食歴⑦葛藤の4月 -私は「夢見菓子」を続けられるのか?-

必要以上に気にしすぎて、断食を始める前の体重のピークをさらに超えることも出てきた4月。

私は本格的なフードアナリスト2級、製菓衛生師の試験勉強に取り組み始めました。

私はここでまたさらに追い詰められていきます。


食に対して無知な自分を思い知る

製菓衛生師の試験範囲はとても広くて、食に関する法律から公衆衛生、食品学、栄養学、製菓技術まで及びます。

私が釘付けになったのは特に食品学、栄養学でした。

そしてフードアナリスト2級に出てくる東洋医学や薬膳。

どの食品が体にどんな作用をもたらすのか。
食と体のつながりがどれだけ深いものなのか。


どうしようもない話ですが、偏食家としての歴史が長すぎた私は、栄養バランスのことなんて考えたことがありませんでした。
本当に食に携わる人間とは思えないほど私は無知で、無関心でした。

甘いものに特化している自分、というポジションを勝手に築き上げてしまい、
「私はお菓子屋だから、知らなくていい」と思い込んでいたのです。


お菓子屋にとって残酷な「栄養学」

なかでも一番打ちのめされたのが、栄養学。

当たり前のことですが、栄養素で言うと、お菓子って本当に無駄というか…
体に良くないものの集合体なんだなと思いました。

これまで、自分の中でも「お菓子はギフト」「特別な日に食べるもの」と、位置付けてきたつもりでした。

だけど少なくとも私自身にとって、それは日常で、主食と化していて。

それが油と糖の塊であることを知っているつもりで、全く自覚が足りなかったことを思い知らされました。

いくらほかの食品を食べないようにしたところで、体内で栄養素を分解することもできず、ひたすら私の体には醜い脂と糖が蓄積していくのです。


私は「夢見菓子」を続けられるのか?

だんだん、お菓子を作ることそのものが憂鬱になってきました。

「夢見菓子」は、明日に夢を見られるような夜を過ごしてほしいというコンセプトがあります。
そのイメージもコンセプトも、大好きな私の作品であり、これまでもたくさんの方に共有していただいたビジョンだったはず。

それなのに、自分で体に良くないと思いながら作っていていいのだろうか。

製造の休憩時間や終わったあとに、いかにして切れ端を食べないで済ませるかを考えるようになりました。

だけど、試作になるとそうはいきません。
食べて、判断して、また試行錯誤する。

美味しいものを作るのが私の仕事なのだから、当たり前です。

そして、お菓子は美味しい。

私が自信を持って世の中に提供してきたお菓子。

それなのに。

勉強すればするほど、じわじわと追い詰められていくのを感じました。

勉強そのものはとても楽しい。
当初の「焼き菓子屋としての知識不足」を解消するという目標にも着実に近づいていました。

だけど思わぬ副産物として、私は手放しにお菓子屋さんであることを楽しめなくなっていったのです。


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