【感想】ヒーリングっど♡プリキュア 過去を肯定して今を感じていた1人の少女が、未来に想いを馳せるまでの物語
本日、なんと花寺のどかちゃんの誕生日、ということなのでそれに託けてヒープリを見ていて思ったことをまとめてみました。
1.自己紹介
オレオです。
ヒープリは10話前後までと最終回はリアタイで視聴、それ以降は再放送で全話視聴済み。劇場版はデパプリ映画公開記念でYoutubeに上がっていたときに見ました。Glace Flowers、いいですよね。
ヒープリをリアルタイムで視聴していたのが序盤と最終回のみですが、再放送を見るにあたってある程度の展開(キュアアース登場やダルのどの行末など)は調べていたので、ヒープリを『過去を肯定して今を感じていた1人の少女が、未来に想いを馳せるまでの物語』と捉えて、再放送を視聴していました。これを念頭に置いて、ヒープリを見ていて思ったことを書き殴っていこうと思います。
2.感想
1年かけて何を描いてきたのか
まず、1年間通して描いてきたことは『負けないために闘う』だと思いました。これは最終決戦時ののどかちゃんの言葉ですが、ヒープリ初期から描いてきていると思います。中でもキュアスパークル初覚醒回で「倒すのではなく浄化する」ということが強調されたのが印象的です。『負けないために』のどかちゃんはダルイゼンを浄化する決意をしたし、『負けないために』アスミちゃんはシンドイーネを吸収しました。『負けないために闘う』ことの先に『共生』があるのではないかと考えました。
ダルのどについて
ヒープリを語る上で外せないのが、ダルのどです。ヒープリのわりと終盤くらいまでは「まぁダルイゼンはかわいそうだけど、のどかちゃんの考えの方が道理があるかなぁ」というふうに考えていたし、最近のプリキュアシリーズと比較しても「多様性やら個人の尊重やらでなんでも受け入れましょうという文化が広がる中、自分を押し殺してでも受け入れなければならないのか。なんでも受け入れなきゃいけないなら自分の思っていることを否定する人も受け入れなければならない。それは寛容のパラドックスに値するのではないか」とも考えました。ヒープリは、今までプリキュアシリーズで描いてきた多様性を新たな視点で捉えた作品であると思います。ネットでは「敵を見捨てるという行為はプリキュアらしくない」「救いを求めているんだから敵でも救済するべき」という意見がかなり多く見受けられました。実際、私もそう思う部分はあります。しかし、のどかちゃんはよく考えてダルイゼンを見捨てる決意をしたし、ダルイゼンを吸収することで自分が被害を受ける可能性があるならばそれは正当防御であると思います(アスミちゃんが吸収したのがシンドイーネじゃなくてダルイゼンだったらまだ色々な人にとって救いはあったのかなぁって思ったり思わなかったり)。ヒープリを全話視聴した今は、同情ではないけれどダルイゼン含む敵幹部全員が救われなくて悲しいというか苦しいというか、なんともいえない気持ちです。のどかちゃんの選択は正しかったのか、のどかちゃんがダルイゼンを助ける道を歩んだらどうなっていたのか。ヒープリ、そしてプリキュアシリーズにとって、ダルのどは永遠の議題になると思います。
ダルのどの延長線上-エゴエゴのエゴについて-
ダルのどに関してはのどかちゃんの視点に立ってみてものどかちゃんの意見はなにも間違ってはいないし筋が通っているので、私としてはそこまでいけないとやかく言う点はないけれど、1つすごくモヤモヤしている点があります。映画ヒープリで、かぐやちゃんを助けようとしたシーンです。エゴエゴのエゴや博士のエゴはわりと否定的に描かれていたのに、どうして「かぐやちゃんを助けたい」というのどかちゃんのエゴだけはあんなにも肯定的に描かれたのかが疑問です。のどかちゃんが良心的で献身的ですごくいい人だから? けれど、かぐやちゃんを助けようとしたという点では博士も同じだったはずです。主人公補正と言ってしまえばそれまでですが…うーん……。
アニメ本編で自分がいちばん好きな回
本編では、おさらい回がすごくお気に入りの回です。アスミちゃんが日記を書く上で自分の生まれていなかったときのことを他のプリキュアメンバーに聞いて回る、という回。自分もみんなと協力してビョーゲンズを浄化したいと悩むところや流しそうめんを楽しむ場面も印象的でしたが、みんなに過去のことを聞いて「私を生まれさせてくれてありがとう」という生命の誕生を尊ぶ形で締めくくったのがとてもあたたかくて大好きです。この回が好きすぎてたまらない。
3.最後に
ヒープリは世の中でも私の中でも賛否両論あるシリーズだけれども、リアルではコロナの影響を受けながらも生命の尊さを主張してきた力強さは、歴代でも屈指の力強さを誇っていると思います。そんな力強さを糧に、これからも「生きてくって感じ」で生きていこうと思います。
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