ADHDと薬とわたしと

そろそろ書いてもいいころかな、と、なんのきっかけがあったわけでもないんですが、書き始めてしまいました。
内容は、タイトルの通りADHDと薬についてです。

わたし、ADHDです。
定期的な通院をして、自立支援を受けていて、毎日服薬をしています。

(余談:日本だとカミングアウトと言われるのかも知れないけれど、基本的に「告白する」という意味でのcome outは、自身が同性愛であることを表明するときにしか使わないのだと、少し前にイギリス人に教えてもらいました。)

結論から書きますと、有り体にいえば、服薬して人生が変わりました。
なんで薬を飲み始めたかといえば、仕事がしたかったからです。
だから、誰かの背中を押せるならと思って、これを書くことにしました。

なお最初に書きますが、具体的な薬については有料記事としました。ほんとに必要性を感じている人にだけみてもらいたいのと、やっぱり、かなりプライベートな話なので…。でも、どの薬を何ミリ飲んでるか、まで書いています。

通院前、わたしのもとにはなんの情報もありませんでした。
薬を飲んだらどうなるのか。どんなふうに薬をもらうのか。そもそも、どう診断をうけるのか、など、インターネットの情報はあまりに匿名的で、信憑性がないなと感じてしまったのでした。

わたしは知名度なんて全然ないけれど、それでも一応、顔と名前をだして仕事はしているので、少しでも、本気で悩んでいる人の力になることがあったらと思って、けっこうな勇気を出して書いています。情けないけど、けっこうな、勇気です。

なんで「本気で悩んでいる人」をボールドにしたかといいますと、悩んでない人、今のままで困ってない人は、個性としてつきあえば、問題ないと思うのです。
これは強調したいのですが、ADHDは絶対に矯正しないといけないものではありません。服薬も、個人の自由です。むしろ、飲まないにこしたことはない、と今でも思っています。

でも、もし自分が辛いなら、薬に頼る手はあると思います。

細かいことはおググりいただきたいのですが、ADHDは「発達障害」の一つです。適切な言葉なのかはわからないけれど「障害」であって「病気」ではないので、完治はしません。行動療法や、服薬で、付き合い方を調整します。

つまり、薬を飲んでも治りません。
飲めば症状がおさえられるし、飲まなければいつもの自分です。
そこに、もどかしさは実際あります。

遅刻癖があったり、マルチタスクが苦手だったり、凡ミスが多かったりするのが特徴です。いわゆる「仕事ができない人」ですね。ネット上のADHD診断なんてやると、わたしは99%あてはまります。もはや、自己紹介に使えるレベルです。

そんなわたし、前職ではいろいろ迷惑をかけまくりつつも、大変お世話になり、あるとき独立しました。(円満退職ですよ)
独立して、少し仕事もし始めたら、どうやら体調がおかしいことに気づきました。あとから気づきましたが、ADHDでも、めちゃくちゃ頑張れば、スケジュール管理やマルチタスクもできるんです。でも、逆にめちゃくちゃ頑張らないといけないんですね。

午前中から働くと、15時くらいには頭の中が疲労感でぐちゃぐちゃで、まっすぐ歩くのもしんどい(たぶん、脳疲労というやつです)。
一日に2つ以上の予定をいれたら次の日は15時間くらい寝込むし、何もしなくても一日24時間、眠くて仕方なくて、電車は乗り過ごしまくる。疲労感と罪悪感から、つねに鬱っぽい状態になっている。

みんなこんな疲れてるのに、どうして毎日会社とか行けるんだ??
と不思議で仕方ありませんでした。わたしは、全人類が24時間いつなんどきも、本当は眠くて仕方ないのだ、と信じて疑ってなかったのです。

やっぱり、なんか変な気がする。これじゃフリーランスなんて到底続けられない、と感じ、インターネットで発達障害に強い病院を探して、予約をしました。
これが、いきさつです。

さて、服薬しはじめて、1年半ほど経ちました。

いまでは、いくつかのプロジェクトを並行して、常に4つくらいは抱えています。バリバリ働いている人に比べれば、全然マルチタスクは苦手ですが、それでも(〆切に遅れることはありますが…)仕事はまぁできています。怖がらずに、仕事を増やせています。大きな仕事も、少しずつ受けられるようになりました。

あと、ほんとに眠くない!朝のミーティングでも寝ない。(一番大きかった問題の一つに、大事なミーティングでも寝る、というのがありました)
そして、変なふうに疲れることが減りました。夜まできちんと、活動できます。このへんが、自分は一番うれしいです。

そのかわり、昼食をほとんど食べなくなったり、お酒の量は減らした方がよかったり(できたら飲まない方がよい)、生活に変化も多少あります。でも、これまでのぐちゃぐちゃな毎日に比べたら、ストレスも減って、快適に生きている感じがあります。

総じて、わたしにとって服薬は、仕事するうえで必要な選択でした。
ただ、長期的にみて、身体にどんな影響があるのか?などは、全然わからないから、無条件にオススメ!とは言えません。脳をいじっている感じはしっかりあるので、健康的ではないんだろうなぁという気もしています。飲まないにこしたことは、ないでしょう。

また、ADHDの薬は、自立支援制度に申し込んで1割負担になっても、かなり高いんですね。だから、どうしても仕事や勉強がんばりたいんだ!という気合は必要です。

でも、わたしにとって、仕事って、書くことって、とても大事なんです。
たぶんADHDのせいもあるけれど、昔から自己評価も低いし、なんとなく、なにもできない自分を背負って生きてきました。自分が誰かのもとに届く文章をかけているというのが、つまらないくらい、生きる理由にもなるんです。それが実現できている日々が、いまではありがたいです。

では、そんなわたしがどんな薬を飲んでいるのか?です。

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がんばって生きます。