先日の週末シーフードクッキング。OKストアの鮮魚コーナーで鯛の柵、アジの刺身。ニュージーランド産の美味しそうな白ワインを1,400円ほどで見つけたのでそれも購入。このワインが大当たりだった。

鯛は最近、刺身やカルパッチョで食べていたので味の変化をと思い、昆布締めにしてみる。

思いついて調理方法をネットで調べると、柵だと半日、一日ほど昆布に挟んで待つ必要があるよう。刺身にして昆布が当たる表面積を大きくし、さらにロールケーキのようにグルグルと巻いて時短クッキング。

小一時間でしっかりと昆布の風味が染み込んでいた。

アジの刺身は生姜まで付いていて開ければすぐ食べられる状態のもの。生姜が好きなので冷蔵庫から生姜チューブをスタンバイする。

合わせたワインはOKストアで購入した①ニュージーランド南島のワイパラのピノ・グリ品種に加え、②イタリア マルケ州のヴェルディッキオ品種、③南アフリカ ステレンボッシュのソーヴィニョン・ブラン、④イタリア サルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種。

①シャーウッド・エステート, ストラタム, ピノ・グリ, ワイパラ, ニュージーランド, 1,452円
Stratum, Sherwood Estate, Pinot Gris, Waipara Valley, New Zealand, 2022, 13.5%,

香りにはみずみずしく陽気なグリーンアップル、ピンクグレープフルーツ、白桃、グァバ、ライムの真っ直ぐに伸びるような果実香、黄色い花、軽やかにセルフィーユのハーバルなタッチ、微かに白胡椒、還元的な火薬の香りも。
風味にはみずみずしく伸びやかでハリのある万人が好きな親しみのある果実味、果実味の上品で柔らかい甘み、酸味は穏やかでアプローチャブルでチャーミングな柔らかい残糖、余韻にはドライな柑橘果皮の香りが鼻腔抜けていく。開けるまでスーパーのワインと舐めていたが（失礼！）驚異のコストパフォーマンス。1ヶ月間このワインで通せる。

②ウマニ・ロンキ, ヴェッキエ・ヴィーニェ, ヴェルディッキオ・ディ・カステッリ・ディ イエージ・クラッシコ・スペリオーレ, イタリア, 2019, 3,128円
Umani Ronchi, Vecchie Vigne Verdicchio Dei Castelli Di Jesi Doc Classico Superiore

マルケ州のヴェルディッキオは魚介によく合うとされ、魚の形をしたボトルでも知られる。
香りには軽快で繊細なグレープフルーツの柑橘、グラスを回すと一気に快活な香りに、ライムやオレンジピール、柑橘果皮のビターなニュアンス、白い花も。
風味の凝縮感はやや軽快な印象、シャープな酸味、余韻にはビターなニュアンスのグリップ感と潮を感じる塩味がゆったりと広がり、微かに干しワラ系のスパイシーなニュアンスが鼻腔を抜ける。

③ライナカ バイオダイナミック ソーヴィニヨン・ブラン, 3,168円
reyneke, sauvignon blanc, organic, Stellenbosch, South Africa, 2019, 13.5%

香りには刈りたて芝の鮮明なグリーンなフレーバー、グリーンペッパーがトップノーズを支配、青々しいハーブ、果実香はピンクグレープフルーツ、海岸を歩いているような潮っぽい香りも。
風味にはみずみずしくバネのある果実味、やや明瞭な酸味、やはり鼻腔を抜ける支配的なグリーンなノートにほのかに樽のニュアンス、一貫してドライな口当たり、非常に個性の明確なワインで好き嫌いが割れそう。古いフレンチオークで天然発酵しそのまま澱が入ったまま7ヶ月熟成（シュール・リー）。

④サンターディ ヴィッラ ソライス 2020, ヴェルメンティーノ イタリア, 2,244円
Santadi, Villa Solais, Italy

イタリアで最も権威あるワインアワード「オスカー・デル・ヴィーノ」（イタリアソムリエ協会主催）にて、イタリア38万ワイナリーの頂点「最優秀ワイナリー」の栄誉に輝いたワイナリー（2015年）。
香りにはグレープフルーツ、ライムなどの青い柑橘果皮、青いマンゴーの皮、磯の香りを非常に明快に、海水に浸かった貝殻をかいでるかのよう。
風味にはやや軽快な果実味、酸味は中庸ながら果実味をしっかりと統制、余韻にかけて柑橘果皮のようなビターなタッチを強めに。

先ずは鯛の昆布締めにワインを合わせていく。
①ニュージーランド ピノ・グリ品種。昆布のアミノ酸（グルタミン酸とアスパラギン酸）の旨味に、鯛の旨味が重なり口内は旨味のストームに。その余韻にワインが継ぎ目なく繋がり果実味の力強く展開していく。これだけ果実味が強いのに魚の磯の香りに全く喧嘩しないのは昆布の旨味の仲介とワインの懐の広さ。相性: ★★★★☆
②イタリア マルケ州ヴェルディッキオ品種。穏やかな果実味が鯛の旨味を盛り上げ活かす。①は余韻が鯛の旨味からワインの果実味に交代したが、このワインは最後まで二つの風味が共存。相性: ★★★★☆
③南ア ステレンボッシュのソーヴィニョン・ブラン品種。喧嘩はしないがワインのハーブ、グリーンペッパーが鯛の昆布締めの繊細な風味を圧倒。相性: ★★★☆☆
④イタリア サルディーニャ島ヴェルメンティーノ品種。心地よい組み合わせだがワインのハリのあるストレートな果実味は繊細な料理に相乗効果を生むまでには達しない。相性: ★★★☆☆

続いてアジの刺身生姜に。
①ニュージーランド ピノ・グリ品種。生姜が起点となりアジの旨味とワインの果実味が絶妙に繋がる。相性: ★★★★☆
②イタリア マルケ州ヴェルディッキオ品種。アジの繊細で穏やかな脂にワインの穏やかでみずみずしい果実味がフィット。相性: ★★★★☆
③南ア ステレンボッシュのソーヴィニョン・ブラン品種。生姜が仲介しアジに繋がるがワインのグリーンな香りが口内を支配。相性: ★★★☆☆
④イタリア サルディーニャ島ヴェルメンティーノ品種。ワインのハリのある果実味は生姜に調和し、そこからアジの繊細な脂に展開していく心地よい余韻。相性: ★★★★☆

昆布締めの穏やかな旨味に乗った鯛のリッチな脂、生姜で引き締まったアジの繊細な脂のいずれにもOKストアの1,400円ワイン、ニュージーランド南島のワイパラのピノ・グリが絶妙に調和。シーフードと合わせるワインは最近、イタリアの海沿いのものが頻出していたが、”そうだ、ピノ・グリがいたか！”と私の今後のワインセレクションに大きな影響を与えるであろう夕食となった。