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K-POP楽曲分析

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2015年11月の記事一覧

VIXXの巧みな和声戦略 Chained up

VIXXの巧みな和声戦略 Chained up

まるでビジュアル系バンドの妖しさを見事にダンスアイドルグループで表現してしまったかのような我らがVIXX。今回の活動曲Chained upも、2ndフルアルバムも、安定の充実した内容となっています。

今回公開された楽曲群を聴いていると、既存曲との関係を意識しながらうまく「今のVIXXらしさ」が表現されていてとても興味深いです。活動曲Chained upを参考に、VIXXが展開している巧みな「和声

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SHINee'OddEye'の楽曲構造・宇宙編

SHINee'OddEye'の楽曲構造・宇宙編

前回の記事では、SHINeeの'Odd Eye'について、ジャズ的なアプローチが可能な和声構造について分析をしてみました。

この記事で言及したジャズ的なII→V→Iを軸とした和声は、機能和声法と呼ばれる理論体系にのっとって理解できますが、Odd Eyeはもうひとつの隠された和声法の方向からも理解できます。

その裏和声法とは私ぱんちゃが勝手に名づけ、似非カルト音楽理論として布教を試みている「宇宙

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SHINee'OddEye'の楽曲構造

SHINee'OddEye'の楽曲構造

今年最も活躍したK-POPアイドルといえば、やはりSHINeeのジョンヒョンではないでしょうか。その彼が、SHINeeの4thアルバムの冒頭を飾る曲として生み出したのがOdd Eye。

なんとも神秘的なムードのトラックに、ジョンのディレクションによる各メンバーの声の配置。従来のさわやかさをキープしつつも、怪しくも魅惑的な5人の今のカッコよさを引き出す素晴らしい1曲です。活動曲のViewも素晴らし

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Kぽ的和声IIIとTWICEのIVm

Kぽ的和声IIIとTWICEのIVm

個人的にK-POPらしいと感じる和声がありまして…

|E|G#|C#m|Am|
|I|III|VIm|IVm|

3,4小節目はやや適当で、重要なのは1,2小節目です。I→IIIという流れを聴くと、どこか胸をぎゅっと締め付けられるような感覚があって、「胸キュン」よりも強い「胸ぎゅぅ~っ」といった感覚に迫られる和声です。

2NE1などYGエンタのバラードでよく用いられているのが印象的ですが、他で

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