お店は、少なからずアジール的な側面(無縁所、聖域、避難所、自由領域)を持っていますが、最近のアジールと使い方としては、お金=貨幣を介在しない場所としての方が純粋なアジールっぽい感じはします。物々交換や無料で開けている私設図書館、私設博物館のような形態です。

もともと興味を持ったきっかけは宮崎駿監督の『もののけ姫』にでてくるタタラ場なのですが、ここが治外法権のアジール的領域になっています。これが網野義彦氏のいわゆる網野史観をベースにしているらしいというのを何かで見て、そこから網野氏の著書にあたった覚えがあります。
資本主義、販売戦略、マーケティングなどにどっぷり浸かった思考は、なんだか精神的な豊かさが乏しい感じがしますが、独立採算制がないと結局、補助金や寄付金に頼るしかなくなってしまうので、最終的にはコントロール権がなくなってしまう恐れがあります。(継続性があれば終わるより遥かにマシですが)

結局なにをやりたかったのかと言われると、純粋なお店というよりは、アジール的な領域を作りたかったのですが(自分の家を不特定多数に開けているみたいな)、商品を普通に販売している限りは、普通の小さなお店になってしまうので、もう一工夫必要だなぁと思っています。お店の開かれ具合も難しいです。商品やサービスの対価が貨幣である以上、どうしてもお店になってしまいます。一見、普通のお店に見えるという形態が理想なので、それはそれで最終的にはオーケーなのですが。

ただ、リサイクルショップ&植物は、色々実験するには相性がいいのかなぁとは思います。フロントになる別のサービスを介在させるなどやり方はありますが、彼岸と此岸の対比にならないといけないので、どこか浮世離れした感じは必要ですが。まだうまく言語化できない部分が大部分を占めていますので、そのへんは運営しながら固めていきたいと思います。

古物商店?

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