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第42節 V・ファーレン長崎戦

 こんにちは、私です。
 長崎戦は1-3で敗戦。今季のリーグ戦最終節で15000人以上の集客となりましたが、試合は残念な結果となってしまいました。
 内容的にはジェフが勝たなければいけない試合で、チャンスを作るも決めきることができず。一瞬のスキ、勿体ないミスによって失点を重ねる形となってしまいました。プレーオフが決まりほぼ消化試合(ホームでプレーオフ決勝を開催する可能性を残しておきたかったが…)だったのでまだ良かったですが、プレーオフではこういった隙や勿体ない失点を与えてはいけません。

J2リーグ 第42節
ジェフユナイテッド千葉 1-3 V・ファーレン長崎

スタメン

・勝たなければいけない試合内容

 前半は間違いなくジェフのペースで試合が進み、保持では長崎のプレスを交わしながらゴール前まで前進し、非保持では素早いトランジションで即時奪回ができていました。長崎の2IHはフィジカルは強いものの守備は緩く、中盤に穴を空けていた印象です。ジェフとしてはチャンスが多かっただけに前半のうちに試合を決めきりたかったですね。

①長崎の守備と狙いたいスペース

 長崎は攻守ともに4-1-2-3の形で、前プレに来ることもありましたが、ブロックを作るシーンの方が多かったように思います。前プレにきてもそこまでプレスのかけ方を整備されているようには感じませんでした。ただ、長崎のプレスによって何度かミスを誘発されるシーンはあり、実際に2失点目はプレスを嵌められてボールロストして生まれたものでしたが、全体的にはそれほど怖くはなかったのかなといった印象でした。
 前半のジェフは長崎のプレスを交わして押し込むシーンが多く、チャンスも多く作りました。長崎は引いてブロックを組むシーンが多かったですが、そのブロックに穴があったように思います。
 長崎の2IHはフィジカル的な強さはあって、瞬間的な球際の強さはありましたが、カバーすべきところでカバーの立ち位置を取れていない、絞るべきところで絞れていない、球際は強いも寄せは遅いといったような感じで全体的な守備は緩い印象を受けました。特にカイオは攻守ともに試合を通して軽いプレーが多く、穴をあけていた印象です。
 29分からのジェフの保持のシーンでは、長崎2IHの守備の緩さや長崎の守備組織の怪しさが出ていました。

 長崎は門が空きやすく、中央の福満などへのボールが通りやすかった。ここでは長崎SHが絞って外へと誘導すべきシーンです。しかし、SHが開きすぎており、簡単に見木からバイタルエリアで浮く福満へとボールが渡りました。そもそも、長崎はファーストディフェンダーも緩かったため、ボールの出し先を制限することがあまりできていませんでした。

 サイドに振って田口に戻した場面。まず、田口への寄せが遅く、田口にパスコースを探す余裕が生まれました。また、サイドに振ったことでSB-CB間にスペースが生まれ、ここで福満がボールを引き出そうとします。長崎としては、このスペースには直接中盤の選手がDFラインに吸収されるか、CBをスライドさせて中盤の選手を落とすかというような対処をしなければいけません。

 長崎のアンカーが遅れて気づき、スペースを埋めに行くも今度は中央が空きます。この空いたスペースに呉屋が降りてボールを引き出し、ゴールに迫りました。この呉屋の相手の動きを見たボールの引き出し方はとてもGOODでした。長崎としてはアンカーが中央を空けてカバーに出るならボールサイドとは逆側のIHが絞ってそこを埋めなければいけません。そうした動きがなく、呉屋への寄せも遅かったため、呉屋が簡単に前を向くことができました。
 ジェフとしては門や中央が空きやすい長崎の守備組織の怪しさからも、寄り中央への侵入、ニアゾーンを突いた攻撃で得点を奪いたかった。実際にニアゾーンへ侵入してチャンスを作るシーンが多かったですが、得点には繋がらず。もう少し、回数を増やし、質を高めていきたいです。
  上で書いた29分の保持のシーンでは、呉屋が中央に降りて引き出し、福満に当てて、髙橋へ繋がるも、髙橋はダイレクトでのクロスを選択します。これがミスとなり、DFにクリアされてしまいました。

 ここでは髙橋が少しタメて相手を寄せ、田中へパスを出すのがベターだったように思います。焦り、攻め急ぎが勿体ないミスに繋がってしまっていて、田中がニアゾーンに侵入し、フリーでクロスを上げるような、得点する可能性の高いチャンスの機会を逃してしまいました。やはりもう少し攻め急ぎ過ぎないことを意識する必要があります。
 27分の福満がニアゾーンに侵入し、クロスを上げたシーンは良かったです。グラウンダーのクロスはGKに防がれてしまいましたが、GKとDFの間に低くて速いボールを通す意図はわかりましたし、その前までの前進(特にドゥドゥが切り返して時間を作ったところ)も良かった。得点とはなりませんでしたが、こういったシーンを増やしていきたいですね。

②佐々木の運び出しとロングフィード

 佐々木が運び出してパスを出すシーンが前よりも少しですが多くなったような気がします。監督も少し前のインタビューで引いた相手に対しての運ぶドリブルは言及していましたし、少しずつ運ぶ意識付けがされ始めてるのかもしれません。CBが運ぶドリブルで相手を引き付けることができるようになれば、保持のクオリティがめちゃくちゃ上がります。

 例えば、40分のシーン。
 佐々木が少し運んだことによって相手を引き付け、田口をフリーにすることができました。呉屋が降りて引き出そうとする動きも良く、これによって田口に時間とスペースを与えることができました。
 このような運んで引き付けるシーンがこの試合では少し見られましたが、まだまだ足りず、そこ運んでよって思ってしまうシーンが多いのが現状です。田口へのパスコースを消してCBに持たせるというジェフ対策をされることが増えてきましたし、CBが自らアクションを起こして相手を動かすシーンをもっと増やさなければいけません。
 またやはり佐々木にはロングフィードという大きな武器があることによってプレスをかけざるおえない状況を作り出せているように思います。実際に上で書いたシーンは目線を上げてロングフィードを蹴るようなモーションに入ったことで相手を釣り出すことができました。この試合でも質の高いロングフィードで攻撃の起点となっていましたし、CBでの起用がうまくハマっています。

③WGの幅取りタスク

 右サイドは田中、左サイドはドゥドゥもしくは日高が幅取りタスクを担っていますが、サイドに張っていてほしい場面で中央に寄ってしまい、サイドへ広げるパスコースがなくなる&中央が窮屈になってしまうシーンが直近の試合では多い印象を受けます。

 逆サイドに振りたい場面で特に右サイドの田中が内側に絞ってしまうことが多く、中央での密集を生み出してしまっています。実際に57分のカウンターから呉屋がシュートを打ったシーンは田中には幅を取っていて欲しかった。

 逆サイドからクロスが上がるタイミングで中へ入っていくのならありだとは思いますが、逆サイドに振りたいタイミングでサイドに張る選手がいない、WGが中に入っていく動きをしてしまうと、サイドに広げることはできませんし、マークを連れてきてしまうことになるので中央のスペースが狭まってしまいます。この状況で中央に差し込んでもすぐに相手に寄せられ、難易度の高い攻撃を選択することになってしまいます。
 保持で安定を図るため、チャンスを作りやすくするためにもWGの幅取りタスクを整理してあげる必要があります。

・トランジションで圧倒も勿体ない失点

①上回ったトランジションの速さ

 前半は押し込む展開となり、保持でうまくボールをゴール前まで前進させることができていたことができていましたが、奪われた後のトランジションが速く、即時奪回をしてすぐに自分たちのボールにできていたことも押し込むことができた大きな要因だと思います。
 18分のシーンや33分のシーンでは、ボールロスト後、すぐにボールホルダーへ寄せ2、3人で囲い込んで即時奪回。その他のシーンでもすぐにプレスをかけてロングボールを蹴らせて回収することができていました。
 こうしたトランジションの速さは何度も書いていますが、シーズン序盤からしっかりと積み上げてきたもの。この試合でもトランジションの速さで相手を上回り、試合の主導権を握れたように、速いトランジションがジェフの後半戦の躍進に大きく寄与しました。1-4で負けた水戸戦と比べるとチームの意識は大きく変わっています。

②勿体ない失点

 1失点目はプレスが嵌らずに背後を取られてしまい、2失点目はビルドアップにミスからPKを献上し、3失点目はルーズボールの処理ミス、連係ミスによって取られてしまいました。内容は良かっただけにこういった失点を重ねて、相手に勝点3を奪われてしまうのは本当に勿体なかった。
 1失点目は前プレで出し手のところへの寄せが若干甘くなってしまったように思います。また、日高はもっと対側に絞って、背後のケアをできるポジショニングを取っておくべきでした。
 2失点目は髙橋がセーフティーに逃げても良かった場面でしたが、髙橋に入ったところでほぼ嵌っている状況でした。全体的に立ち位置が高く、相手DFの斜め後ろの立ち位置を取れておらず、パスコースを作ることができなかった。これが髙橋のボールロストに繋がった要因だと思います。また、大輔のプレー選択にも問題があり、結果的に嵌めパスとなってしまいました。
 3失点目はDFとGKの連係ミスで、栃木戦で大輔がレッドカードを貰ってしまうシーンのデジャヴのような感じになってしまいました。流石に2回目をやってしまうのは問題ありで、このシーンは明確にタッチラインに出して良かったと思います。こうしたシーンを増やさないためにもはっきりとプレーすること、声掛けをしっかりと行うことが大事になります。


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