ペク・イェリン"宇宙を超えて(우주를 건너)"

2015年末、シンガーソングライター的な立ち位置での初のソロ作。作詞作曲に参加。「宇宙」を表現するような大きなスケール感がありながら、どこまでも洒落たクラブ・ジャズ的なテイストは、一聴してシム・ウンジとの共作かと思ったが、正解はCHEEZEの구름氏。

Aメロ:
|EbM9|Ebm/Gb|Fm7|Fm7-5|
|EbM9|Ebm/Gb|Fm7|Fm7-5|

Bメロ:
|Cm7|F9|AbM7|Abm|
|Cm7|F9|AbM7|Abm|

サビ:
|Fm7|Db7(9)|Cm7|F7|
|Fm7|Fm7-5|EbM9|EbM9|

冒頭の2小節はジャズスタンダードのGreen Dorlphin Streetを連想させるもののメロディーラインは全く異なる。全体として長調ながらIVm(サブドミナントマイナー)をはじめとするシの音(vib)の音が一つの雰囲気を作りだしている。これが、ふわふわと宇宙的な浮遊感と、何とも言えない(お洒落な)切なさをつくりだしている。すっかり自身の楽曲を所属歌手の活動曲に使わなくなったパク・ジニョンだが、彼の「アジアンソウル」としての魂は、このIVmを軸とするvibの音に込められているように感じられる。Bメロから登場するF7や、サビのDb7も非常に効果的。後者は、シ(vib)の音を含んでおり、これがブルージィでありながら、宇宙的な響きをさらに増強させている。全体として洒落た内省的な雰囲気のなかに「宇宙和声」をうまく溶け込ませている良作。

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