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伸び悩む中級者の特徴10選

今回は中級者向けの麻雀戦術講座を用意しました。
自分に当てはまることがあれば改善してみると良いかもしれません。
これは私が長年ネット麻雀を打ち続けて、対戦相手として、または牌譜を見ていたりして、中級者と上級者の違いを観察し続けてきて分かったことを記した研究ノートみたいなものです。
こういったことは自分が対戦するときに読みとして使って打牌に生かすこともあります。
つまり上級者にとっても中級者の特徴を知ることは大事です。

今回は具体例がなく、抽象的な記述ばかりですが、実戦での具体的な対応例は他に記事がいくらでもあるので、知りたい方はそちらも読んでみてください。


1.鳴き読みが出来ない

中級者と上級者の一番大きな違いは鳴き読みが出来るか出来ないかです。
中級者はリーチに対してはしっかり対応するが、鳴き読みはまるで対応出来ないって人が多いですね。
それだけ鳴き読みは難しいってことでもありますが、上級者でも皆が皆ちゃんとしっかり鳴き読みが出来ているわけではありません。
待ちがどこかなどほとんど読めてませんし、ましてや1点読みすることなどは極一部の頂点にいる人がたまに出来るくらいです。

例えばMリーグなどでも、それまで普通に手を進めていたのに他家の当たり牌をつかんだ瞬間に一転してベタオリに回るというシーンを見かけることがあるかと思いますが、あれもたまたまオリを決断した瞬間と当たり牌を掴んだタイミングが一致していただけで、当たり牌を掴んだからオリたってわけではありません。
その証拠に、当たり牌でもなんでもない牌を掴んだ瞬間に急転してオリるっていう場面も普通に見かけるかと思います。

つまり超上級者でも当たり牌を一点で読むことなどはめったに出来ることではないので、そう難しく考える必要はないのです。
上級者が考えているのは主に打点とか、いつテンパイしているかとか、そういうおおまかなことだけです。
もちろん、待ち読みとか手牌構成とか、出来る限り事細かく読めるに越したことはないのですが、肝心なところさえ抑えていればなんとかなるっていうのが実際のところなんです。
分かりやすいのはドラポンとか、自分から見えているドラの枚数とか、見えている明らかな情報から考えれば自分ができることはいくらでもあります。
そこから推測して、明らかに安そうに見える仕掛けは無視すればいいだけですし、放銃してもどうってことはないですから、待ちがなんだろうが気にすることもないです。
肝心なのは仕掛けの高い手に放銃しないことです。

2.シャンテン押しが出来ない

守備型や慎重型の人にありがちですが、他家の先制リーチに対して毎回オリるのが癖になっている人は多いです。
中級者が先制リーチに押せないのは、シャンテンを基準に考えているからです。
自分がシャンテンなら押せない、テンパイなら押してもいい、そう考えていませんか?
上級者はそういう考え方をしません。
もちろん、中途半端な手ならシャンテンから危険牌2枚押しは厳しいなくらいは考えますが、まずは自分の手が高いか、好形でテンパイできるか、すぐに追いつけるくらいのスピードはあるか、安牌は充分に持っているかなど、そういったことを基準に押し引きを考えています。
だからシャンテンでも押すことはよくありますし、私も守備型ですがシャンテン押しは普通にやります。
シャンテンから押さないのが守備型ではないということを、これから守備型の強者を目指す人には覚えておいて欲しいです。
シャンテンからオリてばかりではいつまで経っても勝てるようにはなりません。

3.カンチャンドラ1を高く評価しすぎている

毎回カンチャンドラ1程度の手を手なりでつくっては追いつけずに手を崩してたまにオリ打ちして、を繰り返している人は多いです。
カンチャンドラ1は勝負手だとどこかの戦術本で聞きかじって鵜呑みにしているのでしょうが、これは正確に言うと間違いです。
正しくは”先制の”カンチャンドラ1は勝負手です。
たぶん脳の認識がどこかでバグっていて、「先制」っていう条件付きなのを忘れてしまっているか、そこだけスルーしたまま覚えてしまっているのでしょう。
戦術本にも先制のカンチャンドラ1は鉄板リーチだとかは確かに書いてあるのですが、追っかけてもいいとは書いてありません。
確かに先制なら大体リーチでも問題ないし、書いてあることは概ね正しいです。
しかし勝負になるのはあくまで先制したときだけです。
逆に言うと先制しなければベタオリした方がよほどマシなくらい全く価値のないゴミカスレベルの手なんですよ(ただし親番のときは別です)。

実際に子の追っかけのリーチカンチャンドラ1ははっきり局収支で不利になるという統計データも存在します。
つまりカンチャンドラ1程度の手は先制できるかどうかが一番のキモなので、序盤でそこそこテンパイできそうなくらいまとまっているなら真っ直ぐ手を進めても良いですが、中盤くらいまでかかりそうなくらいバラバラなら遠回りして手役を狙ったり、安牌を持ちながら慎重に手を進めたりした方が良いです。
これを意識するだけでだいぶ上級者に近づけるでしょう。

4.食い三色を多用する

これは中級者の典型的な鳴きの特徴です。
中級者はクイタンばかりやると思われがちですが、正直クイタンはあまり問題ではなく、副露型の上級者の人でも多用しますし、実際クイタンは強いですからね。
でも食い三色はマジで弱いです。

何故弱いかというと、特定の牌種で三面子揃える必要があって、形に柔軟さがなく、待ちがほぼほぼ愚形待ちで固定であり、ドラも複数枚組み込みにくく、かつ赤ドラも使いにくいからです。
食い三色をやるときって、クイタンには遠く、他に役がないときに仕方なくやると思うんですが、そういった場合、123もしくは789で鳴くことが多いと思います。
その場合、三面子は赤が使えないので残り1面子1雀頭のうちのどちらかで使うしかありません。
クイタンだったら2~8さえ使えば後は完全に自由なので、4面子1雀頭のうちのどれに使ってもいいですし、中張牌のドラも暗刻や雀頭で使えます。
役牌も役牌以外はドラが使えるので完全に自由ですし、ヤオチュー牌だって使えます。
食い三色の場合、打点も低く、手牌に柔軟性がないので待ちが限定されやすいですし、回し打ちも出来ないのでリーチかけられるとベタオリするしかないです。
これは相手からすると非常にやりやすいです。
手牌を短くしているので、オリ打ちしてくれたりすることも多いですし、打点が低いので全く怖くもなく、愚形なのでめくり合いでも大体勝てますからね。
同じ鳴くなら役牌やクイタンの方がはるかに強いですし、相手からすれば打点も待ちも読みにくく、やりにくいのは間違いないです。
もちろん1副露でテンパイとかならやってもいいんですが、よほど三色でまとまっている手のとき以外はやらない方がいいでしょう。

5.染め手を狙わない

これも中級者にありがちな仕掛けの特徴です。
中級者は中途半端に牌効率を学んでいるので、染め手はテンパイが遅くて効率が悪いと思いがちです。
これは麻雀の思春期とか中二病みたいなもので、成長過程によく見られる現象です。
初心者になると逆に手役の法則が分かりやすいので狙うことが多かったりしますね。
しかし染め手はテンパイが遅くても打点がありますし、守備力もあります。
面前で手が遅そうなときには切り札として使えますし、偶然間に合ったときだけ勝負して、間に合わないときはオリればいいんです。

私が知る限りでは、超上級者でクイタン嫌いな人は居ても、染め手が嫌いな人はまず居ませんし、面前派の強者でも染め手だけは好んでやる人が多いです。
それくらい強い役だし、正直リーチを除けば最強クラスの役と言っても過言ではないので、染め手を狙う意識が薄い人はなかなか勝つことは難しいです。

6.雀頭を大事にしない

中級者の手づくりの特徴の1つです。
雀頭を大事にしないので手づくりが迷走しがちで、好形ターツを残すことが出来なかったり、最終的によく分からない単騎待ちになったり、無駄にブクブクに構えていたり、無駄に副露が多かったり、とにかく攻撃も守りも安定感がありません。
麻雀における雀頭っていうのは意外と大事なもので、ここさえはっきりさせておけば自然と手はまとまってくるものです。
野球でいう4番打者くらい大事と言っても過言ではないです。
4番打者がどっしり固定されていれば後は自然と打順が決まってくるし、打線も繋がってくるもんなんですよね。
それは言い過ぎだろうと思うかもしれませんが、実際のところ雀頭のない手では出来面子を崩してでも雀頭をつくりにいくことはザラにあります。
これは実際に出来面子より雀頭の方が価値が高いからです。
信じられないかもしれないですが、これは麻雀における真理です。
ちなみにここでは雀頭を大事にしようという話をしているのであって、トイツを大事にしようという話はしてません。
それはまるで次元の違う話なので勘違いなきようおねがいします。

中級者はまず雀頭を大事にすることを意識して手づくりをしてみるといいと思います。
この手はどこが雀頭候補になるのだろうかと常に考えながら打つことが大事です。
例えば役牌トイツの手なら役牌を鳴いた後にどこが雀頭になるかを考えてみましょう。
もし雀頭になりそうな候補がない(役牌以外ゼロトイツ)ならそれは鳴かない方がいいです。
一応トイツがあるけど両面ターツにくっついているとかなら雀頭にするのはもったいないですし、それも鳴かない方がいいことだってあります。

7.無駄に6ブロックにする

これも中級者にありがちな手づくりの特徴の1つです。
麻雀は4面子1雀頭をつくるゲームなので、6ブロックで手づくりするのは面子雀頭候補が過剰になり、無駄が多いです。
麻雀の手づくりの基本は5ブロック進行であり、6ブロックは例外中の例外と覚えておきましょう。
何故6ブロック進行が駄目なのかと言うと、主に守備の面で駄目です。
安牌持てる枠が減りますし、ターツが切り遅れるので後手から押し返すのも困難になります。
逆に言えば字牌のトイツとか安全なターツを抱えてるなら6ブロックもありになりますけどね。

中級者が6ブロックにしがちなのは、そもそもブロック数を数えていないからなんとなくで切っていった結果そうなっている場合が多いですね。
よく分からない手はとりあえず5ブロックを意識しましょう。
6ブロックと5ブロックの分岐だったら5ブロックが正解になることの方が断然多いです。
最初から6ブロックの選択肢を排除してれば、自然と正解を選ぶ確率は高まります。
ブロック数を常に数えておき、5ブロック進行を守りながら手づくりする。
すごく単純ですが、本当にこれを意識するだけでいいです。
私だって今でもブロック数をいつも数えながら麻雀をやってます。
例外中の例外で6ブロックが良い場合は根拠をはっきりさせた上で6ブロックにするのは良いです。
なんとなくで6ブロックにすると大体間違います。

8.両面テンパイでオリてしまう

守備型とかビビりの人にありがちです。
しかし両面テンパイからオリることは超上級者でも例外中の例外であって、なんとなく怖いからでオリてしまうのは大体間違いであることの方が圧倒的に多いです。
ちなみに子の役なしドラなしの両面テンパイや、クイタンの1000点両面テンパイであっても、親のリーチに対してはそこそこ勝負になることが統計データでも分かっています。
打点に関係なく両面テンパイは無敵と言っても過言ではないです。
少なくとも局収支の上ではオリるのはほとんど損です。
50%くらい当たる牌を押すとか極端な場況にならない限りオリ有利にはならないでしょう。
でも50%も当たる牌をつかむことなんてめったにないです。
これも迷ったら全部押せの精神で、最初から両面テンパイからオリるという選択肢をなくしましょう。
そうすれば大体正解します。
南場で順位点が絡む押し引きでも大体押しが正解です。
むしろ南場ではラス目以外は打点の価値が下がって、好形テンパイの価値が相対的に高くなるので、押した方が良いことが多いです。
もっとも愚形テンパイの場合はこの限りではありませんけどね。
まるで次元が違うというか、押し引きで悩むなら愚形テンパイのときこそ真剣に悩んだ方がいいですね。

ちなみに例外中の例外と言いましたが、それは主に二件リーチに挟まれたときが多いですね。
このときばかりは両面テンパイでも勝負できないことが多いので、それだけは注意しておきましょう。
無敵なのはあくまで1対1での勝負のときだけです。

9.リーチが少ない

中級者によくある特徴の1つです。
これも思春期の成長痛みたいなもので、先制リーチを打った後に追っかけられて放銃してっていうのを繰り返した結果、なんとなくリーチが怖くなって積極的に打てなくなる人が多いですね。
リーチは最強の手役なので、リーチが少ない人はなかなか勝てないです。
リーチが少ないということは局収支が悪化するということですから、得点力が下がるということになります。
そうなるとトップ率が露骨に下がるのは覚悟しなければいけません。
あなたは低いトップ率で順位点を意識した立ち回りだけでラス回避に特化するような、そういう打ち手になりたいですか?
そういうタイプの強者も居ないことはないですが、シンプルにトップを目指しつつ適度にラスを回避してバランスを取っていく方が簡単で分かりやすいと思います。
トップを取っていけば自然とラスも減ります。
それに普通にトップを目指す麻雀の方が打ってて楽しいです。

リーチ率は出来れば最低18%程度はあるのが望ましいです。
リーチ判断で迷ったときは、先手のときは愚形だろうがのみ手だろうが大体リーチでオッケーと覚えておけばいいです。
少なくとも局収支は大体リーチが正解ですから、先手の場合はなんとなくダマるのは止めた方がいいです。
後手の場合はリーチ者の現物待ちでダマるとか、勝負に行けないからとりあえずテンパイだけ取って後でオリるとか、そういった選択を取る必要も出てきます。
後手のときだけ一生懸命考えればいいだけなので、それ以外で考える必要はないです。

10.孤立役牌を絞ってしまう

これもありがちなのですが、他家がバックや染め手っぽい仕掛けをしているときに、役牌を絞って他家の手を潰すことで自分が巧く立ち回っていると勘違いしてしまう人はよくいます。
ですが自分の手も死んでいることに気付いてないです。

孤立役牌っていうのは縦に重ねないと使えないので、数牌みたいに横に伸ばしてターツをつくるっていうことが出来ません。
どうしても自分で使い切って和了りにいくことが難しくなるんですよね。
自分の和了り目がゼロに近いんだったら問題ないですが、和了り目をなくしてまで絞るのが癖になってしまっている人はけっこう居ますね。
こういう人はその分自分の和了率を下げているわけですから得点力が低く、なかなか安定して勝ち越していくのは難しいです。

超上級者は役牌を絞るのではなく、むしろ巧く鳴かせていると思います。
相手がテンパイする前の絶妙なタイミングでリリースして、放銃することなく役牌を逃がしているんですよね。
これは一見するとただのぬるい人に見えるんですが、非常に高度で鋭く精密な洞察力と読みを生かした高等テクニックなんです。
これが出来ればかなり上級者に近づきます。
真似することは簡単ではないですが、大事なことは絞るという意識を捨ててむしろ鳴かせるというイメージを持つことです。
鳴かれても「しまった!」「やられた!」と思う必要はなくて、むしろ自分が放銃せずに巧く邪魔な牌を逃すことに成功したわけですから、「ヨシ!」「オッケー!」などと喜んでいいんです。
ベストなタイミングは大体自分がイーシャンテンのときです。
テンパイまで抱えたのでは遅すぎます。
ドラの役牌などは特に自分も使いたいのでなるべく引っ張りたいのですが、イーシャンテンになったら手放してしまいましょう。

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