『ビッグ4』アガサ・クリスティー

【ネタバレ】




これも『法月綸太郎の消息』で触れられてたので大急ぎで読了。しかしまあ、私が知ってるクリスティーの作品とあまりに違うのでびっくりした。

テンポは速く、事件はたくさん起こり、あっという間に解決。何にでもなれる変装の達人が出てきたり敵の手に落ちたりアクションがあったり、まるで名探偵コナン。大急ぎでも読めるざっくりさ、なんかミステリつうか冒険活劇だよな、と思ってたら若松正氏の解説で納得した。短編に手を加えて長編にしたて直したんだね。道理で週刊連載みたいにいちいち事件が起こる訳だ。せっかく仕立てたキャラもあんま活躍せずに退場しちゃうし、最後はあっけなさ過ぎるし。えっお前らなんのために出ていたの?と思う程。

あんな集団がどうやって組織を動かしていたのかねえ、荒唐無稽、ってとこまで含めてチープで面白い。粗い。でもそこがいい。クリスティーにも模索していた時期があったんだとわかる。人に歴史あり、って意味で非常に興味深かった。

そしてヘイスティングスの無能っぷりとポアロの不遜っぷりが素敵でした。

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