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中国海軍の定期海上演習

はじめに

中国海軍は近年、一定の規模を持った季節ごと定期的な演習を周辺海域で実施している。それをここでは定期海上演習と呼称する事とする。それは先述した中でも2000年代初頭から定期的に行われているものもあれば2010年代後半から定期的になったものある。それについて艦艇部隊を中心に時期・期間/地域・各参加部隊のパターン・編成とそれぞれまとめていきたいと思う(随時編集)

演習の時期と期間

海上自衛隊によって撮影された055型駆逐艦南昌

定期的な演習とは基本的に春夏秋冬と季節ごとに行われる。
期間はバラツキがあるので一概に言えないが軍港の周辺海域等中国近海で実施する場合数日間。太平洋や日本海、南シナ海沖、東シナ海(琉球列島近海)で行う場合は数週間から1カ月に及ぶ場合が多い。

演習地域・海域

東シナ海、南シナ海、黄海、西太平洋が近年において定期的な演習海域になっている。先述した順に戦区海軍ごと並べると東部戦区、南部戦区、北部戦区、西太平洋はそれぞれ各戦区海軍が演習場所としている。

(via/@google Earth)

演習上展開する部隊のパターン

戦闘艦艇主体の演習の場合、駆逐艦×4+フリゲート×4=計8隻〜9ほどで構成される1個駆逐艦支隊の内、2〜4隻ほどの駆逐艦やフリゲート艦と言うケースが多く日本海や太平洋で訓練を行う際は補給艦を伴うパターンが複数件確認できる。中国から見て距離がある日本海上における演習においてコルベット艦が参加したケースは少ないが本来任務として想定している軽護衛艦としての中国沿岸部での訓練には護衛艦支隊から編成を組んで参加している事が中国側からの報道等で掴める。

901型補給艦

気になるのが演習前に現れる情報収集艦の動向で、海上演習の数日ほど前に東調級情報収集艦が先頭を切って航行をしている情報が防衛省統幕の発表により確認出来る。これは事前に環境・状況を下調べする為の可能性が高い。

海上自衛隊によって撮影された東調級情報収集艦

こちらも注目しておきたい話題の1つである遼寧を主体とした空母部隊による近年の動向。
2016年12月に空母遼寧部隊が初めて太平洋に進出して以降、徐々にパターン化された戦力化演習に変わっていった。2022年においても春季・冬季において300回以上にも及ぶ発着艦訓練を行なっている。

空母遼寧から発艦するJ-15艦上戦闘機

また、2022年春季(5月)の演習において空母に随伴する護衛艦が全て052D型や055型など防空型駆逐艦×4隻+補給艦×1隻+フリゲート艦×1隻と空母遼寧で構成されていた。

強襲揚陸艦や戦車揚陸艦を含む揚陸艦支隊も近距離戦を中心に意識した訓練を季節ごとに沿岸海域で実施している。

南海艦隊(当時)の揚陸艦編隊
075型強襲揚陸艦2隻による戦力化訓練

掃海艇部隊に関しても大連/舟山/湛江などの部隊が季節ごと編隊を構成し、沿岸海域で機雷除去、軍港等の港湾防護訓練を実施している。

終わりに

ここではあえて潜水艦支隊や救難部隊などの支援艦部隊の動向は触れませんでしたが何れ書こうと思います。(2022.12/27編集)

参考資料

防衛省統合幕僚監部:報道発表

中華民國:國防部報道発表

CCTV-7:国防军事报道

央视军事

解放军新闻

解放军报

中国军视网

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