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行政の視点を取り込もう!第5回レオナゼミ講義レポート

皆様、こんにちは。
レオナゼミ運営サポートの、穂積由(ほづみゆう)です!

第5回レオナゼミが2019年6月17日(月)に開催されました。
次回が折り返し地点ということに気づき、月日が経つ速さを実感しています。
早速ですが、その様子をレポートしていきたいと思います!

今回のテーマは・・・
「スポーツ×行政」です。

当日のプログラムはこちら

第1部 前回までの振り返り
第2部 行政の方による講演
第3部 事前課題の発表とフィードバック


第1部 前回までの振り返り

ここまで4回のレオナゼミで学んだことの中で

・事前準備を念入りに取り組む
・「やらない理由」を潰す
・相手(決裁者)の立場に立つ
・具体的な提案は何かを明確にする(ゴールはどこか?)
・資料の見せ方を工夫する(上から下、左から右)
・Before Afterの発想を持つ(何が変わるのか?)
・ステークホルダーを意識する
・相手(企業・行政)の仕組みを理解する

以上の8点がピックアップされました。
毎回の講義で、膨大な量の新しい知識に触れるので、
一度で全てを吸収することは難しいかもしれませんが、
特に核となる内容は、しっかり吸収することが必要です。

また、現代は「職能依存・人脈依存の時代」といえます。いろいろな人と出会い、仕事をしていくことになりますが、まずその過程の最初のステップとして、第一印象を良くすることが必要になります。その一つが挨拶です。

挨拶自体に深い意味はありませんが、挨拶を通して「私はあなたを好意的に思っています」「私はあなたの敵ではありません」という意思表示をすることができます。



人として当たり前のことではありますが、改めて自分の「挨拶」に意識を向けて、改善の余地があるようであれば今日から改善していきましょう!


第2部 行政の方による講演

クラブチームへの出向の経験がある、市役所職員の方にお話を伺いました。
前半は「行政の立場から見るスポーツ」、後半は「行政を動かすための仕掛け方」についてでした。

プロスポーツクラブと行政との関わりがあることは感覚的に理解できますが
実際にどのような関わり方をしているのか、更にはどのような関わり方が有効なのかを知ることはかなり難しいので、今回の講演はとても貴重な機会であったと感じました。

まず前半の「行政の立場から見るスポーツ」です。

行政はまず、国・都道府県・市区町村の三つに分けることができます。国は総括的で全体としての方向性を決めます。都道府県は広域的で、国の決めた方向性を具体化します。市区町村は狭域的で最も住民に近く、実施主体となります。このように、それぞれの役割が異なります。

行政の業務を行う人、つまり公務員は公共的で全体の奉仕者なので、案の良し悪しではなく、公共的で全体の奉仕者の活動としての適性が案が通るか否かを左右します。

行政の活動は主に法と計画が大きな枠組みとなっています。計画でいえば、総合計画が最も大きく、各種計画、各種実施計画になるにつれてより細かく、実行ベースになります。

行政の活動の財源は税金です。予算が組まれ、それが承認されて初めてお金が使えるようになります。また税金が財源なので、行政の活動で最も重視される基準は「公平性と公正性」です。

総合計画がベースとなっている点と「公平性と公正性」が求められる点。
この二点は企業には一切無い視点であり、行政が企業とは大きく異なることを改めて実感しました。


そして後半の「行政を動かすための仕掛け方」です。

行政の方に、行政を動かすための仕掛け方を教えてもらうのは
なんだかワクワクしますね(笑)

ホームタウン自治体はスポーツを活かしたまちづくりに取り組みます。一方でプロスポーツクラブはスポーツ施設をつくったり、スポーツを通じたふれあいの場をつくったりします。地域の代表的な顔の一つであり、公共的な役割を担います。
ホームタウン自治体とプロスポーツクラブとの共創。両者に共通する「公共性」がキーになるそうです。

小さな市町村では特に、行政にはできないけれど、プロスポーツクラブだからできることがあります。

A 定住人口へのアプローチ
B 企業立地を含む雇用の創出
C 自治体の税収増加
D 観光による人口への好影響
E スポーツ産業


上記A~Eの活動を通して、プロスポーツクラブは

①地域のブランド力の向上
②地域経済への波及効果
③社会的注目度の向上
④子供たちへの「夢」の提供
⑤スポーツ文化の普及と青少年の育成

を達成することができます。

行政とプロスポーツクラブが共にプロジェクトを推進していく場合、「公共性」を担保して、行政とクラブチームの両者にとってメリットのあるプロジェクトでなくてはなりません。

更に行政の方の心を動かすためには、総合計画に絡めることで、信頼性と説得力が上がたり、伝え方に工夫をしたりする必要があるそうです。

例えば、市内の全児童一斉の試合観戦を実施する時は、「子どもたちへの郷土理解教育」と銘打つ。試合観戦を通して、子どもたちに地域資源を体験する場を提供して、郷土理解教育を促すことをアピールポイントとする。

また小学校訪問事業を実施したい時は、「子どもたちへのキャリア教育」と銘打つ。プロスポーツ選手とのコミュニケーションを通じて、キャリアの選択肢を広げ、また夢を提供することをアピールポイントとする。

このにょうな形が重要です。


プロジェクトの質だけでなく、行政側に対しては「公共性」をしっかり絡めながら提案することが求められます。

行政の意思決定のプロセスにおいて基本となっているのが、「計画にないものは実行できない」ということです。その中で計画に入れてもらうためには例えば、来年の計画に入れたいのであれば10月頃から行政内での調整をはじめ、市区町村の立場であれば、必ず議会を通す必要があります。

日本ではまだ「スポーツは体育の延長」という考え方があり、教育的観点でスポーツの案件を諮られることもあります。したがって、スポーツクラブのホームタウンの方はそのような観点から地元行政の方と向き合わなければならないのです。

また失敗することを恐れて、「前例は?」と尋ねられることが多く、
新しいことを始めることに対しての抵抗があるそうです。
「余計なことをやって失敗するくらいなら、最初からやらない方が良い」という空気があるらしく、なかなか新しいプロジェクトを進めることができないのだそうです。

 このように第2部では、「公共性」という行政ならではの視点、またその視点に着目した仕掛け方、行政ならではの難しさを学ぶことができました。


第3部 事前課題の発表とフィードバック

今回の事前課題のテーマは

「スポーツ(チーム・クラブ・協会問わない)×行政という切り口で各自が実施したいアクティベーションを考える」


でした。

フィードバックの中で以下の2点が特に印象的でした。

①行政とクラブのメリットをきちんと区別して整理すること
当然のことですが、お互いの利害が一致しないことには始まりません。
相手方の前提や状況を踏まえた上での提案にする必要があります。

②どれくらいのインパクトがあるかを具体的に提示すること
KPIなどの数値を用いて、スペシフィックに伝えることが必要です。

「風呂敷は広げなきゃだけど、広げすぎちゃだめ。」
インパクトが小さいと行政は動かず、そもそもプロジェクトを実行に移せない。一方でインパクトを大きく見積もりすぎて、プロジェクトを実行した時に実際の結果が予測を大きく下回ると、NOの烙印が押されてしまい、今後他のプロジェクトを新たに始める時により一層始めづらくなってしまいます。


第5回のレオナゼミでは、行政の視点からスポーツビジネスを考えることができました。

私は今まで行政の立場からスポーツに関わっている方からお話しを伺ったことがなかったので、「公共性」という視点を一切持っていませんでした。しかし「公共性」は、行政と共にプロジェクトを実行していくためには念頭に置いていかなければならない重要な概念なので、それを実際に行政の立場の方から伺うことができて、大変学びが多い2時間となりました。

以上、2019年6月17日開催の第5回レオナゼミの講義レポートとなります。

来月のレオナゼミは、お待ちかねの玲央奈さんの登壇もあり、
スポーツメディアの最前線を学ぶ予定です。

次回のレオナゼミにも乞うご期待!!



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