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6. 休息日/サハラマラソン2019

イムと一緒にゴールした時に、前に2人組のランナーがいたのだが、ゴール後のお茶(*1)のところで会ってびっくり、テントメイトのAさんと隣の隣のテントのSくんだった。2人はオーバーナイトの間中ずっと一緒だったようだ。

3人でテントに戻ると、先にゴールしていた仲間たちが「おかえりなさーい!」と迎えに来てくれた。そして、水のボトルとか重いものを持ってくれた。いつものことながら、本当にありがたいし、嬉しい限りだ。

足の裏、指の付け根部分に違和感を感じたので、足袋を脱いでみると、思いっきり穴が開いていた。

無理もないよなあ、今日まで200km近く歩いて来たわけだし。
こういうこともあろうかと、一応、替えの足袋ももう一足持ってきている。なので、明日のマラソンステージ、その翌日のチャリティーステージも問題ない。

しかし、足の裏(人差し指と中指の付け根部分)に違和感がある。触ってみると、どうもマメができ始めている様子である。足袋でほぼベアフット状態で歩いていて、着地はほとんどフォアフットだったからだろう。

さすがにオーバーナイトの後はダメージが大きいのだが、この日はほぼ1日ゆっくりできるので、ここで少しでも回復して、明日のマラソンステージに臨みたい。如何せん、今年は通年のマラソンステージと勝手が違う。

と、自分がオーバーナイトの最後の日本人だと思っていたら、テントメイトのイロキくんとOさんがまだ帰って来ていなかった。私がゴールしてから約1時間後に2人仲良く、元気に戻って来た。どうやら、途中のCPでゆっくり休んで来たようだ。

その後、最終ランナーがもうすぐゴールするからと、ゴールゲートに集合するようにとスタッフが言いに来た。

え?早くない?!

通年だと夕方くらいなのだが、今年は制限時間も短くなったこともさることながら、最終ランナーの戻りが正午くらいってめちゃくちゃ早くないか?

つか、今日に限って、むちゃくちゃ暑い。しかも、正午だ。
申し訳ないが、テントで、日陰でゆっくり休ませてもらうことにするよ。
最終ランナーを迎えに行った人に聞いてみたら、最終ランナーは香港人のグループだったそうだ。あ、彼らだったのか!

もう今日の楽しみは夕方頃に配られる世界一美味しいコーラ!しかない。

その時までテントでダラダラと過ごす。
イロキくんは例の彼の仕事がどうしても気になるようで、
「お願いですから、Oさん、彼に聞いて来てくださいよー。」
「えー、何で私がー。嫌ですよー。」
と、オーバーナイトを共に過ごした戦士たちが戯れあっておる。

「もし、ミーアキャットが上司だったらどうします?」
「え?部下じゃなくて、じょ、上司!?」

どんだけ彼のことが好きやねん!我がテント31の話題の中心は(ここにはいないのに)常に例の彼という不思議なことが起きている。

オーバーナイトステージでのイムのトラブル発生かと思いきや、その後に運良く救われたという話をすると、

「イムはそういう幸運を引き寄せる人なんだよ。それに引き換え、ミーアキャットはそういうものから見放されているんだよ。何てったって、彼のゼッケン番号が296で、憎む、だからねwww」

イロキくん、めっちゃ楽しそうやね。

あんまりにもミーアキャット、ミーアキャットと騒いでいるもんだから、隣のテントの人たちがある誤解をしてしまったそうである。(*2)

そして、ついに世界一美味しいコーラの時間!
働き者のイロキくんがみんなの分をまとめてもらって来てくれた。感謝。
テントメイトとみんなで一緒に乾杯し、世界一美味しいコーラをサハラ砂漠のど真ん中で堪能する。

あれ?イロキくん、そういや糖質制限はどうした?

さて、いよいよ明日は泣いても笑っても最終ステージ、このステージをクリアすると、フィニッシャーとして主催者のパトリックから完走メダルが授与される。

そして、ミーアキャット、衝撃(?)のラスト…。


(*1) 毎回ゴール後には甘いお茶が支給される。こんなクソ暑いところで熱いもん飲めるかよ!と最初は思ったのだが、これがまたとんでもなく美味い。しかし、お代わりさせてくれない。このお茶の味を日本で再現しようとしてもできない。現地ならではの味だ。
(*2)イロキくん曰く、うちらのテントからあまりにも「ミーアキャット」と聞こえてくるので、サハラ砂漠で誰かミーアキャットを目撃したのか?という誤解を生んだようである。

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