるねこさんは『ロマンシングステラバイザー』を公開されている方です。星をみるひと愛とフリゲ愛にあふれており「フリゲ茶会」という企画も不定期に主催されています。

うしろまえ雑貨店さんは、ウディタやSuika2を使用して多くのフリゲを制作されている方です。タイトル画面の絵を描いて頂けただけでなくテストプレイにも参加してもらえました。ありがとうございます!

KENさんは『イリスのゲーム』を公開されている方です。『イリスのゲーム』は戦闘が楽しい神ゲー! じつはnoteの「イリスのゲーム・制作記録」を読んで「自分も新作フリゲ公開したら制作記録を書きたいなー」と思ったのが本記事ができる原動力となっています。


135日目くらいからクローズドβテストが始まり、テストプレイ報告を受けては ひたすらデバッグ していました(プレイ報告とりまとめは上で振り返ったアンケート回答がとても役に立ちました)。じつはバグ報告はそんなに無く、要望を受けての機能追加や遊びやすさ改善、バランス調整がメインでした。もしバグだらけだったらそれらの修正に追われただろうと考えると事前の自力テストプレイはやはり大事ですね。自分を含めて13人でワイワイ楽しく一つのゲームをプレイし合って意見交換する貴重な場になりました。熱意ある感想をたくさんもらえてとても楽しかったと同時に本公開へ向けて自信が付いてきたことを覚えています。

↑ テストプレイ期間 当時の手ごたえ


テストプレイ期間も末期の12月に入ってからは実行ファイルのウイルス誤検知回避のためにRPG_RT.exeを64ビット版化する修正対応を行いました。じつは2023年12月現在、Steam2003 Maniac Patchの公式サイトからダウンロードできるpatch_maniacs_211010バージョンは最新ではありません。

最新版パッチと64ビット版RPG_RT.exeはManiac Patch開発者である氷山羊氏のDiscordにあります。最新版にするだけでウイルス誤検知の悩みから解放されるのでお勧めです! 64ビット版にする方法がわからない方いれば、質問頂けたら知っている範囲で教えます。誤検知問題、解決してほしいですし。


155日目にして完成&公開! 開発期間は一年半でした。
おそらく775~1550時間くらい作ってきたことになります。


クリア後要素作り(156日目~)

2023年2月4日に制作再開してクリア後コンテンツ作りが始まりました。休日に作業して平日は作らないサイクルだったところ、週に一回だけ休日一日を使って制作していく方針に変えたため約半分にペースダウンしましたが順調に進んでいます。11月まで9ヶ月かけクリア後マップ作りが完了しました。


今後の更新予定

クリア後コンテンツはフリーシナリオになる予定です。各地を自由に歩き回り、RTP大陸各地の人々や仲間と交流したり強敵とバトルしたり…。一つシナリオが終わったらモチペン君が日記を書いてくれます。先出し情報として、現時点で実装が内定しているシナリオをいくつか以下に挙げておきます。

・玉露魔法都市 出張講義シナリオ(アシュリー掘り下げ)
・ネルマエ神社 訪問シナリオ(フレイムさん掘り下げ)
・ダーク傭兵団 訪問シナリオ(ブライアン掘り下げ)
・魔王軍 四天王対抗戦シナリオ(ニンニン掘り下げ)
・ナイ軍 ナス栽培 新人教育シナリオ(なすーん掘り下げ)
・緑化委員会 遺跡探索シナリオ(サモン掘り下げ)
・冥界 訪問シナリオ(カナエール聖騎士団 掘り下げ)

その他、戦闘なしの小規模シナリオをいくつか予定

実装内定シナリオは今後の開発状況によって変わる可能性があります。あと各シナリオを進めていくとその勢力のトップ(魔王やアンデッドナイなど)と腕試しで戦えるようになる予定です。


① システム改修
② NPC設置
③ イベント作り
④ エネミー作り
⑤ 仕上げ&デバッグ

クリア後コンテンツ作りの残作業はこのようになっています。あと1年か、長くとも2年以内にver.2公開できたらいいですね。気長にお待ちください。物理的に時間がとれなくなるような私生活の変化がない限りは、クリア後コンテンツも必ず完成させるべく制作を進めていきます! ここまで長文にお付き合い頂きありがとうございました。


ΩND


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