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ポケモンGOの御朱印帳をつくりました

2016年の夏、世界中の誰もがスマートフォンの画面を見つめ、熱に浮かされたように外へ飛び出した。

いつも閑散としている駅前のロータリー、高校の校門前、名もない公園。著名無名を問わず、あらゆるランドマークに人は溢れ、一心不乱に画面を見つめるその様は、まるで一種の信仰儀式だった。

ぼくが話しているのは宗教の事ではなく、『Pokémon GO』についてだ。

『Pokémon GO』はスマートフォンというフィルターを通すことにより、NHKのアニメーション『電脳コイル(2007)』のように、ピカチュウやコラッタといった、実際にはその場所にいない不可視の存在を認知させることに成功した。

アニミズムでは無生物にも「霊魂」が宿るとされる。ビットの塊であるポケモンにもそれがあるとすれば、あの過度な熱狂には「ポケモン信仰」という霊性を含んでいたかもしれない。

『Pokémon GO』の霊性は土地にも関係している。
日本各地にあるランドマークといえば神社やお寺で、それらはポケストップやジムに登録されていることが多い。

社寺には、御朱印というものがある。
御朱印とは、社寺を参拝した証にいただけるもので、押印や縁のあるモチーフで意匠を凝らした墨書きのことだ。

もともとはお経を収めた証であるが、それまで縁のなかった場所に人を集めるという点では、『Pokémon GO』と御朱印は共通している。

そこで親和性の高いこのふたつを合わせて『Pokémon GO』の遊びかたを拡張出来ないかと考えた。
日本中の社寺を巡りながら、御朱印とポケモンとの出会いを楽しむのだ。

思い立ったが吉日、人生で初となる二次創作物『Pokémon GO』をモチーフとした御朱印帳づくりが始まった。

まず表紙となるイラストを、絵師DOMさんにお願いした。
伝説ポケモンのホウオウとルギアが対となる、神々しい作品に仕上げて頂いた。
悠々とエンジュシティの空を飛ぶカイリューや、破格の扱いで鎮座するポッポも魅力である。

表紙はイラストに合わせて「浮世絵」の雰囲気を表現したかったので、和紙の取り扱いがある小野商店さんに相談させて頂き、いくつか選んでいただいた紙の中から「鳥の子紙」に決めた。

刷り上がった表紙には、金の箔押しを施した。
浮世絵に箔押しという組み合わせは江戸時代にはなかっただろうと、浮世絵師たちに自慢したい。

かくして、『Pokémon GO』の御朱印帳『Poké GOshuin』は完成した。
現実、ポケモン、信仰それぞれのレイヤーを拡張する稀有なアイテムとなった。

謝辞
イラストを描いて下さったDOMさん、あなたのイマジネーションが無ければ、この企画は完成しませんでした。心から感謝しています。

和紙を選んでくれた小野商店さん、色んな見本紙を送って頂き、本当にありがとうございました。

御朱印帳をつくってくれた、かみのみかさん、丁重なご対応と職人技に深く感謝しています。

ポケモンを生んでくれた田尻智氏、素晴らしいテクノロジーとIPの融合を叶えたNianticのJohn Hanke氏と野村達雄氏、ゲームフリークの増田順一氏、そして任天堂の故・岩田聡元社長に、感謝と敬意を込めて

御朱印帳の販売はこちらから
https://pokegoshuin.tumblr.com/

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