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投信会社が「成果見える化」の開示よりも優先すべきこと


#COMEMO #NIKKEI

投信会社各社が「運用力」を示す成果指標(KPI)の開示を急いでいるそうです。この取組そのものに別に異論はありませんが、それ以前に取り組むべきことがあると思います。特に「月次レポート」の内容について。

今月投資家の為に何を行ったか、行動についての具体的な説明をふやしてほしい

ファンドの基準価額がどうなったか、という説明、つまり、株価指数がどうだった、A社の株価が騰がって、B社の株価が下がって、、、という状況、環境を説明した記載はあります(正直、長期の目線でお金を託している場合、今月の市況がどうなったか、今後の見通しなんて別に必要を感じません。)が、投信を保有している受益者、投資家の為に何をやったのか、の説明が極めて雑に終わっているものがほとんどです。我々受益者のリターンを決めるのはファンドマネジャーの行動、そして、ポートフォリオの内容です。新たにファンドに組み入れられた投資先は何社なのか、全て売却してポートフォリオから外れた投資先が何社なのか、明確に説明している投信は圧倒的少数派です。こうしたポートフォリオの調整は、投信会社の行動、アクションの一部です。我々受益者はその行動にこそ対価を払っているわけで、この部分の報告をいい加減に、雑に済ませるのは、他の業界ではあまり考えられない、非常識なことではないでしょうか。

投信への支持、離反を把握するために、毎月の「設定額」「解約額」を開示してほしい

ブログにも書きました。

http://renny.jugem.jp/?eid=5931

個々の投信で我々が計算できるのは、投信への資金増減のみです。新たに設定された(買付けられた)金額=設定額と、解約された(換金された)金額=解約額との差のみです。その基となる「設定額」「解約額」の情報は投信毎に提供されていません。資金がコンスタントに増加しているのであればまあ安心できますし、それで投信への支持度合いを推測することができます。しかし、「設定額」と「解約額」がそれぞれ分かった方が、投信への「支持」と「離反」をよりハッキリと受益者・投資家は把握することができます。現状では、「支持」と「離反」をネットした数字しかわからないのです。「設定額」が順調に積み上がっていく投信は、毎月の積立投資家を順調に増やせていることを示しますし、「設定額」が突如急増する投信は、販売会社が売り込んでいることを見て取ることができます。つまり、どのように販売されているかをよりクリアに映し出すことになります。「解約額」も同様のことが言えると思います。「解約額」が突如急増する投信は、販売会社の乗り換え勧奨の対象になっている可能性を示している、と思います。

着実に支持を広げている、浸透している投信を見つけ出すために、投信毎の「設定額」「解約額」をぜひ月次で開示してもらいたい、と思っています。

「運用力」よりも、どっしりとした考えの投資家が集っている投信かどうか、がずっと重要な判断材料だと私は考えます。


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