楽天証券ファンドアワード、最優秀ファンドが決定!「国内株式部門」に注目。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/fundaward/
楽天証券で投票を受付していた「楽天証券ファンドアワード」の最優秀ファンドが決定しました。私は諮問委員会のメンバーとして選考に関わりました。すべての部門について「優秀ファンドの中から1本を選び」ました。
個人的に特に関心を寄せていたのは
「国内株式部門」
「海外株式部門」
でした。「海外株式部門」は優秀ファンド3本がすべてインデックスファンド、という何ともアラアラという状況でした。パフォーマンスの定量評価でこうなったのですから「しっかりしてよ、アクティブファンド」と言うだけです。
ということで「国内株式部門」
優秀ファンドに選ばれたのが
【DIAM国内株オープン】
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C00015B2
【利益還元成長株オープン】
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C00020T4
【スパークス・新・国際優良日本株ファンド】
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C0005F39
この3本でした。
私がまず確認したのは、資金の流出入状況です。
これを見ると、【利益還元成長株オープン】は資金純流入が1か月のみでそれ以外は資金が流出するばかり。これは評価できません。
一方で【スパークス・新・国際優良日本株ファンド】は2015年7月から急激な資金流入。これはこれで異常というべきかもしれません。
この時点で私は【利益還元成長株オープン】を選外としました。
続いて、目論見書、運用報告書、月次レポートをチェックしてみました。
まず【DIAM国内株オープン】
交付目論見書をチェックしてみます。
http://www.diam.co.jp/pdf/moku/313311_DIAM_kokunai_kabu_moku.pdf
ファンドマネジャーが
「自由」に運用スタイルを適宜選択する
これがファンドの最大の特徴のようです。であれば、どのような活動を行ったかということについて丁寧に説明する必要があるものと私は考えました。
運用報告書(全体版)
http://www.diam.co.jp/pdf/unho/313311_DIAM_kokunai_kabu_unho.pdf
なお、Webで公開されているのは直近のもののみです。
簡素に過ぎるのではないか、というのが私の評価です。
その理由は具体的な組入れ内容からもお分かりいただけるものと思います。
ここまで組入れ内容を1年で大きく変化させているにもかかわらず、報告書の説明はあれだけです。ファンドマネジャーが受益者から認められた「自由」に対して説明責任を果たしているとは評価できない、というのが私の率直な所感です。
月次レポートはどうでしょうか。
http://www.diam.co.jp/pdf/m/313311_DIAM_kokunai_kabu_m.pdf
どの銘柄がパフォーマンスに影響を与えたか、今後の運用方針が記載されていますが、肝心の今月「何を為したか」についての報告、説明は見当たりません。
では、【スパークス・新・国際優良日本株ファンド】を見てみましょう。
交付目論見書です。
http://www.sparx.co.jp/mutual/uploads/pdf/prosk-gen.pdf
愛称の通り、「厳選投資」が特徴です。
運用報告書(全体版)です。
http://www.sparx.co.jp/mutual/uploads/pdf/unyouz-gen.pdf
直近決算のもののみWebで公開されています。
ポートフォリオについて、個々の銘柄を取り上げて丁寧に説明されています。先に取り上げたファンドとは対照的なのはよくお分かりいただけるものと思います。
「厳選」されていることが見て取れます。
月次レポートも確認しましょう。
http://www.sparx.co.jp/mutual/uploads/pdf/gen.pdf
今月「何を為したか」についての説明はありませんが、運用状況、組入れ銘柄の現状についての評価が詳しく書かれている点は評価しました。
以上から、私は【スパークス・新・国際優良日本株ファンド】が最優秀ファンドに相応しい、という意見を提示しました。あわせて、冒頭に挙げた「異常な」資金流入の背景について、楽天証券も販売会社の一社として投信会社にしっかりと質すべきとの意見も添えておきました。
パフォーマンス、コストだけでなく、ファンドがしっかりと支持を集めているのか、投信会社が目論見書での約束通り運用しているか説明を果たしているのか、こうした視点でもファンドを評価していく流れがしっかりと定着することを私は期待しています。
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