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りそな 日本中小型株式ファンド (愛称:ニホンノミライ) ーアクティブファンドを眺めてみよう #22

アクティブファンドを眺めてみて、そのファンドから

「企業価値を探究しているか?」

そんなオーラが感じられるかをメンバーの皆さんにお尋ねするシリーズの第22回です。

前回はこちらです。

今回眺めてみるのは

りそな 日本中小型株式ファンド (愛称:ニホンノミライ)


です。このファンドの存在を知るきっかけは 日本株式インパクト投資ファンド でした。このインパクト投資ファンドについては #月次レポート研究所のポッドキャスト  で取り上げたので詳細は↓の記事をご覧ください。

このインパクト投資ファンドのレポートを見て、他のファンドはどんなだろうか、と気になって目に留まったのがこの りそな 日本中小型株式ファンド(愛称:ニホンノミライ)でした。ここから先はファンドのことを”ニホンノミライ”と呼ぶことにします。

ファンドは2018年9月の設定です。年に1回、9月に決算。昨年9月に第4期を終え現在第5期に入っています。

受益権総口数

受益権総口数の推移が「企業価値を探究しているか」否かとの関係は直接ありません(個人の考えです)が、ファンドへの受益者の支持を窺うことができるものと考えています。また、コンスタントに口数が増加しているファンドの方が市況にかかわらず「良い会社に投資できる」可能性が高いものと推測しています(個人の考えです)。

「企業価値を探究している」それがしっかり感じられるファンド、そうしたファンドがしっかりとした受益者の支持を得ていれば、相乗効果があるのではないでしょうか。

設定来の月次推移を表にしています。

2023年4月末の受益権総口数は79億口。2019年5月末には210億口だったのが今はその4割以下となっています。2023年4月こそ前月末比受益権口数が増加、ファンドへの資金純流入となっていますが、直近12ヶ月ではファンドからの資金純流出の月が8回となっており、受益者の支持をしっかり掴めているとは言いづらい状況と見られます。2023年4月末の受益権総口数は前年同月比では1割減となっていますし。

パフォーマンス

WEALTHADVISOR さんのデータを元に、調べてみました。

比較対象にしたのはTOPIXに連動するETF(1306)です。

ローリングリターン 1年

ローリングリターン 1年

緑の棒グラフがプラスの期間がニホンノミライがアウトパフォームしている期間です。データのある期間数は44。ニホンノミライの28勝16敗となっています。

まとめるとこんな感じです。

TOPIXに比べると値動きが激しいことが見てとれます。

ローリングリターン 3年

ローリングリターン 3年

緑の棒グラフがプラスの期間がニホンノミライがアウトパフォームしている期間です。データのある期間数は20。ニホンノミライの15勝5敗となっています。

まとめるとこんな感じです。

まだデータが少ないのでこれから、ですね。

交付目論見書

社会の構造変化に伴い生じる「社会的な課題」の解決にビジネスの観点から取り組み、持続的かつ安定的に成長することが期待できる銘柄を厳選して投資を行います。

https://www.resona-am.co.jp/fund/120009/pdf/k120009.pdf

「社会的な課題」。持続的かつ安定的。厳選。これらがキーワードだと読み取れました。


社会の構造変化に伴い生じた社会的な課題に起因するニーズは長く持続 するため、関連する市場や商品は大きな成長を遂げると考えている

経営者に着目し、ガバナンスの観点から経営者自身の利他性や事業・社会的な課題解決への情熱を含めた総 合的な信頼性を企業取材を通じて評価することで、その企業の需要サイドのニーズに応える力を見抜き、企業の成長性やその持続性を判断します。

ファンドの考え、スタンスが説明されています。

対話・エンゲージメントを強調しているのも大きな特徴です。

当ファンドの投資先企業は、優れた経営者が存在し、ガバナンス面を含めた評価ができる(経営者魅力度が高 い)ものの、対話・エンゲージメントによってさらに市場評価を向上させることが可能であると考えています。

目論見書から「企業価値を探究している」そんなオーラを感じ取ることができますか。メンバーの皆さんのご意見はいかがでしょうか。

月次レポート、運用レポート

月次レポートの中身ですが、しっかりとした説明が為されていると感じます。

2023年3月末の上位10社の紹介

投資先の上位10社の説明も「社会的な課題」と関連づけて説明されています。この月次レポートに加えて「2022年11月〜2023年1月の運用状況」について説明したレポートも提供されています。

投資先の投資開始時期が明示されています。株価推移ではなく業績に注意を向けてもらえたら、また、対話とエンゲージメントについてのコメントも欲しい、と感じました。しかし、こうしたレポートをしっかりとつくっていることは高く評価したいと思います。

残念なのはこれらのレポートのバックナンバーがWebで見当たらないこと。ファンドへの理解を深める助けになるのでレポートのバックナンバーが閲覧できるよう検討してもらいたいですね。

投資先の推移


各期末の投資先数の推移です。約40社でポートフォリオが構成されています。

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