トリリンガル英語コーチが伝える、単語や文法を意識せずに、英語が話せるようになる方法
多くの英語学習者を苦しませているのが、言わずとも知られた SVO・ SVOC の存在です。どこかのスパイ映画に出てきそうな、格好良い暗号みたいですよね。
文法を完璧に使いこなせることが、英語を話せるようになる方法だと今まで教わってきたと思いますが、このSVO・SVOCを意識させてしまうことが、日本人が英語を話せない最大の理由なんです。
私も英語コーチとしてキャリアを始めた当初、このSVOを受講生に理解させるために、様々な試みを実施しましたが、なかなか自然に使えるようになりませんでした。
そこで、自分自身が英語・日本語を話せるようになった原体験を振り返ることで、日本人が英語を話せる筋道が見えてきました。
※母国語はスペイン語です!
私は英語コーチをしている傍ら、Jリーグの会見通訳も務めているんです。
そこで、私が同時通訳をしているときに無意識に心得ているちょっとしたコツを生徒さんに伝え始めたところ、彼らは文法にとらわれずに英語がスラスラと出てくるようになりました。
今回は、そのちょっとしたコツをみなさんにご紹介していきます。
コツ①:日本語と英語の特徴からしっかり押さえていきましょう。
曖昧な日本語 vs 具体的な英語
実は言語というのは、物事の表現方法によってグラデーション式に分かれています。これを「High Context(曖昧) vs Low Context(具体的)」と呼びます。日本語はその中でも、曖昧中の曖昧な言語に位置付けられています。つまり事細かに伝えなくても、相手に通じてしまうということです。
便利な言語ですよね。
一方で、英語というのは、日本語と違ってかなり具体的。
日本語と違っていちいち主語を付けないといけないし(誰の話をしているか)、察する文化が存在しないので、できる限り物事を事細かに伝えていく必要があります。
例えば、「早急にメールを送ってほしい」を英訳したければ、
「具体的な時間・分数」を伝えてもらうことを相手は期待します。
" Can you send me that email in 5 minutes?"
なので、日本語からそのまま英語に直訳してしまうと「曖昧な英語表現」になってしまうので、ミスコミュニケーションが生じてしまう。
ですが、この具体性さえ意識すれば、SVO・SVOCを意識しなくても、英文法が作れてしまうし、より伝わりやすい英語が話せるようになります。
まずは、英語の基本的な主語、以下2つを意識すれば大丈夫です。
①「誰が・何をしているのか」
② 何が・どうなっているのか」
その後ろに、好きな順番で、以下の情報を付け足していきます。
また、全ての情報を付け加える必要はありません。
いつ+どこで+誰と・に+どれくらい+なぜ
Let's Practice Together!
では早速見ていきましょう!
まずは、頭の中にパッと浮かんできた日本語を日本語①とします。
日本語①:今日暇だったんだよね~
この日本語①をそのまま英語にしようとすると、必ず「暇」という単語を訳そうとしてしまいます。
「暇」ってなんていうんだろう?
「単語が出てこない」→「自分には単語力がないな」
→「単語をもっと勉強しないと」→ 「なかなか覚えられない・・・」
といった、負のループに陥ってしまう訳ですね。
なのでこの日本語①に対して、具体的に伝えると?という一言を頭の中で
唱えてみます。この具体的な日本語を日本語②とします。
日本語①:今日暇だったんだよね~
日本語②:私は予定がなかった+今日
英訳:I had no plans + today.
日本語②:私はずっと家にいた+今日
英訳:I was at home + all day + today.
日本語②:私はやることがなかった+今日
英訳:I had nothing to do + today.
日本語②:私はテレビを見てた+ずっと+家で
英訳:I was watching TV all day + at home.
コツ②:相手に「映像を伝えるように話す」ようにする
では、次はあなたの番です。Let's try!
日本語①:駅はいつも混んでる
こちらの日本語を具体的にしてみてください。
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Thinking time...
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おそらく、以下に近い英文が出てきませんでした?
英文 ①:There are too many people in station.
英文 ②:There are many people waiting for the train.
英文 ③:The station is always full.
英文 ④:I cannot seat because there are too many people in the station.
ほら!今SVOとかSVOCとかを一切意識せずに、英文法が完成したでしょ?
まとめ
・日本語をそのまま英語に訳すと、ミスコミュニケーションが生じやすい
・頭に思い浮かんだ日本語を具体的にすると、英訳しやすい
・具体性が難しければ「画像」を伝えるようにすると良い
ちなみにこのトレーニング方法を繰り返していると、生徒さんから必ず
「日本語でのコミュニケーションも良くなりました!」という感想をよく頂きます。
英語でつまずくことが減るし、より伝わりやすくなるし、日本語でのコミュニケーション向上にも繋がるので、一石三鳥ですね!
それでは!See you next time!
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