"投資信託等の金融商品において真に重要な情報とは、運用商品の根幹をなす考え方と、それを具現化するための一貫した運用戦略・投資プロセス"

鎌倉投信が毎週発行しているメルマガ。

その最新号で社長・鎌田さんが「顧客本位の業務運営に関する原則」の、原則5「重要な情報の分かりやすい提供」について説明されています。


投資信託等の金融商品において真に重要な情報とは、運用商品の根幹をなす考え方と、それを具現化するための一貫した運用戦略・投資プロセスではないでしょうか。例えば、次のような情報です。
1.運用会社が大切にする経営理念
2.運用会社が堅持する投資哲学
3.提供する金融商品の運用戦略・運用方針
4.運用戦略によってもたらされる期待収益率と、とるリスクの内容とその総量
5.明示した運用戦略の投資プロセス
6.運用成果

http://archives.mag2.com/0001113100/20170428110000000.html

目論見書、運用報告書、受益者総会、月次レポート、Webサイト、運用報告会、説明会等の場で、鎌倉投信の皆さんは非常に丁寧に、真摯に説明されているとボクは感じています。

でも、鎌倉投信のWeb上でこんな受け取り方をされる人もいるんですよね。

そのセミナーでどんな説明がされたのか分かりませんが、「金銭でのリターンを(必ずしも)約束しない」って、そんなことあるんかいな、と。「約束」という意味では、どんな投資信託でもリターンを約束(というか、確約ってことでしょうか)できません。ただ、鎌倉投信の場合、説明会等の場では、投資を通じた「社会の形成」という部分にフォーカスされることが多いので、上記のように受け取る人も少なくないのでしょうね。

でも、鎌倉投信のWebサイトをご覧ください。

http://www.kamakuraim.jp/yui2101/


「投資の果実とは」 のところで、鎌倉投信が定義する「投資の果実」が説明されています。(当然のことですが)資産形成は、「投資の果実」の一要素になっています。ファンドへの投資、保有を通じた金銭的リターンはしっかりと謳っています。

ただし、鎌倉投信のファンドへの投資の場合、金銭的リターンの源泉が、ポートフォリオに組み入れられた株式の市場での評価というよりは、ポートフォリオに組み入れられた会社が本業で社会問題の解決に貢献しつつ、かつ、生み出し続ける利益になるものと私は理解しています。ですから、他の投資信託とは違って、株式市場(や、その平均)を意識したリターンと相応の距離が出来るだろうとも感じていますが、だからといって金銭的リターンを期待しないわけではありません。現に、リターンも得られています。

鎌倉投信の皆さんの丁寧、真摯な「伝える」努力をもってしても、「伝わる」というのは難しいことなのだなあ、と思ってしまいます。

最初にご紹介したメルマガではこんな指摘もされています。

私は、年金運用の現場で重視されてきたこうした情報は、個人投資家にとっても何ら変わることのない真の重要情報だと思うのです。

本当にそう思います。個人投資家向けにマトモなアクティブ運用の投資信託が提供されてこなかった最大の理由はこの点にあると私は感じています。金融庁や一部の識者の方は「コスト」をその理由にあげられていますが、その主張には非常に強い違和感があります。

鎌倉投信は、ユニークで無二の存在だからこそ、「考え方」を丁寧に、真摯に伝える努力をされている面はあると思いますが、これからもその伝え方をさらに磨いていって欲しい、と期待しています。そして、他の投信会社にあっては、コストを抑えたアクティブファンドの企画をするくらいなら、既存のファンドで「考え方」を伝える努力に邁進することに力を注いで欲しい、そう思います。


サポート頂いた際は、TableforKidsへの寄付に使わせていただきます。 https://note.com/renny/n/n944cba12dcf5