思いを遺さない
あるご家庭でのお話です
過去帳(ご先祖の記録帳)に新たに書き加えようと思ったら
ひとり記帳漏れがあることが分かりました
私「お寺の記録からすると、おひとり抜けているのですが・・・」
Aさん「あぁ。その人は、父の後妻さんで、私は幼少期にその人にいじめられて
結婚した後も、私たち夫婦にひどいことばかりして・・・」
Aさんの中では、その後妻さんの存在はなかったことにしたいような思いでした
よほど、冷たくされたり、ひどいことをされたのでしょう
そうしたくなる気持ちは、分からないでもありません
でも、その思いを過去帳に記さないという、形として残すことで
Aさんは、いつまでも後妻さんを恨む気持ちが遺ることになり
後世に続く子孫にも、悪い影響があるでしょう
恨み、妬み、嫉み、そういった感情を、仏教では「愚痴」といいます
因果の道理を理解しない人は、愚痴の苦しみから抜けることができません
葬儀や法事で、お経を唱え、仏教を学ぶことで
亡くなった人も、生きている人も
愚痴の苦しみから抜けることができるのです
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