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小林悠が「スーパーゴールメーカー」である理由を身体的特徴から紐解く


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選手の“評価”という仕事

スポーツライターという職業において避けては通れないのが、“選手の評価”である。
その形は様々で、専門誌でよくあるのは試合の出来を数字で表すものだ。0.5〜10.0まで数字で採点をするのだが、基本的に5.0~7.0くらいが良く出る。自分はこれに昔から違和感を持っていて、20段階もあるのだから1.0や9.0を出していっても良いのでは、と考えていた。

ちなみに名古屋グランパスの風間監督が川崎フロンターレを率いていたとき、この採点について立ち話をしたことがあった。そのときに風間さんは「ドイツでは自分の動きが良くなかったときに『最低の選手』とメディアに書かれた。でもその翌週に良いプレーをしたら『最高の選手だ』と褒められるんだよ」と言っており、「ダメならダメと書けば良い」なんて言葉をかけてくれたこともある。

とはいえ、低い点数を付けるのにも勇気がいるものだ。かつてある選手に「4」を付けたところ、次の練習で会った際にそっけない態度を取られたことがある。真意の程はわからないが、「あの評価を読んでいたんだろうな…」と思ったものだ。


“身体能力が高い”とは?

もちろん記すのは悪い評価だけではない。風間監督の言葉ではないが、良ければ良いと評価を送る。また、それ以外の純粋な選手を表すコラム記事の中で特徴や武器について詳述する機会は多いのだが、その中で頻繁に使われる言葉の中に、とても抽象的なものがあることに気付いた。

「身体能力が高い」

これだ。非常に便利だし説得力のある言葉である。そして、汎用性が高い。極端かもしれないが、全ての形容詞が「ヤバい」の一言で言い換えられるのに近いものがある。

永井謙佑のスピードや谷口彰悟の跳躍力もこの言葉で伝えられるし、ウェリントンのパワーについても同様だ。でも、同じ言葉ながら指しているものは全く違う。

それぞれの選手が持つ身体能力というのは全員が全員、異なるものであり、その特徴をこの汎用性が高い言葉でまとめるのは伝え手としてよろしくない。

そういう思いから、今回、この定期マガジンの中で初の連載企画をスタートさせようと思う。「“身体能力”の言語化」とでも題しておこう。


もちろん自分はスペシャリストではないので、この企画では専門家の協力を仰ぐことにした。かねてより仲良くさせてもらっている(実はライブ仲間でもある)アメフトやラグビー、フットサルなどの選手の施術を行うアスレチックトレーナーの川端翔太氏を招いた。

専門家によるサッカー選手の"身体能力分析”の第1回として彼に見てもらったのは、2017年JリーグMVP&得点王のダブル受賞を果たした小林悠だ。


自分自身、彼の能力を伝えるときに「身体能力が高い」という言葉を使っていたと思うし、具体的な部分を深く考えたことはなかった。だからこそ今回は彼をセレクトして川端さんに分析を依頼したのだが、その中で非常に興味深い言葉が出てきた。

「彼はスーパーゴールを生みやすい体をしている」

言われてみれば確かに。では、なぜ小林はスーパーゴールを生めるのだろうか?

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