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これからのブランドを作るキーワード #お店note

昨日、noteのイベントに参加しました。

#お店note というハッシュタグでお分かりの通り、モノの「小売」の色が濃い目のイベント。テーマは「ブランド」。私の関心は「投資信託」が中心です。ですから、そういう視点から見られたら「関係ないやん!」って思われるかもしれません。しかし、「小売」「ブランド」という視点で、今まさにロイヤルティの高い顧客を得ていく「ブランド」がどんな風に認知され、受容され、より多くの人に愛される存在になっていくのか、ということに、モノも金融商品も案外似ている点があるのではないか、ヒントになる点があるはずだ、と考えているので、全然「関係ある!」と私自身は感じていますし、事実、イベントに参加して、非常に参考になる部分が多かったです。

イベントの内容を事細かに記録したノートにはなっていないので、その点、予めご了承ください。順番も私にとって「大事!」と思った順になっていること、イベントの内容を基にした私の感想、理解のメモ書きのようになっていることも併せてご了承ください。

「消費」されないように。どう「文化」にしていくか。

一枚目のスライドです。

イベントにご登壇された、翠川さんのこちらのノートのまとめを一枚にまとめられたスライドだったのですが、このキーワードの5つ目。

共生で盛り上がっていく

このキーワードの流れで出て来た翠川さんのコメントでした。

「消費」されるようになるのではなくて、どう「文化」にしていくか、が考えるべきこと。

と。

同じことを「バズ」との関連でも指摘されていました。瞬間風速的な「バズ」って、「消費されてしまう」ことになりがち。「文化」として根を張る、しっかりと認知され、定着するには、もしかしたらマイナスじゃない?という風に捉えました。特に意図しなかった場所にまで届いてしまうのが「バズ」の怖さ、イベントの進行をされていた最所あさみさんも指摘されていました。

これで思い出したのが、私が長くお付き合いしている2つの投資信託のことでした。鎌倉投信と「ひふみ投信」。この2つの投資信託(投信会社)は地上波のテレビ番組で大きく取り上げられたことがありました。この界隈にしては爆発的とも言える非常に大きな「バズ」になっていたように記憶します。結果、どうだったか。「消費」されてしまった、思わぬところにまで届いていた、というのはまさにその通りだったと感じます。昨日のイベントでも「バズ」を意図的に狙った施策が全否定されていたわけではありませんが、この「バズ」のもたらすものを予測して、それに備えた導線を準備しておくことが必須ではないか、と指摘されていました。そうはいうものの、「バズ」には想像を超えた事象を引き起こす可能性はあるのだろう、と感じました。「つみたてNISA」も、金融庁の報告書がきっかけで軽く?「バズ」った感もありますが、どうなんでしょう、「消費」されちゃったりしないで、「文化」として根付いてほしいなあ、と思わずにはいられません。

フォロワー⇒ファン⇒(ロイヤル)顧客

「フォロワー」と「ファン」とは違うし、「ファン」と「(ロイヤル)顧客」とは違う、というご指摘。

これはホント全然違いますよね。SNSのフォロワー数とファンの人数、ロイヤルな顧客数には、ほぼ相関が無いのが真実。考えてみれば、ちょっと気になる、その刹那フォローボタンをポチるという行動はよくあることでしょうし、そのポチったことを忘れて放置する人の方が多数派だと思います。フォローしたがために「なんじゃこりゃ!」がタイムラインに流れてきてようやくリムーブする、そんな感じではないでしょうか。そう考えると、フォロワーの数が増えるのは悪いことではないけど、なんていうんでしょう、スタート地点にも立てていないのかも、とさえ思います。

そこで大事になってくるのが、どうやったらフォロワーからファンになってもらえるか。ここでリアル、オフラインのポップアップ、催事、イベントが貢献する可能性が高いというお話だったと思います。「あえての地上戦」という表現もありました。ただ一方で、Webではどうなっているんだろう、と調べちゃう人たちがこのご時世圧倒的に多いわけでそこにしっかりと備えをしておく。古めかしく「全然、このサイト更新してへんやん!」ということがくれぐれも無いように、とのアドバイスも。

このイベントの翌日に参加したイベントです。

このイベントでの「タオルテイスティング」。これはその場でしか体験できないリアルならではのもの。でも「フォロワー」を「ファン」にするには非常に大きな効果があったと思います。Webのように広ーくリーチすることはなく、こじんまりではありますけれど、これを続けることがゆっくりと広がりをつくっていく、長く愛されるようになる、文化として根を張ることにつながるんだと感じました。「まわり」をじっくり整えていく、そんなことがリアル、オフライン、店舗には出来る可能性はまだ沢山秘められているのではないでしょうか。

デザイン、機能、ストーリー

デザイン、機能、ストーリーが一方通行ではなくて、ストーリー(誰かに話したくなる、その製品、サービスが誰かの幸せにつながっている)からまた矢印が伸びて、デザイン、機能に影響を与えていく、そんな進化が求められるのでは、というニュアンスのお話がありました。これも「まわり」を整えていく、という文脈で理解できるのではないか、と感じました。

と、「まわり」という言葉を2回使わせていただきましたが、ナガオカケンメイさんのノートがそのスタートです。

この「もののまわり」「まわり」で思い出したんです。

以前に、先端医療、再生医療の事業を仕事で取り組んでいた頃のお話。生物には「幹細胞」という骨や血管、皮膚等の様々な組織になっていく、色んな可能性を持った細胞があります。この「幹細胞」が骨などの組織になっていく(「分化」って言葉だったと記憶します)過程で重要な役割を果たすのが、その周囲の環境だ、つまり、「まわり」だということでした。骨に分化するには骨になるための「まわり」がある、ということです。逆に言うと、骨になるための「まわり」に近い環境を人為的に整えることができれば幹細胞を骨に分化させることができる、そんな話だったと思います。何が言いたいか、というと、ものやサービスが、育っていく過程で、広く受け入れられて、長く愛されて、根を張るために「まわり」って、とても大事で、その「まわり」が違ってしまうと、分化後の姿までもが変わってしまう。そして必要な「まわり」は、そのものやサービスそれぞれで違っているんじゃないか、と。幹細胞が骨になるための「まわり」と血管になるための「まわり」が違っているように。デザインや機能は、この喩えで言えば「まわり」というよりも「幹細胞」そのものと言えると思いますが、ストーリーは「まわり」なんだろうな、と感じたのです。

想いを込めて心折れずに発信を続ける

「見つけてもらうための確率を上げる」という文脈でのコメント。魔法なんて無い、という言葉もあったような。

上述の「バズ」のお話にも通じますし、「まわり」を整えるという面でも。意図してか、してないか、という点はあるにせよ、一気に注目が集まってしまう(集めてしまう)ことで、結局「まわり」がヘンテコになっちゃって、消費されちゃって、、、という道を選んでしまっていた、ということだってありえる。

何度も強調されていたのが発信を「続ける」こと。そこに想いを込めること。

きっと、それに取り組むことが「まわり」を整えていく、時間をかけてでも根付くことになるのだろう、と感じました。

これからの小売に必要なのは「編集力」

「ブランド」それぞれが、自分たちの世界観に近い他の「ブランド」と集まることでシナジーを生む、というのが益々増えてくるだろう。小売の売り場を提供する人たちはリーシング、箱のスペースを埋めていけば良い、という発想から離れていくべきだろう、と。「編集力」を駆使した売り場をつくっていけば、リアルの店舗に可能性は秘められている。こんな風に理解しました。

ご登壇された翠川さん、進行を務めて下さった最所さん、イベントをセットしてくださった関係者の皆さん、ありがとうございました!

最所さんのノートです。

「ブランド」については以前に参加したnoteのイベントを通じて、「ブランドって人柄」というノートをつくりました。

今回のイベントのタイトルは

これからのブランドを作るキーワード

なので「人柄」をつくるキーワードを自分なりに整理しました。

私にとってのキーワードは2つです。

「まわり」と「つみかさね」

時間軸を長くすると、人柄ってその「まわり」がどうなのか、ってことに影響を受けます。「まわり」が人柄を形成していくような。で、その「まわり」はじっくりと整えられていく方がヘンテコな方向にいかない、消費されるリスクを避けられる。そこで大事なのが「つみかさね」だと感じたのです。

これからもインプットを続けていくので、考え方、このキーワードも変化していくかもしれませんが、それもまた良し。

今は「まわり」「つみかさね」としておきたい、と思います。

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