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Reproオススメ本紹介バトン📚mhayashi編

Development Divisionの林 正浩です。

自己とはなにか、世界とは何か、それらについて我々は何を知り得るのか、ということについてずっと関心をもちながら様々な本を読んできました。

様々な分野で偉大な研究がなされていますが、専門書や論文をいきなり手を出すと書いてあることがよくわからず、二度と開かない、ということもままあります。これではせっかくの世界観を広げるチャンスが失われてしまってもったいないので、先にコンセプトを理解できるような一般書を読むのがよいかと思います。

今回は、最近読んだ本の中から、そのような知識を得るための助走に使えそうな本をいくつか紹介します。

まずは物質からはじめることにします。物質を構成する最小単位は素粒子です。素粒子を扱う学問が量子論です。

📖『量子で読み解く生命・宇宙・時間』

一般向けの量子論の解説書は、光は粒子でもあり波動でもある、とか、粒子の位置と運動量を同時に測定できないとか、わからないことがわからないまま記述されているものが多いですが、本書は場の量子論のコンセプトを説明することによって、そのような物質の不可解な性質がなぜ観測されるのかを簡潔に説明されています。

次に、その物質で構成されている生命というものが何なのかについて理解をしたいところです。

📖『Essential細胞生物学』

生命の基本単位であるところの細胞、そして、その細胞を形作るタンパク質がどういう仕組みによってつくられているかについて解説されています。我々の身体が緻密に作り上げられた壮大な化学工場なのだ、ということが理解できます。

つづいて、その生命が解釈したものが世界像なわけですが、その世界像を作り上げている脳というのはどういうものなのかについて理解を深めましょう。

📖『感情とはそもそも何なのか:現代科学で読み解く感情のしくみと障害』

自由エネルギー原理という、脳の認知機能すべてを統一的、かつ、数理的に説明することを目指す理論にもとづいて感情とは何かを解き明かす試みです。自己主体感や自己存在感といった自己を構成する重要な要素と考えられる機能も同じ原理で説明されています。

推論エンジンであるところの脳は進化の末、言語を手に入れ、概念をつかうことによって世界像を論証できるようになりました。次は哲学の出番です。

📖『<現実>とはなにか─数学・哲学から始まる世界像の転換』

人類による世界像の構築というものが、具体的な事実の発見と、それを置き換え可能な普遍的な事象のひとつの事例とみなすことができるようなモデルを構築することの繰り返しによって成り立つプロセスであることが、現象学と圏論を結びつけることによって語られます。

いかがでしたでしょうか? 知らないことを学ぶのは、時として苦痛を伴いますが、それを理解し、自分が持っていた世界観を書き換えられたときに得られる喜びはなにものにも代えがたいものだと私は思います。本稿がそれを得るための一助になれば幸いです。

うっかり話を科学に振り切ってしまいました。次回はCSOの越後に、我々が直面している現実社会に焦点を戻してもらうことにしましょう。

次回もお楽しみに。


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